会社でやる気を出してはいけない

会社でやる気を出してはいけない

著者:スーザン・ファウラー…

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またこれは、象徴的なタイトルで売ろうとしているのか?
やはり原題は「Why Motivating People Doesn’t Work… and what does」、直訳だと「なぜ動機づけする人は働かないのか、何が・・・」という感じでしょうか。この筆者は、スーザン・ファウラーという方で、かの有名なケン・ブランフォードとも共著もある弟子みたいな方のようなので、少しこの安っぽいタイトルはもったいないなぁと思いますが、どうでしょうか。

会社でやる気を出してはいけない
著者:スーザン・ファウラー

内容紹介
発行:マルコ社
★Microsoft社やNASAなど世界が認める「科学的モチベーション」のはじめ方★
世界30カ国以上の国々で、リーダーシップの分野でのコンサルタントコーチとして
30年以上の実績を持つ著者が教える
「科学的にモチベーションをマネジメントする方法」
を解説しています。★やる気を科学する3ステップ★
STEP01:6つのやる気タイプから現在のタイプを把握する
STEP02:前向きなやる気タイプにシフトする
STEP03:仕事に対するやる気の変化を確認する★CONTENTS★
第 1 章 モチベーション・ジレンマ
他人のやる気を引き出そうとしてもうまくいかない理由を解明し、その代替案となる「モチベーション・スペクトラム」を提案します。第 2 章 モチベーションっていったい何?
人間に備わっているモチベーションの本質と、それを利用することで得られるメリット、それを省みないことによる隠れた代償を明らかにしていきます。第 3 章 何かに駆り立てられる「ドライブ」の罠
結果を出そうとがむしゃらにならなくても、なぜかよりよい結果が出せる方法を紹介します。
第 4 章 モチベーションはスキル
自らのモチベーションの質を変えていくために個人がなすべきことと、そのために役立つスキルとは何なのか、理解を深めていきます。
第 5 章 モチベーションをシフトする
部下のやる気をより質の高いものへと変えていくためのリーダー会話術を披露します。
第 6 章 前向きなモチベーションへのシフトを阻む5つの固定観念
リーダーとしての言動に悪影響を及ぼしている固定観念や価値観を見定め、部下が前向きなモチベーションを持てるよう促し支援する最善策を紹介します。第 7 章 前向きなモチベーションが約束するもの
モチベーションに対する新たなアプローチに秘められた可能性を、「組織」「リーダー」「職場での成功を目指す人」の3つの観点から考察します。

出版社からのコメント
モチベーションを「行動を起こすためのエネルギーや勢い」だととらえていては、人間がもともと持っているモチベーションの根本的性質はうまく伝わりません。それでは行動の根拠を理解するうえでまったく役に立たないのです。

「あなたには本書を読もうという意欲がありますか?」、この問いかけは見当違いです。代わりにこう問いかけてみてください。「あなたにはなぜ本書を読もうという意欲があるのですか?」。こう質問すれば、あなたが本書を読んでいる理由が明らかになる可能性があります。モチベーションの有無を尋ねるのではなく、行動を起こした根拠が明らかになるような質問をしなければならないわけです。

モチベーションの本質を探り出そうとすると、あるひとつの重要な真実が浮かびあがってきます。それは、人間はどんなときでもモチベーションを持っている、ということ。問題は、モチベーションの有無ではなく、モチベーションの理由です。

他人のやる気を引き出せないのは、モチベーションは人が持つもの、または持たないものだという短絡的な思い込みがあるからです。この思い込みが、モチベーションがあればあるほど目標達成や成功の可能性が高くなるという誤解を生んでいます。モチベーションがあればあるほど望ましいという考えかたは、単純すぎるどころかばかげています。

本書では、従来型の動機づけがいかに無益であるかを示す有力な証拠と、それを十分に理解するための関連研究を提示します。けれども最終的に目指すのは、読者がリーダーシップスキルを身に着け、それを活用していけるようになることです。

やる気を引き出そうとしても不可能です。そこで本書では、それを可能にする枠組み、モデル、行動指針を提案します。また、モチベーションについて考え、説明するための新たな表現も学ぶことができます。「結果を出すために努力する」とか「意欲を高める行動」といった時代遅れの表現を使っていては道を誤ります。部下の前向きかつ持続的なエネルギーや満足感を損なうことなく生産性を生み出すモチベーションを求めているのであればなおさらです。

本書は、モチベーションをめぐる従来の取り組みや常套手段に果敢に挑もうとするビジネスパーソンへの1冊です。時代遅れのアプローチは心身両面のエネルギー、創造性、満足感や幸福感を損なうものだと認識している方に向けて書かれたものです。また、部下が成長できる職場づくりを目指すリーダーに贈る1冊でもあります。

あなたは結果を出してそれを維持できる、実用的かつ倫理的な方法を求めていますか? 自分ならびに周囲の人間が能力を最大限に発揮できることを心から望んでいますか。もしそうなら本書をぜひ読み進めてください。

私は長いあいだ、モチベーションとは単に「行動を起こすためのエネルギー」だと考えてきました。でもこの考え方には、ほかに山のように存在するモチベ―ションの定義と同様、重大な欠陥があることが分かりました。モチベーションを「行動を起こすためのエネルギーや勢い」だと捉えていては、人間がもともと持っているモチベーションの根本的性質はうまく伝わりません。それでは行動の根拠を理解するうえで全く役に立たないのです。(p.11)

