政策評価のための因果関係の見つけ方 ランダム化比較試験入門

政策評価のための因果関係の見つけ方 ランダム化比較試験入門

著者:エステル・デュフロ

【2019年ノーベル経済学賞受賞!】
伊藤公一朗氏(シカゴ大学准教授)推薦!
「世界中で使われているランダム化比較試験のバイブル」経済学におけるフィールド実験の発展に多大な影響を及ぼした記念碑的論文
“Using Randomization in Development Economics Research: A Toolkit”
(Handbook of Development Economics, Vol.4 Ch.61)が、ついに翻訳出版!経済学におけるランダム化比較試験のパイオニアである
エステル・デュフロ教授らによる、理論的解説と実践的ノウハウが凝縮。監訳者の小林庸平氏による解説は、
本書の難解な部分を直感的でわかりやすい解説で補いながら、
近年注目されている「エビデンスに基づく政策形成(EBPM)」に
ランダム化比較試験をどう活かしていくかを展望。

経済学の実証研究の世界では、フィールド実験と呼ばれる手法が近年急速に発展してきた。フィールド実験とは、医療をはじめとした自然科学の分野で使われてきた「ランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial; RCT)」と呼ばれる手法を、現実社会の中(フィールド)で適用することによって、政策等の効果を厳密に測定する手法である。(まえがきより)

因果推論を行うためには、本質的には反実仮想(counterfactual)を考えなければならない。・・・そのためには、比較を行うための対照群が必要となる。対照群とは、処置を受けないグループであり、処置を受けるグループ(処置群)と元来近しいアウトカムを有しているグループである。しかし実際には、処置を受けるグループと受けないグループは異なっている。(pp.4-5)

グループ間のあらゆる差は、プログラムの効果だけではなく、もともとの違い(選択バイアス[selection bias])にも影響を受ける。選択バイアスがどの程度なのかが分からなければ、グループ間に見られた差のうちのどれだけが真の処置効果であり、どれだけが選択バイアスによるものかを区別することはできない。(p.5)

 

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