著者:宇佐美清/佐藤浩志…
サブタイトルに、「ブランディング7ステップス ブランディング戦略・戦術の構築方法」と書かれています。そのブランディングは正しいのか?と。ちょうど今、会社のほうでもブランディングの委員会に入っているので、そこのヒントを探していきたいと思います。(Inobe.Shion) |
内容紹介 本書は、正しいブランディング戦略・戦術の構築手法を学ぶためのフレームワーク「B7S(ビーセブンエス)」をモノにするための本である。デザインやイメージ、ネーミングなど、表層を整えることではなく、ブランドの行動指針ともいえるストラテジー=戦略の構築を目的としている。紹介されているブランディング7ステップスのキーワード〔1B5C 機能価値 情緒価値 ターゲット インサイト ブランド・パーソナリティ ブランド・パーセプション・ゴール ブランディング・アイデア]これらを一つ一つ丁寧に拾い上げ、整理し、紡ぎあげていくことによってブランディング戦略・戦術を構築できるようになる一冊。 著者について 佐藤浩志(さとうひろし) |
ブランディングはデザイン、ネーミング、キャッチコピーを変えることではない。戦略から落とし込んで戦術として変えるのであって、それがマストではない。理解の深いデザイナーは「デザインは最後の2,3割」と言い切っている。(p.2) |
ここですよね。これですよ。
ブランディングの構成要素も以前より細分化されてはじめ、ターゲット、イメージ、アイコン、バリュー、ベネフィット、ペルソナ、挙げたらキリがない。そして、これらを埋めていく作業をブランディングと考える人が多い。しかし、大事なのはストラテジー=戦略である。ブランドの行動指針とも言える戦略がない限り、ブランディングは前に進まないのだ。ブランディングとは、商品やサービス、そこに関わる人々がブランド価値を高めるには日々何を意識してターゲットと接するべきか、そのための指針を立て、それに沿って行動し続けるというストイックな活動なのだ。(p.3) |
まさにストラテジーだと思います。これまでもいろいろなブランド関連本を読んできましたが、私なりに持っているブランド観について、どういった新しい学びがあるか楽しみです。さぁ、読み進めていきましょう。ここからが本編です。
私はブランディングの目的は何かと聞かれると、「ブランディングは、そのブランドの売上を増やすこと、よく売れるようにすることが目的です」、と答えている。「その目的を達成するには、やるべきことがいろいろあります。まず、そのブランドを多くの人に知ってもらう。次に好きになってもらい、買ってもらう。できれば、そのブランドを何かカタチでその人の記憶に残し、次の購買機会が来たら、再び買ってもらう。ここまで来ると、その購買者はブランドの良さについて親しい人に話してくれるでしょう。これらのことでブランドのファンを作り増やすことが、ブランディングの最終の目標です」と、続ける。(pp.8-9) |
そして、ブランドに関する情報を整理して1つの考え方にまとめていく、つまり戦略にする。そのためにあるのが、ブランディング7ステップス、B7Sと著者たちはおっしゃっています。
著者らが提案するのは、ブランディング7ステップスは下のようにブレークダウンされた7つの項目です。
機能(事実) | |
何をもたらすのか? (既存価値) |
1.機能価値 |
2.情緒価値 | |
誰に対して? | 3.ターゲット |
4.インサイト | |
どんな性格でありたいか? | 5.ブランドパーソナリティー |
どう思われたいのか? | 6.ブランドパーセプション・ゴール |
新しい価値は何か? | 7.ブランディング・アイデア |
ブランディング戦略を書くとは、この7つの要素・段階を文章にすることであるが、いきなりこれらを書くことはできない。そのためのブランド周辺の情報が必要になる。これが1B5Cである。(p.13) |
ブランディング7ステップスの入り口として事前に情報収集すべきことがある。そのためのキーワードを1B5Cと呼んでいる。このイニシャルは、1つのBと5つCで始まる情報源を示している。
この1B5Cは、クライアントと広告会社やまけてぃんぐ会社が協働で収集にあたる。それを双方が発表して一緒に討議し、いくつかの仮説を導き出す。この協働作業が、お互いのコミュニケーションを円滑にして、今まで以上の親近感を作り出す。(pp.16-30) |
ブランディング戦術の構築方法(p.131)
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これまでに10冊以上のブランドやブランディングの本を読んできましたが、著者たちは非常にさすがにそれをよく理解されていて、分かりやすい言葉で伝えてくれています。
たくさんのブランド本を読む前にこちらに目を通すと、自分なりのブランド観をもって、それらによりよく理解できると思います。