著者:アラン・ピーズ,バーバラ・ピーズ …
まさに「ブレイン・プログラミング」。夢を叶えるためのプログラムの作り方が丁寧に書かれています。今まで多くのこの類の本を読みましたが、これは腹落ちする部分が多かったです。(Inobe.Shion) |
内容紹介
★日テレ系「世界一受けたい授業」に著者が出演、大反響!! 著者アランとバーバラが人生最大の危機におちいったとき、 そう、脳には、自分でプログラミングできるシステムがあり、 本書では、著者夫妻が自らの体験を 本書に書かれていること: 「今の状況から抜け出したいのに、 この本を読めば、 著者について 市中芳江(いちなか・よしえ) |
本書の帯に次のように書かれています。
まずは何をしたいのかを決める。どうすればそれがかなうのかは考えない。目標を心に決めれば、答えはすぐに見えてくる。 |
最終的にはこれに尽きるんでしょうね。さぁ、読んでいきましょう。
続いて出てくる、「はじめに」の引用、これまた素敵な言葉です。
人生は、きれいに手入れの行きとどいた体で安全に袴でたどり着くための旅であってはならない。 もうもうと立ち込める煙のなか、船の甲板を転がって舷側に叩きつけられ、全身が傷だらけになってすっかり疲れ果て、「まってくなんてひどい乗り心地だ!」と、大声で泣きわめいてこそ人生だ! (ハンター・S・トンプソン) |
脳には、あなたが自分で思い通りにプログラミングできるシステムがあり、これをうまく操作すれば、どこへでも行きたいところへ行けるようになる。最初の発見者は、ジュゼッペ・モルッチとH・W・マグンという二人の科学者だ。この二人によると、脳のなかには人生をどの程度まで成功させられるか、失敗に終わらせてしまうのかの決め手となるシステムがあり、それは私たち一人ひとりに備わっているという。(p.3) |
一つの考え方をもっとも効果的に学習できるのは、ある程度の間隔を置きながらその考え方に6回接したときだということが研究によって明らかにされている。初めて読んだり聞いたりした考え方が、それまでの自分の考え方と食い違っていると、脳は新しい考え方を拒否して受け入れない。自己啓発セミナーに行っても、なかなか効果を実感できなのはそのためだ。だが、同じ考え方に6回接すると、脳は新しい考え方を受け入れるようになり、やがて心の奥までその考え方が浸透していく。(p.5) |
「RAS(Reticular Activationg System:網様態賦活系)」というのは、哺乳類の脳幹にある「網様体」という神経の集まりで、体の生命活動を維持する働きだ。RASの働きがなければ、人は生物として生きていけない。私たちがつねに眠ったり目覚めたり、呼吸したりできるのも、心臓が一定のリズムで動くのも、実はRASのおかげだ。それだけではない。行動しようという意欲や性欲が起こるのも、おなかが空いて「食事にしよう」と思うのも、体内の老廃物が排泄されるのもRASの働きがあるからだ。意識レベルのコントロールにもかかわっている。何か特別な物事に関心があるとき、それに関係する情報が、パッと目に飛び込んできたりするだろう。それもRASのなせるわざである。RASが傷つくと昏睡状態に陥るのでで、ナルコレプシー(過眠症)のような病気はRASがうまく働かなくなることが原因だと言われている。(p.21) |
RASが非常に重要だということですが、ナルコレプシーとも関係があるということは、「睡眠」とも関係が深いということになりそう。自分ではショートスリーパーだとは思って、平均3~4時間の毎日ですが、最大限に能力、脳力を活かすにはこれがベストではないかもしれません。そのあたりの問題意識ももって読み進めていきます。
RASは脳に入るほとんどすべての情報を中継していることが明らかになった。RASは、入ってくる情報をふるい分けて、何に注意を向けさせるか、どれくらい関心を呼び起こすか、どの情報をシャットアウトして脳に届かないようにするかを判断する。(p.23) |
脳に毎日送られる情報のうち、99.9999%はあなたの知らないうちに処理され、消えている。なぜなら、そうでもしなければ、日々を平穏無事に過ごすことなどできないからだ。(p.25) |
情報のふるい分けのツールとして、人は進化の過程でRASという仕組みを獲得したと書いてます。
何か望まないもののことばかりを考え続けていると、その望まないものにあなたの意識が向くように、RASをプログラミングしてしまうことになる。望まないものばかりが目に入ると、自分がひどい状況のなかでの闘いを強いられているという強迫観念に襲われて、苦しむことになりかねない。「望むこと」だけを考え、「望まないこと」は考えないように、くれぐれも申し上げておきたい。(p.34) |
これは非常に大事なことですね。ついつい「望むこと」を考えるとその逆の「それがうまくいかなかったら」というようなことに結びつけてしまいます。ですが、そんなことは考えずに、「望むもの」だけを考えて、あとはRASに任せるということがこのあと出てきます。
