教養として知っておきたい 地政学


教養として知っておきたい 地政学 (スッキリわかるシリーズ)

編者:かみゆ歴史編集部

最近よく聞く「地政学」というワード。英語では、geopolitics というそうです。そもそもどんな学問で何を目指しているのか。既存の学問とはどこがどう違うのか。基本的な定義としては、「地理的な環境が国家に与える政治的、軍事的、経済的な影響を、巨視的な視点で研究するものである。」(Wikipedia)だそうです。(Inobe.Shion)

「geopolitics」の画像検索結果

内容紹介

■今、地政学が熱い!
地政学とは、歴史や政治の本質を知ることで、これからの世界がどう動くかを予測し役立てる
学問。本書では、それぞれの国や地域の地理的特徴や近現代史を説明した上で、現在の諸問題の
原因や今後の動向を探ります。

■マンガや豊富な地図・図版でわかりやすい!
本書では、各章頭にマンガを、またそれぞれの項目で地図や図版、イラストを多用しながら解説
していますので、はじめて地政学を学ぶ方でも楽しみながら読むことができます。

■巻頭口絵では、主要国をキャラ化して紹介!
巻頭の口絵では、地政学を学ぶうえで知っておきたい「宗教と紛争」「核兵器の保有」「経済と
軍事の枠組み」という3つのキーワードについて、を世界地図とともに紹介しました。さらに、
現在の国際情勢をリードする13の国をキャラクター化して解説しています。

【主なもくじ】
総 論 地政学とは何か?
第1章 日本を取り巻く状況
第2章 朝鮮半島から見た世界
第3章 シーパワーを目指す中国
第4章 覇権国家アメリカの行方
第5章 難攻不落のハートランド・ロシア
第6章 転換期をむかえるヨーロッパ
第7章 大国に翻弄され続ける中東世界

【監修者紹介】
神野 正史(じんの・まさふみ)
1965年名古屋生まれ。河合塾世界史講師。世界史ドットコム主宰。学びエイド鉄人講師。
ネットゼミ世界史編集顧問。ブロードバンド予備校世界史講師。歴史エバンジェリスト。
自身が運営する世界史専門のネット予備校「世界史ドットコム」は、絶大な支持を誇る
人気講座。また「歴史エバンジェリスト」としての顔も持ち、TV出演、講演、雑誌取材、
ゲーム監修なども多彩にこなす。主な著書に『世界史で読み解けば日本史がわかる』(祥伝社)、
『世界史劇場』シリーズ(ベレ出版)、『最強の成功哲学書世界史』(ダイヤモンド社)、
『現在を読み解くための「世界史」講義』(日経BP社)、『戦争と革命の世界史』(大和書房)
などがある。

出版社からのコメント

●「地政学的に日本は特別な位置にある! 」「朝鮮半島をめぐる大国の思惑とは?」
●世界情勢の「なぜ?」がわかる
●歴史や政治の本質を学び、これからの世界を予想する

まず地政学を語る上で重要なキーワードとして「ランドパワー」と「シーパワー」が挙げられています。(p.34)

ランドパワー 【大陸国家】
ランドパワーとは、大陸を支配する国家のこと。ロシア、中国、ドイツ、フランスなどがあてはまる。
シーパワー 【海洋国家】
シーパワーとは、海洋を支配する国家のこと。島国の日本やイギリスはもちろん、太平洋と大西洋に挟まれているアメリカも大きな島国、つまりシーパワーとして扱われる。

 

マッキンダーによれば、世界史はシーパワーとランドパワーの対決の歴史でした。・・・マッキンダーはイギリス人(シーパワーの国)の立場から、「ユーラシア大陸のハートランドに強大なランドパワーの国家ができれば、やがて沿岸のシーパワーの国々を支配し、さらに制海権をも掌握して世界を制するだろう」と主張。シーパワーの国々が連携して、ランドパワーの対抗すべきだと唱えました。一方、マハンはかつてのスペイン、イギリスといった覇権国家は、いずれも制海権を手に入れたことで植民地から膨大な富を得ることができるようになり、国力を増強していったことに着目。そしてアメリカもシーパワーになれば、世界で覇権を握ることが可能だと述べました。(pp.34-35)
マッキンダーの理論をさらに発展させたのが、第二次世界大戦前から大戦中にかけて活躍したジャーナリスト、スパイクマンのリムランド理論です。リムランドとは、西はイギリスから東や日本にまで至るハートランドの周辺地域のこと。ハートランドが寒冷で雨量が少ないのに比べて、リムランドは温暖で雨量が多く、経済活動を行いやすいのを特徴に持ちます。そのためランドパワー国家はリムランドの支配を狙って、たびたびこの地域に侵攻。かねてからこの地域を支配してきたシーパワー国家と衝突を繰り返してきました。そのいい例としてロシアとオスマン帝国の間で起きたクリミア戦争や、日本とロシア間での日露戦争が挙げられます。(p.36)

「rimland theory」の画像検索結果

アメリカが世界の警察をやめる一番の理由は、財政的な負担が大きいこと。アメリカの2017年会計年度の財政赤字は約6700億ドル。そして国家予算の中で多くの割合を占めているのが、年間約6000億ドルの国防費。これは2位の中国の3倍です。世界から軍隊を引き揚げ、国防費を減らせば、財政赤字の改善に結びつくことが期待できます。(p.152)
アメリカが世界の警察から撤退すれば、世界中に力の空白地帯が生まれます。力の空白地帯には、必ず別の力が入り込もうとし、混乱が起きます。アメリカがこれまでリムランドに重点的に群を配置してきたのも、そこを力の空白地帯にしないためでした。(p.153)
アメリカのTPPからの離脱は、アメリカにとって最大の貿易赤字相手国である中国を利することになりかねません。事実中国は内向き化が顕著なアメリカを横目に、自らが打ち出した一帯一路構想をもとに沿線諸国の取り込みを着実に遂行しています。アジア・環太平洋市場が中国に奪われることによって、アメリカの経済力はさらに低下することが懸念されます。・・・トランプ政権の保護主義、アメリカ第一主義は、中国を利するばかりではなく、同盟国との間に深刻な経済摩擦を引き起こすことが危惧されます。(pp.154-155)

世界史と地理を統合したような学問。それぞれに対して、横串を刺すような感じでしょうか。非常に興味深く読むことができました。こういうふうに知識は上塗りして、知恵に昇華していくような感じで面白いです。今回はマンガもあるような超入門書でしたが、機会をとらえてさらに深めていきたいものです。

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