著者:上岡 正明 …
私自身は株はしないのですが、興味本位で読んでみました。会社経営に通じるところもありいろいろな気づきを得られました。(Inobe,Shion) |
内容紹介
株はスタートダッシュで決まる! 株で勝ち続ける人が持っている「考え方」「見方」「やり方」の3つの型を身につけて実践すれば、 株式投資を始めるなら、決して中途半端な気持ちで始めてはダメ。 【目次】 |
一流の成功者は、一流の考え方をしているということです・・・その先も成功し続けて、株式投資で大きな財産を築く人は、きちんと大切なときに、必要なことを手に入れた人だということを忘れてはいけません。これから先、さらに勝ち続けるには、正しい方向での努力が必要なのです。(pp.5-6) |
いくらモチベーションがばかり高くても、地図が間違っていたらゴールにたどり着けないのと同じです。(p.7) |
失敗こそ賢くなるチャンス。そう考えることが、株式投資では大切なのです。失敗したときに他人のせいにしたり、経済や政治の責任にせず、そこから自分の至らない部分を見つけ出して学ぶようにすれば、あなたの知識や経験はどんどん増えていきます。正しい判断を、より早く出せるようにもなります。(p.9) |
何かを成し遂げようと考えるときは、かならず「何のために」という目的を考えます。すると、面白いことに、「いつまでに」「何を」「どれくらい必要か」ということが見えてきます。すでに同じ目的を達成した人が、どのような人かも、意識するようになります。具体的なイメージができあがり、かかる時間も明確になります。あとは成功するための行動を積み上げていくことで、自然と結果がついてきます。(p.11) |
株式投資は最初のスタートダッシュが肝心です。このスタート時点で多くの投資家が、もっとも無駄な時間とお金を使ってしまっているからです。その理由は、次の2つが考えられます。(p.28) (1)ゴールがうまく設定できていない (2)その達成方法がわからない |
これは会社経営にも言えることでしょう。そう考えると、ビジネスモデルを作って動く仕組みを作った後、売却してキャピタルゲインを得て、次々とベンチャーを立ち上げていくシリアルアントレプレナーという方たちは経営自体が目的ではなく、この立ち上げるところに焦点を置いている人たちなのでしょう。
たとえば、社会問題においても、
(1)その解決の仕組みを作り課題解決の糸口を創造する
(2)解決の仕組みを継続的に運用し、課題を解決し続ける
どちらにゴールを持っていくかで、会社におけるその役割も違いますもんね。
ゴールが決まれば、あとはそこまでの距離とルートを知ることによって、少しずつでも、近づくことができます。逆にゴールが決まらなければ、そもそも何を知ればいいのか、さらには今の自分に何が足りないのかも、把握することができません。(p.29) |
予想外の展開が訪れたとき、どう対応するのか。株で勝ち残るためには、それが一番大切です。判断の基準を複数用意したうえで、もっともベストだと思えるものを選択して、決断していかなければなりません。当然、選ぶべきものが1つしかない投資家と、複数の選択肢を比較しながら、組合せで対応できる投資家では、後者の方が有利です。(p.41) |
ビジネスでも株式投資でも、勝者と敗者の実力差が拮抗するゲームで、あなたが対戦相手に勝つ方法は4つあります。 (1)競争相手にはない強みを発揮する (2)相手より見渡せる大局的な視野を持つ (3)多くの人とは全く別のゲームをする (4)競争相手を上回る速度で成長する この中で唯一、生まれ持った能力に関係なく、誰でも努力すればできることがあります。そう、それこそが(4)の競争相手を上回る速度で成長するです。株を始めたら、できるだけ速く、最初のステージをスタートダッシュで駆け出すことです。この意識の違いを持つことが大切です。(pp.66-67) |
ビジネスと株式投資に共通するポイント(pp.68-70) ①順境よし、逆境またよし ②ビジネスで利益を出すには、一定の経費が必要 ③事業や人のロスカットは、簡単にはできない ④おごり高ぶる経営者は、必ず会社をつぶす ⑤素直な人ほどよく伸びる ⑥ほとんどの新入社員は最初の1年は赤字 |
株の成功者は、正しい「考え方」「見方」「やり方」を持っています。・・・土台となる「考え方」と、それらを支える柱となる「見方」が備わっていないと、グラグラとした不安定なピラミッドになっていまいます。(p.75) |
考え方 | ①目的を持つ ②成功の原則を知る (経験重視、再現性、戦略を知る) ③常識を変える |
見方 | 8つの戦略(買う、売る、待つ、分割、損切り、保有、つなぎ、カラ売り) |
やり方 | 技術 |
株で勝つ投資家になるために、まずあなたに決めてもらいたいことがあります。それは次の3つです。 (1)なぜ、株式投資をするのか (2)いつまでに、いくら稼ぎたいのか (3)そのために、どんな戦略が必要か 株式投資の目的と、それを達成するための戦略と戦術がセットになって、はじめて投資家は高速で成長する可能性を手にします。(pp.102-103) |
ここでハーバード大学で実施されたアンケート調査のエピソードの紹介がありました。
①全く目標を設定していない人 84%
②目標を設定している人 13%
③明確な目標設定と計画を紙に書き留めている人 3%
10年後の年収は・・・
② ①の2倍
③ ①の10倍
そして、素直にこれを捉えられるか?そして、紙に書いてみようとするか、その気持ちこそが大切だと言っています。(p.105)
目的を持つと、あなたの成長が速まります。自分に何が足りなのかもよく分かっています。そのため、目的に向けて成長も速くなるのです。(p.106) |
人間の脳は、疑問があると、その答えを探そうとする便利な性質があります。ただ、目的地もわからないのに、行く当てのない旅路への疑問を持つことはできません。目的があるから、窓の外の景色の違いに、違和感を覚えるのです。そして、この違いに気づくことこそ、具体的な目的を持つことによって、株式投資への成長が高速化した瞬間なのです。(p.108) |
常に失敗を分析して、勝つルールを見つけることが、株で成功するための最短の道だと言えます。そのためには、失敗に対する見方を次のように変えることです。 ・株の失敗は当たり前だと思う ・勉強代として割り切る ・失敗から多くを学ぶ ・負けから入る「戦略」を知る ・負けを価値に変える「戦い方」を知る 大切なのは、負けから入る戦略と負けそのものを勝ちに変える戦い方、この2つを知ることです。(pp.123-124) |
「相場の動きに大して、あなたがどう動くか」・・・代表的なやり方を、以下の6つにまとめました。 (1)分割売買が投資の基本 (2)相場が分からないときは、ゆっくりと動く (3)大きく下がったときに積極的に動く (4)感情をコントロールすることを覚える (5)資金の追加出動は焦らない (6)株式投資のPDCAを回す どれも大切なやり方です。(pp.234-235) |
最後にあなたに伝えたい、大切なことが2つあります。
学び続けている人は、他人のせいにしません。うまくいかないのは、自分の「学び」と「成長」が足りないからだと思うように、考え方自体が変化するからだと思います。(pp.248-249) |
「株式投資」を「起業」や「企業経営」に置き換えられるところが多く、非常に勉強になりました。