2020年、経済史上初の恐怖の三重底が世界を襲う!!

2020年、経済史上初の恐怖の三重底が世界を襲う!!

著者:増田悦佐 … 

不況は英語では、recession と言います。単なる経済評論家とは違い、アカデミックな切り口で2020年を斬られています。非常に興味深い内容です。(Inobe.Shion)

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内容(「BOOK」データベースより)

オリンピックを開催した国は、たいていの場合開催直後に、ときには開催直前に深刻な景気後退に見舞われる!!未来は「円」「金」「仮想通貨」「情緒産業」にあり。世界を飲み込む大底を乗り切れば、日本は必ず再生する!!オリンピック不況前夜、賢い日本人の資産防衛術。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
増田/悦佐
1949年東京都生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修了後、ジョンズ・ホプキンス大学大学院で歴史学・経済学の博士課程修了。ニューヨーク州立大学助教授を経て帰国、HSBC証券、JPモルガン等の外資系証券会社で建設・住宅・不動産担当アナリストなどを務める。現在、経済アナリスト・文明評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

ケインジアン経済学がいかに人間社会を機械的に見る発想なのかがよくわかります。人為的に需要を創出したりしたら、その後、その需要創出がどんどん波及効果をもって拡大していくというのは錯覚で、実際には一時的に膨らませた分だけ、あとから縮小せざるをえないのです。(p.18)

この部分をもう少し詳しく説明してくれています。

ケインジアン経済学の前提となっている「波及効果」なるものは、「世の中には仕事のある人と、ない人がいる。そして、金を儲けている企業、全然儲けていない企業がある」という単純な二分法で区別して意味明日。ところが実際には、この程度の賃金しか得られないのなら、働かずに福祉に頼った方がマシだと思う人もいます。企業の中にも、わずから儲けの仕事をわざわざ引き受ける必要はないという理由で稼働しない企業もずいぶんあります。(p.18)
公共事業をやる場合、ほかの民間企業がやっている仕事の利益率や民間の勤労者が取っている賃金より、少し有利にしてやらないと、今まで稼働していなかった企業も人も稼働しません。そうしてムダなコストをかけることになります。新しい経済発展の契機ができるどころか、楽して儲かる仕事があるのだから、そっちばかりやって、今まで公共の支出なしにやってきた仕事は手を抜こうということになるのは、当然です。(p.19)
一般の公共事業にしろ、オリンピックにしろ、戦争にしろ、一時的には確かに特需が出てくる分だけ経済は活性化しますが、その後は波及効果どころか、今までやりすぎた仕事を差し引くことになるので、全般的な不況になってしまうのです。当たりまえのことです。(p.19)
結局のところ、一国の経済動向を決めるのは輸出でも投資でもなく、消費なのです。(p.42)
過去の例を見ると、政治国がまっとうな商売をしていてもどうにもならないので、活気を出すために行った公共事業や戦争、それこそオリンピックも開催とかは、必ず裏目に出ているのです。裏目に出るのも無理ものない話です。まっとうな商売をやっていても儲からないのに、普段国民が好きでもないスポーツをやるために無駄金を使って、その後ずっと赤字経営が続くような説明が残ってしまう。その横に活性化の要因があるでしょうか。(p.66)
2020年東京オリンピック後の不況はたんなる不況にとどまらず、過去約500年間にわたって発展し続けてきた近大市場経済が史上初めて経験する3重底になるのではないかと予想されます。4年ごとにやってくるオリンピック不況を短期の落ち込みとすれば、アメリカで50年ごとにピークを迎える長期的な政治社会暴力サイクルの激発期、そして84年に一度起きてきた21年にわたる超長期不況の大底が重なる巡り合わせになっているからです。(p.70)
1830~50年代には深刻な大不況が起きていたのに、近代経済史の教科書はこの事実をほぼ完全に無視しています。一方、1870~90年代の長期デフレは、勤労者の生活水準を画期的に改善した好況期だったのに、大不況だったと言われ続けてます。なぜこれほど経済実態を無視した議論が通説としてまかり通っているのでしょうか。(p.144 )
この謎を解くカギは、1837~57年の大不況は、アメリカ、イギリスのどちらでも明らかに政治的な理由で引き起こされたという事実です。政治が経済に介入したことが、結果的に深刻な不況を招くというパターンです。とにかく「経済政策はすばらしい。放っておけば必ず起きる不況を未然に防いだり、その被害を小さくしたりすることができる」と主張しないと飯を食っていけない経済学者たちが、実際には大不況が政策の実施を引鉄として起きたという事実を、なにがなんでも認めまいとして頑張っているのです。だから、政治介入さえなければ起こり得なかった1837~57年の深刻な大不況は、歴史から消されてしまったのです。(pp.144-145)
アメリカという国は、過剰生産を行っては、その過剰生産が過剰でないように、全世界を作り変えてしまいます。南北戦争時の軍事技術では不可能ではないかと思えるほど徹底的に旧南部連邦側の諸都市を破壊しつくしたように、アメリカ北部を除く全世界を作り変えてしまう。そういうことを平然とやる連中です。(p.153)

あらためて、教科書の世界史も整理しながら、読んでみたいと思っています。ここに書かれていることをそのまま信じるのもダメですが、これまで教科書だから「正しい」と信じ込まされてきたものとを自分の目で精査して自分なりの見解を積み上げていかないといけません。

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