著者:ジュリア・キャメロン…
原題は「The Artist’s Way」ですので、邦題は少し飛躍している感も否めませんが、アマゾンのレビューもたくさんついていて高評価作品です。今回はその作品発刊25周年ということで、新版という形で刊行されました。(Inobe.Shion) |
内容紹介 「50歳からスタートして脚本家になった! 」 「アーティストになった」 「イライラしなくなった」と大評判! 全米ロングセラーの完全版が、持ち運びやすいサイズでついに登場です!子どものころ、何になりたかったでしょうか? とにかく絵を描くのが好きだった、こっそり詩を応募したことがある、 ミュージシャンに憧れて仲間とバンドを組んでいた……。 誰にでもひとつやふたつ、そんな思い出があるのではないでしょうか? でも、たいていの人は、 「才能がない」「できっこない」 「夢みたいなこと言ってないで、まともな仕事につきなさい」 などという世間や親、そしてほかならぬ自分自身の思い込みで、 創造的でありたいという夢を捨ててしまいます。本書は、わたしたちの内側に秘められた「創造的な子ども」を見出し、育て、 「ずっとやりたかったこと」をやって創造的に生きるための具体的方法論です。 ミリオンセラー作家、画家、有名俳優、 映画『タクシードライバー』の監督マーティン・スコセッシなども実践する本書のメソッドは、 いわゆる「アーティスト」はもちろん、 毎日をもっと創造的に生きたいすべての人に役立ちます。 内容(「BOOK」データベースより) |
[分類] 159:人生訓. 教訓
1978年、私は創作活動で挫折を味わった後、「障害を取り除き、立ち直る」方法をアーティストたちに教え始めた。自分自身の創作活動を通して学んだツールをアーティストたちと分かち合ったのだ。できるだけ簡単でわかりやすくすることを心がけた。私が告げたのは次のようなことだった。 「あなたを通して表現したがっている創造的なエネルギーがあることを覚えておいてください」「作品や自分自身を性急に裁いてはなりません。後で選別することができます」「あなたを通じて神に仕事をさせない」(pp.7-8) |
創造性は、庭の雑草に似ている。つまり、望もうが望むまいが、抜いても生えてくるものなのだ。私は創造精神に栄養を与え、それを育てるやり方を人々に教えた。人々は本を書き、映画を製作し、絵画を描き、写真を撮ることによってそれにこたえた。噂が広がり、私のクラスはあっという間に満員になった。(p.8) |
これをアートだけで考えると自分事としては、今は難しいですが、ビジネス企画に置き換えると自分事になるのではないでしょうか。コトラー先生もマーケティングはアートだと確かおっしゃってましたし、私もマーケてぃんぐはもちろんデータサイエンスに関してもアートだと思っていますので。そんなふうに置き換えながら読んでいると深みが出てきそうです。
私たちは全員創造的であり、いくつかのシンプルなツールを使えば、誰でももっと創造的になれる。創造性はスピリチュアルな実践である。私たちを通して働く偉大なる創造主に心を聞くだけでいいのだ。そうすれば、私たちはスピリチュアルなエネルギーが世界に入ってくる回路になる。(p.10) |
あなたがこれからしようとしているのは、自分の意識の中に、創造力が活動する道をつけることである。いったん、道の妨害物を取り除く決心をすれば、創造性が出現するだろう。ある意味で、創造性は血液に似ている。血液が体にあらかじめ備わったものであり、あなたが発明するものではないように、創造性は体に備わったものであり、あなたが発明しなければならないものではないのだ。(p.20) |
本書に掲げられているツールを活用し、毎週の課題をきちんとこなしていけば多くの変化が起こるだろう。なかでももっとも明らかなのは、シンクロニシティが起こりやすくなることかもしれない。私たちが変化すると、宇宙がその変化を後押しし、広げてくれるのだ。私の机の上に貼ってある「飛べ。そうすればあなたを受け止めてくれるネットが現れる」という言葉は、それを端的に言い表してる。(pp.26-27) |
自分を信じて創作活動に入っていけば、宇宙がひとりでに道を作ってくれる。アーティストとして、また教師として、私はそう感じている。それは水門を開けるのに少し似ている。いったん堰を取り除けば、水が自然に流れ込んでくるのだ。(p.26) |
次に掲げる創造性の原理は、創造性を取り戻し、育んでいくための土台になるものだ。一日に一度読んでもらいたい。そして、自分の行動や信念にどのような変化が起こるかをよく観察してみよう。(pp.26-27)
<創造性の原理>
