デザイン思考入門: イノベーションのためのトレーニングブック

デザイン思考入門: イノベーションのためのトレーニングブック

著者:渡邊 敏之 (著), 柏樹 良 (著), 中野 希大 (著)

== 朝日新聞社のThinkキャンパスで紹介されました (2025.02.20) ==
https://www.asahi.com/thinkcampus/pr_tus_6/

==公益財団法人日本デザイン振興会 リエゾンセンター・ライブラリー(東京都港区赤坂)にて「デザイン新刊本」 (2025年4~6月)として紹介・展示されました (2025.04.08) ==

== 2025年度高校生ビジネスプラン・グランプリ 東京都立中央図書館が選んだ34冊 に選ばれました (2025.06.06)==

デザイン思考でイノベーションが起こせるって本当?
複雑化する社会の中で、生き抜くための道しるべがほしい…

主にはこれから社会に出ようとする学生をターゲットとして、デザイン思考でイノベーションを起こす方法論を体系的にまとめた教科書。デザイン思考を学ぶことで、現在の社会に存在する複雑な課題を解決できるようになること、それによってイノベーションの種を見つける実力をつけることを目的に執筆された。

どんな分野を専攻している人でも活用できる、社会構造の変革を起こすような破壊的イノベーションを起こすための学びを助ける一冊。

 

 人は、今までの経験の中からしか欲しいモノやサービスを考えることができない。つまり、新たな、まだ世の中に存在していないモノやサービスを生み出すためのヒントは、誰かに聞いてもその答えの中にはないのである。(p.12)

最近本当に思いますが、欲しいときにしかそれが欲しいと思わないので先取りしすぎると失敗する。まさにジャストインタイムです。

先取り失敗商品(早すぎた名作) 後出し成功商品(ジャストインタイム)
失敗の要因 / 成功の理由
Apple Newton (1993) iPad / iPhone (2007~)
当時は手書き認識精度が低く、通信インフラも未整備だった。
セガ・ドリームキャスト (1998) PlayStation 3 / 4
ネット対戦を標準装備したが、当時はISDNやアナログ回線が主流で早すぎた。
任天堂 バーチャルボーイ (1995) Oculus Rift / Meta Quest
3D体験は画期的だったが、モノクロ赤色表示で没入感に限界があった。
Microsoft Tablet PC (2002) Microsoft Surface
OSがペン操作に最適化されておらず、重くて高価すぎた。
QRコード(決済利用) (90年代末) PayPay / WeChat Pay
日本発の技術だが、スマホ普及前は「読み取る」手間が壁だった。
三菱電機 携帯テレビ D210 (1985) ワンセグ / YouTube
電波環境が悪く、移動中に映像を見るインフラが整っていなかった。
General Magic「Magic Cap」 (1994) Android / iOS
クラウドやアプリの概念を先取りしたが、ハードの処理能力が不足。
セグウェイ (2001) 電動キックボード(Luup等)
高価で法整備も追いつかなかったが、シェアリングと規制緩和で普及。
Google Glass (2013) Ray-Ban Meta / Vision Pro
プライバシー懸念と「見た目」の違和感が強すぎた。現在はAIと融合。
ソニー Data Discman (1990) Kindle / 電子書籍アプリ
電子辞書・読書の先駆けだが、コンテンツの少なさと画面の解像度が課題。

これらは、先取りしすぎて消費者がついてこれなかった、あるいはテクノロジーがついてこれなくて不十分な機能だったというものの例と言ってもいいでしょう。ただ、これらの成功・失敗はあるにしろ、そもそもイノベーティブな発想がなければこれらは生まれてこなかったので、この本の本題はそこになるので、上記は上記で頭の片隅に置きながら読み進めると良いと思います。

●デザイン思考
1.着想
共感→解釈→発見
2.発案
コンセプト→創造
3.実現
プロトタイピング→テスト→発展

エイミー・エドモンソン「職場における4つのリスク」
1.無知だと思われる不安
→質問をする
2.無能だと思われる不安
→間違いや失敗を報告する
3.ネガティブだと思われる不安
→批判的な視点で見直す提案をする
4.邪魔をする人だと思われる不安
→意見を伝える・求める

「→」の行動をしても安全だと信じられるチーム環境であることが心理的安全性が高いチームであるということであり、デザイン施行をチームで進めていくための、最重要事項ともいえるだろう。(p.20)

