著者:ふろむだ
「錯覚資産」・・・この存在を知ったとき、あなたのものの見方は変わってしまうかもしれません。(Inobe.Shion) |
内容紹介
◆社会の真理を暴き、11万部突破の大ヒット 伝説的なブログ『分裂勘違い君劇場』を中心に、 実力を磨くよりも、はるかに人生を好転させる 誰もが一度は思う 本書を読み終えた後には、誰もが ◆「興奮」と「目からウロコ」の声多数! ◇控えめに言って人生を変えうる悪魔の書なのでみんな読んだほうがいい 内容(「BOOK」データベースより) 実力を魔くよりも、はるかに人生を好転させる「錯覚資産」とは何か?ネット上で何百万人もの感情を揺さぶり続けたモンスター・ブロガー衝撃のデビュー作。 |
「思考の錯覚」の場合、錯覚をしていること自体に、本人は、ほぼ気づけないのだ。この世界は、思考の錯覚に満ち溢れている。なぜなら、「プラスのイメージを引き起こすもの」であれば、なんでも「全体的に優秀」という思考の錯覚を起こしてしまうからだ。(p.13) |
重要なのは、「人々が自分に対して持っている、自分に都合のいい思考の錯覚」は、一種の資産として機能するということだ。本書では、これを「錯覚資産」と呼ぶ。・・・複数種類の志向の錯覚が掛け算されることで、とんでもない威力の錯覚資産が作り出されるのだ。さらに重要なのは、錯覚資産は、うまく運用することで、複利で増やしていけるということだ。錯覚資産の運用がうまい人間と下手な人間では、時間とともに、どんどん差が開いていくのだ。(pp.14-15) |
「実力がある」から、良いポジションを手に入れられるのではなく、「実力があると周囲が錯覚する」から、良いポジションを手に入れられているという部分が大きいのだ。これが意味するところは、あなたが思っている以上に、重大だ。・・・会社は、実力タイプよりも、錯覚力タイプの方が有能だと認識するので、錯覚力タイプは、実力タイプよりも、より良いポジションや成長のチャンスを手に入れられる。(pp.20-22) |
そしてその結果、複利が起こって結末は・・・
錯覚力タイプは、エリートコースに乗り、良い先輩の丁寧な指導を受け、重要な仕事を任され、みんなに助けられ、実力アップの機会に恵まれる。実力タイプは、数年後に廃棄が決まっている老朽化したシステムのお守りや雑用ばかりさせられ、ろくな経験を積めず、実力が伸び悩む。結果として、数年後には、実力においても、錯覚力タイプが、実力タイプを追い抜いているのだ。(pp.22-23) |
さらにさらに・・・
「錯覚資産によって良い環境が手に入り、良い環境によって実力が育ち、実力があるからそれが成果を生み、その成果を利用してさらに錯覚資産を手に入れる」というループが回ることで、錯覚資産と実力が雪だるま式に増えていくという構造があるのだ。(p.25) |
あなたは、あなたの人生の経営判断を、是が非でも間違えるわけにはいかない。だから、自分の人生の選択をするときだけは、徹底的に思考の錯覚の汚染を除去して、研ぎ澄まされた直感と論理的思考で、本当に正しい判断をしなければならないのだ。(p.65) |
判断が難しい時、人間は考えるのを放棄して、直感に従ってしまう。しかし、判断が難しい時こそ、直感はアテにならない。なぜなら、判断が難しいときに直感が出す答えは、思考の錯覚に汚染されていることが多いからだ。だから、判断が難しいときは、「思考の粘り強さ」が決定的に重要になる。「思考の粘り強さ」がない人間が、難しい問題について考え抜くのを放棄して、思考の錯覚の泥沼に沈んでいくのだ。(p.72) |
これはまさにそうで、経営的な意思決定などもまさにそうでしょう。
判断が難しくても、不確定性が大きくても、安易に思考を放棄してデフォルト値を選んでしまうことなく、粘り強く考え抜かなければならない。そして、明らかに現状維持の方が他の選択肢よりもずっとよさそうであれば、現状維持するべきだ。(pp.72-73) |
注意が必要なのは、次の2点。
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より深刻なのは、後者。すべてのループが回らなくなるから。
そして、心理学的な一般的な説明を錯覚資産と絡めながら説明し、以下のように最後にまとめられています。
「実力中心」の世界観で生きる人間より、「錯覚資産ー運ー実力」の世界観で生きる人間のほうが、圧倒的に強い。なぜなら、「実力中心」モデルは、端的に、間違っているからだ。「錯覚資産ー運ー実力」モデルの方が、はるかに現実に近いからだ。実世界の戦いでは、現実が見えているほうが勝つのは、当たり前なのだ。(p.357) |
非常におもしろい視点で書かれていました。「錯覚資産」・・・これは確かに言い得て妙でそういうことって今までもたくさんありました。うまく自分がハマったときもあれば、逆のときも。
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