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この創造性の原理を一日に一度読むように書かれています。要は「創造」というものは天から降ってくるのでその準備をしておくように脳に刷り込むという感じでしょうか。でも確かに非常に大事なことだと思います。この記事にもよく書いていますが、カラーバス効果・・・これは絶対あると思いますので、これと同じことだと思います。
どの課題を選ぶかについては。二つの指針がある。自分に訴えかけるものと、強い抵抗感を覚えるものを選んでほしい。そのいずれでもないものは、あと回しにしても構わない。自分にもっとも必要なことに、私たちはしばしば抵抗する。この事実を覚えたおこう。(p.29) |
これは面白いですね。覚えておきます。
このあと12週間にわたって、1週間ごとの創造性回復のためのプログラムが書かれています。
創造性の回復には、2つの重要なツール、モーニング・ページとアーティスト・デートがある。みずからの創造性に触れていたければ、この2つを一貫して用いる必要がある。(p.44) |
モーニング・ページとは何だろう?一言で言うなら、3ページほどの手書きの文章であり、意識の流れをありのままにつづったものだ。・・・モーニング・ページには間違った書き方というものはない。・・・書くというのはさまざまなツールの一つに過ぎない。モーニング・ページはただ手を動かし、心に浮かんでくるものをそのまま書き留めることを目指している。卑劣なこと、愚かなこと、ばかげたこと、奇妙なこと、どんなことでもかまわない。他人の目には触れさせないものなので、その内容は、書いた本人であるあなた以外にはわからない。あなた自身も最初の8週間ほどは、それらを読み返さないようにしよう。・・・「なんのためにモーニング・ページを書くのですか?」と聞かれると、私はこう答える。「向こう側に行くためです」。みんなは私がからかっていると思うが、そうではない。モーニング・ページは、私たちを向こう側に連れて行ってくれるのだ。私たちの恐怖や否定性、気分の向こう側である。私たちは、検閲官の戯言が届かないところに、自分自身の静かな中心を見出すのだ。そして、自分たちの創造主であると同時に自分自身でもある。静かなささやきを聞くのである。(pp.44-48) |
よく考えると、自分と向き合う時間ってなかなか取れない。取れたとしても、そのときに思ったことや考えたことは何も残らない・・・それを考えるとこのモーニング・ページはすごいですね。毎日3ページ、吐き出していると自分発見もあるでしょうし、慣れてくると、自分をしっかりと見つめなおせるでしょう。
長期間、モーニング・ページを書いていて、予期せぬ内的な力に出合わずにいることは不可能である。これは内的な世界へと入っていく通路であり、明確な自己感覚を育む道なのだ。モーニング・ページは私たちの内的世界の地図を描き出す。地図がなければ、私たちの夢は未開の地にとどまっているかもしれない。だが、モーニング・ページを用いれば、洞察の光は発展的な変化を引き起こす力と結びつく。(p.51) |
真剣にモーニング・ページを書いている人は誰でも、自分の内部の知恵の源とつながるようになる。モーニング・ページは私たちを絶望から救い出し、思ってもみなかった解決へと導く。自分でどうしていいかわからないつらい状況や問題に出くわし、行き詰ったとき、私はモーニング・ページに向かい、導きを求める。自分のイニシャル「LJ](Little Julie)を書いて、質問を投げかけるのだ。それから答えに耳を傾け、書き留める。(p.53) |
アーティスト・ウェイのもう一つの基本ツールは、ツールではなく、気晴らしのように思えるかもしれない。アーティスト・デートと呼ばれるものには、はなはだ疑問を感じる人もいるだろう。アーティスト・デートをすることによって、あなたは洞察やインスピレーション、導きなどを受信する。では、実際のところ、アーティスト・デートとはなんだろう?アーティスト・デートとは、あなた自身の創造的な心を育むために特別に確保される、週2時間ほどの時間のかたまりである。基本になるのはそのものずばり、デートだ。とはいっても、連れがいるわけではない。それは、あなたと内なるアーティスト、すなわち自分の内部にいる創造的な子供とのデートなのだ。(pp.56-57) |
このあと、1週間ごとのプログラムが12本、つまり12週間分のプログラムが掲載されています。うまくプランを作って、なんとかやっていきたいです。
またこちらですが、アマゾンのレビューを見ると、日本語版では割愛しているものが原著にはあるようです。原著のほうも見て見たいと思っています。またご紹介いたします。