著者:川上浩司 …
「考える」ことの大切さ。再認識できます。「考える」ときのプロセスに注意を向けることの大切さ、「考える」ことは未来への大きな一歩なのだと。(Inobe.Shion) |
内容紹介 ☆現役・京大デザイン学教授による、思考本の決定版! ☆もうわかったつもりで終わらない「考え抜く秘訣」とは? ☆考える力を深めるエッセンスは、一本の「〇○」に秘められていた! ☆問題解決能力を高める「一点集中思考」を京大教授が初伝授! 「思考のスタミナ」をつけて、考え抜ける体質になる―― 「論理的に考えるのが苦手」「いつもあまり考えず、『まいっか』で済ませている」…… けれど「思考力」とはそもそも何なのか、とらえどころのない漠然とした存在で、 この本では、そんな「考える力の正体」に迫って「思考の悩み」を解決すべく 「足が速くなりたければ実際に走る必要があるように、 はたして、「深く考えるための秘訣」が詰まった、考え抜くべき事象とは――? 読み終えたら思考のスタミナが上がっている、 |
刺激的です。是非、手に取って読んでいただきたい1冊です。
考える力をつけるには、考える時間をつくること。ただし、考える時間をつくるために、時間の使い方を工夫したり、時間術を手に入れる必要はない。
必要なのは、「考えることの価値を知る」ことなのだ。 |
思考のプロセスにこそ、「真の問題」や「新たな解決法」が隠れていて、価値もあると私は思っている。(p.12) |
hukak「深く考える」とは、たとえば未知のものを目にしたとき、それは何かを、考えて考えて考え抜いたすえに、全く新しい概念が自分の中に形作られることだ。また、既知のものであっても、新たな面をみようと思案する道筋そのものが「深い思考」となり、それによって発想の転換も促される。(p.26) |
各章のポイントが最後に書かれており、これを見直すと気づきを再認識できそうです。
第0章のポイント(p.42)
|
ネットに掲載されている情報もついつい疑わずに信じてそれを使ってしまう。活字メディアですら、記事に対する責任感のようなものが、ネット的になってきているように感じます。人類自体にネットは大きな恩恵をもたらしましたが、逆に「深く考える」ということがスピード重視で欠落していっているという著者の指摘には共感します。私自身、気をつけなければなりません。
第1章のポイント(p.83)
|
ここにある「物との約束」「人との約束」ですが、一言で説明するのは難しいですが、本著を読んでいただくと書かれていますが、少し哲学的ですが、ある意味本書のエッセンス的部分です。
第2章のポイント(p.121)
|
4つの尺度は、統計でも出てくるやつです。「比例尺度」「間隔尺度」「順序尺度」「名義尺度」のことです。
第3章のポイント(p.159)
|
思考とは、「けもの道」に似ている。最初は道なき道であっても、1回歩いた後のほうがちょっと歩きやすくなる。だからまたそこを歩くと、さらに踏み固められていく。この繰り返しで、道なき道は道になっていく。(p.158)・・これは面白いです。何かの漫画の名セリフでもグッと来たような記憶がありますが、何だったかな。同じようなことを言っていました。
そして、最後です。
第4章のポイント(p.197)
|
最後に面白いことが書かれています。
考えている最中に、「あ、今考えている」と意識することこそが「深く考える」ことの第一歩となり、AI時代に機械に負けない、これからの人類に求められるスキルなのだ。
頭の中で「考える」という小さな一歩を踏み出そう。それがきっと、未来から見れば「大きな一歩」になっているはずだ。(p.202) |
これを読んでいて、いろいろと考えさせられました。私はいまビジネスパーソンであるとともに、大学院に通う学生でもありますが、後者の立場だと「考える」ことばかりです。前者のビジネスパーソンでも業務は深く「考える」ことの多い職務なのですが、周りを見渡してみると、「考える」ことをしている人はあまりいないような気がします。「考える」といよりは、「適応させている」というのでしょうか。確かに、それ自体考えながらやっているのですが、既存のルールや形に当てはめるための当てはめ方を考えていて、そこから何か創造的なものが生まれることはないんですよね。
本著にも書かれていましたが、「セル式」と「ライン式」というのがあって、面倒で効率の悪い「セル式」でなく、「ライン式」がほとんど。でも「セル式」で考えることができないと、優れた「ライン式」を生むことは出来ないと思うんですけどね。そういう意味でも、「セル式」でできる人を育てていかないと、企業も滅びゆくような気がしてなりません。