 イノベーションを起こすためには、最初からアンケートに頼って直接答えを求めるのではく、人々の観察から得た根拠に基づいて自分なりの仮説を立て、本人でさえ気が付かない隠れた欲求を発見し、それに対する手段であるウォンツまで推論することが重要である。(p.60)
 推論とは、既知の事柄を基にして、未知の事柄を予想し論じることである。何かを推論するときに、良く行われている方法が演繹法(deduction)と演繹法(induction)で、クリエイティブなひらめきがでやすいといわれているのがアブダクション(abduction)である。

ちなみに、弁証法との違いはGEMINIによると以下の通り。

アブダクション(仮説的推論)と弁証法は、どちらも「新しい知識を生み出す」「矛盾や驚きを解決する」というプロセスを扱うため、非常に近い親和性を持っています。しかし、そのアプローチの焦点や「動機」に違いがあります。両者の似ている点と異なる点を整理しました。

1. 共通点:知識の「飛躍」と「対話」両者の最も大きな共通点は、論理的な正しさだけでなく、「今の枠組みでは説明できない事態」をどう乗り越えるかという動的なプロセスにあります。

  • 驚きや矛盾から始まる:
    • アブダクション: 「なぜこんな不思議な現象(驚くべき事実)が起きているのか?」という問いから始まります。
    • 弁証法: 「Aという主張と、それに矛盾するBという事実がある」という対立から始まります。
  • 「仮説」による統合:
    • どちらも、既存のデータから機械的に答えを出すのではなく、一段高い視点や新しいアイディア(仮説・ジンテーゼ)を導入することで、バラバラだった情報を一つにまとめ上げようとします。
  • 対話的な構造:
    • アブダクションはしばしば「自然との対話」と呼ばれます。対象を観察し、問いを立て、答え(仮説)を推測するプロセスが、弁証法的な問答法(ダイアラクティク)に似ています。

2. 違い:焦点の置き方似てはいますが、それぞれが重視するポイントが異なります。

特徴 アブダクション 弁証法
主な目的 最も可能性の高い**「原因」や「説明」**を見つける 矛盾を解消し、より高い次元の**「真理」**へ昇華させる
プロセス 事実 B → (もし A なら B は当然) → おそらく A だ テーゼ(正) ↔ アンチテーゼ(反) → ジンテーゼ(合)
推論の性格 「推測」:ひらめきや直感を含む 「発展」:論理的な対立を通じた自己成長
ゴール 納得のいく説明(仮説)の提示 止揚(アウフヘーベン)による概念の深化

3. まとめ:両者の関係性

現代の哲学や研究手法では、**「アブダクションは弁証法的なプロセスの一部である」**と捉えられることもあります。

例えば、科学研究において「予想外の実験結果(アンチテーゼ)」が出たとき、それを説明するために「新しい理論(仮説)」を立てる行為は、形式的にはアブダクションですが、思考の流れとしては弁証法的です。

結論として:二つは「動的な思考のプロセス」という点で非常によく似ています。ざっくり言えば、「パズルを解くためのひらめき」に注目するのがアブダクション、「ぶつかり合う意見から新しい答えを生み出すプロセス」に注目するのが弁証法、と使い分けると分かりやすいでしょう。

 

 

カスタマージャーニーマップに書き込む項目の例
・行動:動作(do)、言葉(say)
・感情:考え(think)、気持ち(feel)
・五感:見ている、聞いている、味わっているなど
・環境:製品との接点
・ニーズ:
・不満などのマイナス要素(pain)
・あると嬉しいなどのプラス要素(gain)

コンセプトの構造とアイデアの関係
・哲学:どんな社会や環境を作りたいのか
・ビジョン:そのためにはどんな製品を開発したいのか
・アイデア:そのために何をするのか

アイデア(発散技法・収束技法)
・発散技法
・ブレインストーミング
・オズボーンのナイン・チェックリスト
・マインドマップ
・マトリックス法
・その他(図書分類法、ブレインライティング法、、、)
・収束技法
・KJ法

テスト・評価
・定性評価
・インスペクション評価
・エキスパートレビュー
・ヒューリスティック評価
(ニールセンの10ヒューリスティック)
・認知的ウォークスルー法
・定量評価(ユーザーテスト)

 

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