このRASという天然のフィルターは、あなたが考えていることや、関心を向けていることを、だんだんと潜在意識に染み込ませていく。そして、潜在意識に染み込んだことを、そのうち再び目の前に出現させる。うれいしことに、RASは言葉を正確に選んで意識的に語りかけていけば、あなたの思い通りにプログラミングできる。あなた自身の現実は、たった今から自分でつくり上げていくことができる。(pp.34-35) |
これまではスピリチュアルな切り口で書かれているのは多々ありましたが、科学的な目線で書かれているのは初めてですね。と言いつつ、科学的なところはほんの少しではありましたが・・・。
続いて、第2章「自分の望みをはっきりさせる」です。
何か大きいことを成し遂げたい。心ひそかにそんな野心を抱いている人はいないだろうか?もしそうなら、それをいつまでも心の奥深くにしまっておくことはない。人生で自分が心から望むことに気づかない人は実に多い。・・・自分が人生で何を望むのかをハッキリさせるには、それなりのやり方というものがある。そして、たいていの人はそのやり方を知らない。(pp.39-40) |
ここからが、ブレインプログラムの1行目という感じでしょうか。
まず、自分がやりたいこと、達成したいと思うことを書き出そう。どんなに些細なことでもいい。人の目にどう映るかは関係ない。今でも大切にしている子供のころの夢、これまでに見たり聞いたりして心を動かされたことのあるアイディアなど、何でも書いていく。(p.45) |
まずは書き出していきましょう!10~20項目を目指して。そして誰にも見せないように。特に批判好きな人、夢を奪おうとする人には。
まず何をしたいのかをはっきりさせる。どうすれば達成できるのかは、RASに任せておけば、そのうち自然に分かる。(p.49) |
どうすれば達成できるのかを考え出すと、人は委縮してしまうので、それについては考えてはいけないとのことです。特にこの段階では。
リストに項目を書き出すと、書いたことに関係する情報が、どこへ行っても目につくようになる。書けば必ず、それに関係する情報や疑問に対する答えが目の前にあらわれる。・・・項目を紙に書くのが大事なのは、書くことによってそれぞれの輪郭をはっきりさせ、一つ一つを分けて考えることができるようになるからだ。(pp.56-57) |
そしてこの目標ですが、必ず「手書き」するよう書かれています。なぜなら、ある大学の実験によると、目標を手書きしたときの達成率と、キーボードでタイプしたときの達成率を比べたのである。すると、手書きするだけで、達成率は42%も上がることが分かったという。
手書きするとRASが活性化され、目標のことを考えていてもいなくても、RASの指示を受けた潜在意識が、目標達成に向けて働きだすようになる。(p.58) |
もしかして、尻文字だともっと全身を使うのでRASは活性化されそうな気がしますね。笑うところですが、真面目に考えています。
何をしたいのか、何が欲しいのか、何になりたいのか、はっきりとわかると、RASはそのための方法を探し始める。目標を心に決めると、それに関係する情報が次々に目や耳に入り、詳しいことを知ることができるようになる。実に単純な方法だ。それなのに、実行する人はほとんどいない。(p.59) |
そして、次も重要です。
目標のリストをつねに読み返していると、自分にとってどの目標が本当に大事なのか、あるいは大事でないのかが見えてくる。その時は新しい項目を書き加えたり、すでに書いた目標を修正したり、削除したりするとよい。やがて、何度読んでも輝きを失わない目標がいくつかあるのに気づくだろう。それがあなたにとって一番大切な目標である。・・・あらゆる場所で、いつでも見られるようにすること。新しい考えが浮かんだら、それもリストに追加しよう。リストは長ければ長いほどいい。(pp.59-60) |
どういうことがリストの内容にいいのかを提案してくれています。それは・・・
「お金なんかもらえなくても、喜んでやるけど、それでもお金にできることは何だろうか?」と、あなた自身に問いかけてみよう。この質問に対する答えがわかったとき、あなたのこの世の使命は見つかる。(p.63) |
さらにこんなことまで・・・
お金なんかもらえなくても、チャンスさえあればやりたいことは何ですかと聞かれたとき、「それは今の仕事でやっていることです」と答えることができるだろうか。もし、そうではないなら、すぐに今の仕事をやめる計画を立てよう。「仕事」は、無一文になるよりましだからやる「金稼ぎ」ではない。・・・先行きを案じるあまり身をすくませてはいけない。まっすぐに夢を追いかけよう。(pp.67-68) |
そして、極めつけとして、
「こんな自分になりたい」と決心しなければ、絶対に今の自分を変えられない。(p.71) |
では、第3章です。
