武器化する嘘

武器化する嘘 ──情報に仕掛けられた罠 (フェニックスシリーズ)

著者:ダニエル・J・レヴィティン…

真実を見抜くということは、「嘘」を排除するということ。情報に仕掛けられた罠・・・その罠にはパターンがあるのでしょうが、そのあたりを学ぶことができるとうまく真実を見抜くことができる気がします。

武器化する嘘 ──情報に仕掛けられた罠 (フェニックスシリーズ)
著者:ダニエル・J・レヴィティン

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内容紹介
私たちは日々洪水のようにあふれる情報のなかで暮らしている。それらの中にどれほど多くの嘘があるかを知ったら、きっと驚愕することだろう。インターネットやソーシャルメディアのおかげで、誰もが自由に情報を得ることができ、自由に発信できる。しかしその情報は本当に正しいのか? そんなことを考える人はいない。そうして嘘情報はコピペされ拡散していく。世の中は真の情報と嘘の情報が入り乱れる油断もスキもない世界と化しているのだ。狡猾なごまかしにだまされないために何が必要か。情報を鵜呑みにして信じるのではなく、常に批判的な目線で吟味することだ。人生で大きな決断をするとき――投資をする、家を買う、学校を選ぶ、病院を選ぶ――そんなとき嘘情報にだまされてしまえば人生を台無しにしてしまいかねない、と著者は警鐘を鳴らす。本書は3つの視点から世の中の嘘を暴いていく。パート1では「数字」に焦点をあて、表やグラフに仕掛けられた巧妙な罠を暴く。パート2では「言葉」。私たちは簡単に人の言葉を信じる。特に真実が一片でも含まれていると、いとも簡単にだまされてしまう。その言葉がもたらす危険性を実例で紹介する。パート3では「世の中全体」に目を向け、ニセ科学や月面着陸否定説、9.11陰謀説などのカウンターナレッジ(事実に反していて根拠がないガセネタ)についても詳しく言及している。本書を読むことで、社会に蔓延する嘘を見抜く目線を手に入れることができる。そして、いつも正しい判断がくだせるようになるだろう。

内容(「BOOK」データベースより)
わたしたちは、毎日、頭で処理できない量の情報を受け取っている。質の低いデータ、半端な真実、そしてあからさまな嘘の嵐にさらされているのだ。このような情報化時代において最も信頼できる指南書の1冊である本書では、国際的に高く評価される著者が、誤解を与えるようなニュース報道や統計、グラフ、ウェブサイトなどを見破る方法を伝授し、真偽や正誤の判別を難しくする、ウソつき狐たちの手法を明かす。

2016年メイヴィス・ギャラント賞ノンフィクション部門受賞とのことです。

狡猾なごまかしにだまされないための、最も頼れる防御策として、ひとりひとりが批判的思考法を身に着ける必要がある。・・・人間は社会的な動物なので、他人の話を信じやすい。また、人間の脳も話をつくり上げるのが大得意で、とんでもない根拠を提示されても空想を膨らませ、もしかしたら本当かもしれないという期待を抱いてしまう。だが、それこそが、創造的思考と批判的思考、嘘と事実を分かつ鍵なのだ。真実は、事実的、客観的証拠で裏付けられるのだ。主張が真実である可能性は場合によるが、誠実な主張は必ず真実なのだ。(p.18)
批判的思考が身につくと、一歩引いて事実を検討し、証拠に基づいた結論gな形成できるようになる。・・・現代社会に欠けている、優れた批判的思考の最も重要な要素は謙虚さなのだ。これは単純だが重要な考えだ。自分はすべてを知らないという自覚があれば、学習できる。すべてを知っているつもりになると、学習は不可能だ。(p.19)
欠陥のある主張に気づけば、いくつもの推論を続けて有効な結論が導き出せるか否かが分かる。情報源にはグレードがあり、ニセの事実を事実に見せかけるのは容易で、発信者のバイアスによって歪められた情報が、誤った判断や結果をもたらす可能性を認識するのが情報リテラシーだ。(p.23)

さて、著者は大きく3つのことに気を付けるように行っています。

1.数字の情報
2.欠陥のある主張
3.現在分かっているものとそうでないもの

これらをそれぞれのパートに分けて事例を出しながら、的確に説明していってくれます。

1の数字のところは、数字の扱い方、グラフの見せ方のトリックなど、これはほかにもよく掲載されているような話でそんなに驚く内容はなかったのですが、2のところはいろいろと気づかされました。

まず、エキスパートに気をつけろということで、専門家といっても単なるそれに類する免許を取っただけの人などもいるわけで、きちんとどんな人か調べなさいと。また、専門というだけあって、狭く深くなので、そのせいで見落とされていることもあると。そして、これは納得でしたが、その背後に誰がいるか、どんな組織がついているかということ。これによって「言えない」あるいは「言わされている」というようなこともあると。

そのほかにも、主張に欠陥のある恐れのある場合の事例をいくつか挙げられていて、非常に面白く、納得させられました。例えば、対照群の欠如、いいとこ取り、選択的な小標本、などです。

3のところは、帰納と演繹など、論理的なところを中心に書かれており、このあたりも他の書物でもよく語られているところでした。

2の、どんな人が語っているか、というところ、非常に面白く読ませていただきました。

全体的に1,3もまとまっており、こういった類の本が初めての人にとっては非常に有用なのではと思いました。

多くの不確かな情報を知っているより、少数の確かな情報を知っているほうが、はるかにましである。カウンターナレッジや虚偽情報は、生活や幸福に損害をもたらす危険性があり、そのせいで思ったとおりにいかないと、そのやり直しに時間が奪われてしまう。そういう意味でも、被害は大きい。真の知識は生活を簡略化し、幸福度を上げるための選択を助け、時間を節約してくれる。本書の手法にしたがって、見聞きするあらゆる主張を吟味すれば、ウェブ上の無数の嘘、嘘をつく者、悪気はなく単に無能なために不正確情報を流す者にだまされなくなるだろう。(p.302)

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