著者:セス・スティーヴンズ=ダヴィドウィッツ …
サブタイトルは、「ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性」著者はGoogleの検索結果などを分析していたデータサイエンティスト。検索を「脳鏡」と位置づけ、まさに本性が暴かれる・・・そんな感じ。非常におもしろい切り口の書。(Inobe.Shion) |
内容紹介
実際人々はどれほどセックスをしているのか? 検索は口ほどに物を言う 通説や直感に反する事例が満載 グーグルの元データサイエンティストで、ニューヨーク・タイムズにも寄稿する著者が、グーグルの検索データを分析して米国の隠れた人種差別を暴くのを皮切りに、男女の性的な悩みや願望から、名門校入学の効果、借金を返す人と踏み倒す人の差まで、豊富な事例で人間と社会の真実を明かしていく。 ビッグデータとは何なのか、どこにあるのか、それで何ができるのかをわかりやすく解説する一方、データ分析にまつわる罠、乱用の危険や倫理的問題にも触れる。ビッグデータ分析による社会学を「本当の科学」にする一冊! ★英エコノミスト紙2017年ベストブックオブザイヤー 内容(「BOOK」データベースより)グーグルの元データサイエンティストが、膨大な検索データを分析して米国の隠れた人種差別を暴くのを皮切りに、世界の男女の性的な悩みや願望から、名門校入学の効果、景気と児童虐待の関係まで、豊富な事例で人間と社会の真の姿を明かしていく。ビッグデータとは何なのか、どこにあるのか、それで何ができるのかをわかりやすく解説する一方、データ分析にまつわる罠、乱用の危険や倫理的問題にも触れる。ビッグデータ分析による社会学を「本当の科学」にする一冊! |
おもしろい事例がたくさん出てきますが、この数字のそれぞれご自分の感覚、合っているか確認するのもいいと思います。
さすがにアメリカですね。セックス系、人種系のことについて多くページが割かれています。内容は興味深いものが多く、読みものとして楽しめる内容となっています。
ビジネス的に何か得られるものがあるかというと、それについてはそれほどではないかもしれません。
特に興味を持ったのは、下記の分析とその結果です。
ウィスコンシン大学の数学者であるエレンバーグは、いったい何人が実際に書籍を読み通すのかに興味を持った。そしてビッグデータを活用してそれを調べる妙手を考案した。アマゾンのレビュー欄では、人々は書籍中の文章をさまざまに引用している。エレンバーグは、書籍の前半の記述の引用回数と後半のそれと比較することを思いついた。こうすれば読者がどれくらいある本を読み通したかを大まかに示す指標にはなる。この方法によれば、、ドナ・タートの小説『ゴールドフィンチ』は、90%以上の読者が読了していた。対照的に、ノーベル経済学賞を受けたダニエル・カーネマンの傑作『ファスト&スロー』は、およそ7%しか読了していなかった。この大雑把な測定方法によると、経済学者トマ・ピケティの『21世紀の資本』に至っては、世評の高さとは裏腹に、3%足らずだった。要するに、人々は経済学者が書いた本は読了しない傾向が強いのだ。(p.320) |
この結果ですが、すごく面白いですね。カーネマン、ピケティ、ともに大作だったから?いえいえ、『ゴールドフィンチ』はさらに大作です。
そう考えるとこちらの結論、経済学者が書いた本は読了しないという傾向があるかもしれませんね。サンプルが上記2作だけだとすると少なすぎますが。