著者:副島 隆彦
今の中国があるのは、習近平さんももちろんすごいのですが、、鄧小平さんの随所に埋め込まれた中長期戦略の効果だということがよくわかります。まさに、国家元首はビジョンをしっかりと持って国を引っ張っていくリーダーシップこそが必要だと気づかされる1冊です。(Inobe.Shion) |
内容紹介
私たちの目の前で日に日に巨大化していく共産中国。 日本経済の停滞と中国経済の巨大化のはざまで見過ごされてきた、 習近平政権がもっとも知られたくない“真実”! <本書の巨大な真実3つのポイント> ☆知られざる中国発展の秘けつと未来像が初めて明かされる! ☆ <本書の主な登場人物> ○王滬寧(1955~) ○王岐山(1948~) ○鄧小平(1904~1997) ○森嶋通夫(1923~2004) ○青木昌彦(1938~2015) ○ヘンリー・キッシンジャー(1923~) ○デイヴィッド・ロックフェラー(1915~2017) ————————————————————————- 出版社からのコメント もはや中国を、「好き」「嫌い」の感情論だけで語れる時代は終わった! <本書の内容> 第2章 第3章 第4章 |
冒頭にも書きましたが、鄧小平さんはすごいですね。いろいろな制度を利用したり、作りながらいまのこの中国の繁栄を描いていたのでしょう・・・・そんなふうに考えさせられる1冊です。
中国の国家体制は、このあとももっともっと強大になって、経済的にも繁栄して、中国人がどんどん豊かになっていく。あと20年間は、成長は止まらないだろう。この異様な大成長が私たちの目の前で、この30年間起きたのだ。この事実をとにかく嫌がって、憎んで嫌って、ねたんで、中国の悪口を言って見下し腐すことを、日本国民の一部がやってきた。その総数は500万人くらいだ。彼らが、まさしく安倍政権を支えてきた中心的な勢力だ。(pp.118-119) |
今の日本は、真実はポーランドやウクライナと程度の同じ国なのだ。そうした認識すらない。これがどういうことか説明する。「回廊国家(コリダー・ネイション)」という考え(知識)がある。回廊(廊下)国家とは、大国と大国の間に挟まれて、両方から脅され、踏み荒らされる小国ということだ。ポーランドがまさしくそうだった。ロシア帝国とドイツ帝国に挟まれて、両方から侵略されてひどい目に遭って、国が消滅したこともある。実は朝鮮半島も、コリダー・ネイションである。大国に囲まれて踏み荒らされた。そのとき国民に主体性がなくなる。それが知恵のなさとなって表れて、「どちらか一方の大国にしがみつく」という考え方をする。日本の強硬保守や反共右翼も、とにかくアメリカにしっかりついていく(これが「日米同盟の堅持」だ)という一本やりで動いている。それが彼らの知恵の足りなさである。彼らは「アメリカ軍は帰れ。私たちは自分の国を自分で守る」という、大事な一行が言えない、言わない人たちだ。(pp.121-122) |
青木昌彦と森嶋通夫の業績はものすごく重要だ。きっと、このことを中国人は日本人に知られたくないだろう。・・・特殊な能力を持った日本人学者たちが、今のこの巨大な中国を作ったのである。・・・森嶋通夫の『マルクス経済学』が、中国の今の巨大な成長を作った源泉であり出発点なのだということ。このことを、私はどうしても書かなければいけないのだ。(pp.156-157) |
中国の凄さはこれを見てもわかるでしょう。
世界の時価総額ランキングhttp://www.180.co.jp/world_etf_adr/adr/ranking.htm
2018年6月度で50位までには、日本はトヨタの1社ですが、中国は8社も入っています。この事実をしっかり認識しないといけません。