リストに書いた項目を「A」「B」「C」の3つに分けて書き直してほしい。「Aリスト」に入れるのは、近いうちにきっと達成できるだろうと思うことと、今の自分にとって、もっとも大事だと思えること。「Bリスト」には、今の自分にとってはやはり大事ではあるけど、本当に達成しようと決断する前に、もう少し考える時間が欲しいと思う項目を入れてほしい。「Cリスト」には、おもしろい、挑戦してみたいと思うけど、まだわからないことが多いので、「Aリスト」や「Bリスト」に入れるほどには意欲をかきたてられない項目を入れる。つまり、できれば達成したいという程度の目標なら「Cリスト」に入れる。(pp.74-75) |
次に、「Aリスト」と「Bリスト」の項目に、やりたい順番に1から番号を付けていってほしい。このリストが、これからの人生の方向を決めていく基準になる。とりあえず、今の順位でいい。次の日に見直して気が変わったら順位を変えていく。(p.75) |
[Aリスト]今の自分にとってもっとも大事だと思えること
[Bリスト]今の自分にとって大事だが、決断前にもう少し考える時間が欲しいもの
[Cリスト]挑戦してみたいがまだわからない、できたら達成したいこと
やる気に火をつけるには、目標をハッキリと具体的な言葉で書く必要がある。具体的というのは、いつまでに(年月日、時刻)、どれくらいの規模で(量、金額)達成するか、どんな形、色、寸法のものを手に入れるかなど、達成した結果得られるものが書かれていることを意味する。(p.77) |
目標を肯定的に書くと、脳にイメージが湧いてやる気が起こるが、何かを否定する書き方で書くと、イメージがまったく浮かばないので、やる気も起こらない。(p.80) |
これは良く言われることで、完了形で書いた方がいいと書かれている本も多数ありますね。それはどうなんでしょうね。どちらにしてもイメージをしっかり浮かぶように書くということが大事です。
本当に求める目標だけを書こう。身の回りの限られた範囲内では最高というだけで、妥協してはいけない。(p.82) |
ここでは、自分にぴったりの伴侶を見つけるためにも妥協してはいけないと書かれており、含蓄があります。
第一のステップとして最も大事なのは、このあとすぐに書く。目標を達成した自分をイメージせずに、どうすれば達成できるのかを心配する人があまりに多い。それを先に考えようとするから、気をくじかれて、せっかくの思い付きをあきらめてしまうことになる。(p.84) |
そして、SF作家のロバート・ハインラインの言葉が載せられていて、まさにその通りだと思います。
目標をくっきりとイメージしなければ、毎日の些細なことばかり追われて、いずれはその奴隷となってしまう - ロバート・ハインライン(SF作家) |
どんなときでも、できれば達成したい目標を「10項目」はリストに入れておこう。目標があったとしても、1つしかない人が多い。だがその目標が実現しなければ、がっくりと落ち込んでしまうことになりかねない。人生に喜びをもたらさなくなった目標にしがみつくのもよくない。目標が10項目もあれば、どれが気持ちにぴったり来なくなっても、まだ9項目も残っているから、前向きな自分であり続けられる。(p.95) |
続いて、第4章「期限を決めて計画を立てる」です。
期限を決めて書き込むと、脳が体に「緊急事態」の指示を送り込み、期限に間に合うように行動し始める。(p.102) |
そして効果的に「期限」を設定するための3つの方法が書かれています。
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小さなゴールも、そこへ到達するまでに、もっと小さくて、もっとたくさんのゴールに分けることができないかどうかを考えるとよい。すべて論理的に逆算していけば、今しなければならないことは何か、それにはどのくらいの時間を割り当てられるかがわかる。(p.104) |
このあたりが第二のハードルで難しいところだと思います。
打ちひしがれたところで、ゲームからは解放されない。倒れたままでいるなら敗北を認めるしかない。そうなる前に、悲劇に見舞われたら、何とかして立ち上がると決心しよう。
始めるなら今。目標のうち5つくらいは「期限」を決めて書き入れよう。(pp.117-118) |
このあと、第14章まで具体的なお話が続きますので、是非読んでみてください。
最後の第15章「おさらい」からポイントをピックアップ。
人生で成功し、やりたいと思ったことを成し遂げられるかどうか、理想の自分になれるかどうかは、どれほどの才能に恵まれているかではなく、達成までの道のりをどのように計画し、それをどのように進めていくかによって決まる。
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さぁ、夢をリストアップして、期限を切った目標を今から作っていきましょう!今からですよ!