著者:渡邉 光太郎…
5W1H・・・簡単そうで難しい。自分では分かっていても伝えないと分からないことも多々あります。それを防ぐチェック項目といってもいいでしょう。また考えるときにもこの6つの視点はMECEの役目を果たしてくれます。是非是非、習慣づけていきたい要素です。(Inobe.Shion) |
内容紹介 課題提起、アイデア発想、事業提案、問題解決など、ビジネスのあらゆる場面で生産性を高めてくれる、シンプル最強の思考ツール、5W1Hをとことん使いこなすための1冊。人気ビジネススクール講師が、事例を交えて、丁寧にわかりやすく解説。たったこれだけで、複雑なビジネス課題も十分応えられる一生モノの思考力が身につきます! 出版社からのコメント そんな悩みを持つビジネスパーソンに必読の1冊! せっかくたくさんのフレームワークを学んでも、うまく使いこなせい、成果に結びつかないと感じたときにこそ重宝するのが5W1H。 「いまさら5W1H !?」 こんなふうに軽く見られることも多い、皆さん子供の頃からおなじみの5W1H。When(いつ?)、Where(どこで?)、Who(誰が?)、What(何を?)、Why(なぜ?)、How(どんなふうに?)。でも、実はたったこれだけで、数々の複雑なビジネスの課題に応える、MBAレベルのアウトプットが出せるということをご存じでしょうか? 課題提起、問題発見・問題解決、創造的アイデア発想、説得力のあるコミュニケーションなど、日々の業務のさまざまな場面で、あなたのパフォーマンスを高めてくれる最強の武器となる、シンプル最強の「考具」、それが5W1Hです。 人気ビジネススクール講師が、本当に使えるシンプル最強の思考法を、多くのビジネス事例を交えて丁寧に解説。ビギナーからベテランまで、今すぐ役立つ実践的な内容になっています。 ・他のフレームワークと併用して、分析や説明のパワーアップを図りたい人 業種や職種を問わず、仕事の生産性を高めたいと考えている、すべての方におすすめの1冊です。 |
「6人の召し使い」、この6人をいつもそばに置いておきたいものです。
I keep six honest serving-men (They taught me all I knew); Their names are What and Why and When And How an Where and Who.私には、6人の正直な召し使いがいある。 (私が知りたいことは何でも教えてくれた) 彼らの名前は、What(何)、Why(なぜ)、When(いつ)、 そしてHow(どうやって)、Where(どこ)、Who(誰)である。これは『ジャングル・ブック』で有名な英国のノーベル文学賞作家、キプリングが、『Just So Stories』(日本語訳で『なぜなぜ物語』という著作の中の「The Elephant’s Child」という何でも知りたがる子ゾウの話の最後に添えた詩の一説です。 キプリングはこの「5W1H」を、”6人の召し使い”と言っていますが、私は、ビジネスシーンに留まらず、この世の森羅万象について、さまざまな示唆を与えてくれる“六賢人”だと確信しています。(pp.4-5) |
この「5W1H」を習慣づけるためにはどうすればいいのでしょうか。
成果を出す人は、「5W1H思考」が標準搭載されている。 5W1Hだけで、こんあことができる、ここまでできる ①[課題提起] Big-Whyで「真の目的」にさかのぼる ②[アイデア発想] 5W1Hで「思考キャンパス」を広げる ③[コミュニケーション] Why-How で「説得力あるロジック」を作る ④[問題解決] 3W1Hで「筋の良い打ち手」に絞り込む |
この①→②→③→④の流れで5W1Hをどう利用できるでしょう。
こうしたフレームワークや発想ツールは、思考を広げ、整理する上で強力な武器になりますし、適時適切に活用すれば考えを深める便利な”考具”になるものです。しかし、残念ながら、これまで多くのビジネスパーソンと時間を共にする中で、こうしたフレームを効果的に活用して成果を出している(良い分析や良い提案をしている)人は非常に少ない。(p.20) |
ハイパフォーマーは、「5W1H」を、表面的に情報整理のポイントや行動プランの枠組みとして使っているわけではありません。When, Where, Who(Whom), Why, What. How (How mach/How many・・・)を、それぞれ、「時間・過程軸」「空間・場所軸」「人物・関係軸」「目的・理由軸」「事象・内容軸」「手段・程度軸」のコンセプトととらえ、視野を広げ、抜け漏れを防ぐ思考ツールとして、ほとんど無意識的に利用しているのです。課題を提起するとき、アイデアを発想するとき、説得力を持って伝えるとき、問題を解決するとき、“視野を広げ” かつ”本質に迫る”問いである、この5W1Hを、「くずして」「ばらして」あるいは自在に「組み合わせて」使っています。ビジネスで成果を出す人や組織は、実はこうした「5W1H思考」が標準搭載されているのです。(pp.23-24) |
5W1Hを、「What(何を解決するのか)?」→「Where(どこが悪いのか)?」→「Why(なぜ起こるのか)?」→「How(どうすればよいのか)?」というように、“ばらして”首尾よく並べれば、最強の問題解決プロセスになります。パフォーマンスの高い人や組織ではこうした思考の型を実践していることが非常に多いと言えるでしょう。(p.31) |
5W1Hと他のフレームワークの比較(p.33)
5W1H | 他のフレームワーク | |
認知度 | 誰でも知っている | 専門・特定のヒトしか知らない |
汎用性 | さまざまな場面で汎用的に使える、かつ、パワーがある | 1つ一つのフレームワークは限られた目的でしか使えない |
難易度 | たった6項目のセット。型を身につければ、使い勝手は良い | 数は多いので覚えるのが大変。使いこなせないことも多い(フレームワーク・シンドロームに陥りやすい) |
役割 | 視野を広げて本質にせまるためのシンプルな論点の提供。思考が行き詰まったときの原点回帰 | 詳細な事実把握や分析的視点の獲得のため |
うまく使うコツ | 自由自在に、くずして、ばらして、組み合わせる | 各フレームワークの専門知識を駆使して、示唆を出す |
「さかのぼり(Big-Why)思考」の甘さ、「目的」への感度が鈍ってしまう症状は、組織の至るところで見つかります。以下の3つの状況が典型的な原因といえるでしょう。
①目的(Why)がそもそも欠落している「目的の亡霊化」 これらの状況に陥ることによって、私たちの視野・思考領域は知らず知らずのうちに狭くなってしまいます。(p.46) |
ここが肝です。トヨタの「なぜを5回」でもこのさかのぼりのパットしないと切れ味の鋭い真因にはいきつかないでしょう。
高次の目的にさかのぼれたとき、手段の“意味”は固定観念を越えて自在に変えられ、さまざまな使途に結びつきます。そしてそれはときに顧客にとって感動的な体験価値に変わるのです。なお、こうした対応ができたのは、さらにもう一つ、理念に紐づく「行動基準」が明確に用意されていることも挙げられるでしょう。(p.50) |
東京ディズニーランド(リゾート)には、「The Four Keys~4つの鍵~」(SCSE)という、スタッフ全員が共有している目的(理念)達成のための優先順位を定めているとのこと。
S:Safety (安全)
C:Courtesy(礼儀正しさ)
S:Show(ショー)
E:Efficiency(効率)
起こっている文脈の中で、自分たちが「どうあるべきか」という原点に立ち返れば、平時のご法度も、魔法の杖になるということです。
「我々の事業の真の目的は何か?」 このシンプルな問いが、思考視野を高める強力な取っ掛かりになるのです。(p.51) |
誰もがわくわくするような最上級のBig-Whyは、「従来にない、革新的な意味付け」があることも欠かせません。
に応えられるものでなくてはなりません。これには、個人の課題を超えて、人類の社会的課題の解決に寄与したり、技術的なブレークスルーが求められるようなBig-Whyが入ります。つまり、よりよいBig-Whyを追求することが、社会やビジネスの革新を押し進める強い力になる。(p.67) |
5W1Hをいかに柔軟に応用するか?(p.80)
基本の問い | 応用 | |
When 時間・過程軸 |
いつ?いつから・いつまでに? どれくらいの時間?どんなプロセスで? |
時間、時期、期間、納期、スケジュール(日程)、頻度、スピード、歴史的経緯、プロセス、順番など |
Where 空間・場所軸 |
どこで? | 場所、位置、職場、場面、市場、販売チャネル(ルート)など |
Who 人物・関係軸 |
誰が?誰に?誰と? | 中心人物(担当者)、組織、グループ、役職、人数、相手、顧客(市場)ターゲット、協力者(パートナー)など |
Why 目的・理由軸 |
なぜ?何のために? | 目的、ゴール、あるべき姿、ねらい、価値、コト、意義、背景、理由、原因、見えにくいもの(本質、心)など |
What 事象・内容軸 |
何を? | 内容、テーマ(議題)、やること、対象物、モノ、見えやすいもの(現象、形)など |
How 手段軸 |
何を? | 実行手段、方法、段取り、テクニック、媒体、事例、状態など |
How Much 程度軸 |
どれだけ?いくらで?どの程度? | 程度、回数、数量、価格、予算・実績、費用など |
日頃からあらゆる物事について、「Why-What-How」の階層構造で捉えることもクセにしていれば、次のようなさまざまな場面やテーマでもスムーズに説明のロジックを組み立てることができます。 |
「Why-What-How」の3点セット活用例(p.112)
テーマ | Why (何のために) |
What (何を) |
How (どのように) |
計画作り | To Be(ゴール) | To Do(基本シナリオ) | How to do(具体策) |
企業経営 | Mission(理念) | Strategy(戦略) | Tactics(戦術・施策) |
戦略の構成要素 | 目的 | 競争優位性(勝ちパターン) | アクションプラン |
問題解決 | 問題の本質 | 解決の方向性 | 実現手段 |
顧客への価値提供 | ニーズ(コト) | ウォンツ(モノ) | シーズ(タネ) |
会議やミーティング | 目的(成果) | テーマ(議題) | 進め方(進行方法) |
人が伝えるもの | 思い(心) | 論旨(頭) | 言葉(体) |
人生 | 人生ビジョン | 人生計画 | 日々の生活 |
飛行機 | 飛ぶ「原理」 | 構成機能(モジュール) | 個々のパーツ |
ビジネス書の構成要素 | 基本思想 | 学びのポイント | 事例 |
汎用ツールとして、あるいみ究極のフレームワーク「5W1H」。これを身につけられれば、怖いものなしです。