モチベーション ≠ 行動を起こすためのエネルギー

行動を起こす理由はそれぞれ全く性質の異なるものであり、そこから生まれるエネルギーも全然違います。モチベーションの有無を尋ねるのではなく、行動を起こした根拠が明らかになるような質問をしなければならないわけです。(p.12)
モチベーションの本質を探り出そうとすると、ある一つの重要な真実が浮かび上がってきます。それは、人間はどんなときでもモチベーションを持っている、ということ。問題は、モチベーションの有無ではなく、モチベーションの理由です。人を行動へと駆り立てるモチベーション―あるいはエネルギーや勢い―は、異なる性質を持っていると考えられます。そしてモチベーションには、自分自身や他人の幸福の向上に役立つものもあれば、残念なことに、それとは逆に役立たないものもあります。(pp.12-13)
モチベーションを従来通りにとらえていると、「やる気があるのか?あるならどのくらいあるのか?」と問いかけたくなります。でもそれでは、「イエス・ノー」「たくさん・少し」といった単純な答えしか得られず、肝心なモチベーションの本質は探り出せません。一方で、「どうしてモチベーションがあるのか?」と問いかければ、さまざまな動機づけの理由が導き出せます。そうした動機づけの理由やその背景を正しく認識すれば、最新のモチベーション研究を活かして、より適切で高レベルのモチベーションを部下が抱けるように導くことができるのです。(p.14)
世界各国で膨大な数の実験が行われましたが、結果はすべて同じで、たとえ従業員がお金や報酬を受け取ろうとも、そうした動機づけとパフォーマンスのあいだには否定的な相関関係しかないということが分かっています。すなわち、外敵報酬を与えると、目標を達成しよう、優れた成績を獲得しよう、継続的に努力しようとするうえで必要な勢いや気力、喜びが損なわれてしまうというのです。(pp.19-20)
『マネー・ボール』のビリー・ビーンにやる気を起こさせるのはお金でも名誉でも評判でもなく、家族や野球に対する愛情と献身でした。ビリーのモチベーションを引き出そうとしてもうまくいかなかったのは、彼にはすでにモチベーションがあったからです。人はいかなる場合でもモチベーションを持っています。問題はやる気があるかどうかではなく、なぜやる気があるかなのです。(p.29)
エンゲージメントの度合いは一般的に、与えられた仕事さえこなしていればいいと考えているレベル(disengaged)、仕事に不満を感じていて周囲にマイナスの影響を及ぼすレベル(actively disengaged)、積極的に仕事に取り組むレベル(engaged)に分かれていますが、そのさらに上を行く高水準のやる気を抱くレベルがあることが最先端のモチベーション研究からわかっています。研究者らはこのレベルを「従業員の仕事に対する情熱」と名付けました。このレベルの従業員はそれぞれ、次の5つの肯定的な傾向を示しています。

  • 標準以上の業績をあげる
  • 会社に利益をもたらすよう自発的に努力する
  • 社外の人間に対して、会社とそのリーダーを積極的に支持する
  • すべての利害関係者に対して、自らもその一員として利他的態度を示す
  • 離職率が低い

こうした研究から、従業員の評価プロセスにプラスの影響を及ぼす組織的ならびに職業的な12の要因が明らかになっています。それらの要因が適切に作用すれば、従業員が幸福感・満足感を抱く可能性が高まり、その結果、前向きな意思と行動が生まれ、やがては仕事に対する情熱を感じるようになるのです。(pp.34-35)

 本書では、他人のやる気を引き出すことはできないと謳い、なおかつ「ではどうすればいいのか?」という問いに対する答えも用意しています。その答えのカギとなるのがモチベーション研究であり、3つの心理的欲求「自律性(Autonomy)」「関係性(relatedness)」「有能感(Competence)」です。(pp.52-53)
モチベーションとは、本来、自律性、関係性、有能感を満たしたいという人間の心理的欲求です。人にはやる気がないとみなすのは間違っています。人間は単に、言葉ではうまく言い表せない欲求を抱いているだけなのです。読者の周りには、良い選択を下そうとせず、世のため人のために積極的に生きようとせず、好奇心など不要だと考えている人がいますか?私の周囲にそんな人はいません。モチベーションの本来の姿とは、成長し、仕事を楽しみ、生産性を高めよう、積極的に貢献しよう、持続的な関係を築こうとする学習者などです。(p.73)
「ドライブ」の罠は、外発的モチベーションを抱いているせいで心理的欲求の自律性、関係性、有能感が損なわれ、モチベーションの質と持続性が低下した状態を指します。外発的モチベーションは、金銭報酬やインセンティブ、立派なオフィスや肩書といった有形なもの、または周囲の承認や知名度、羞恥心や不安といった無形のものによって引き起こされます。従業員は外発的モチベーションに夢中になると、他人や物に操られるようになり、知らず知らずに自律性を失ってしまうのです。人は自律性を損ねるような職場をつくるリーダーに対して憤りを感じます。そのうえ、結果を出せと部下を追い立てる上司を利己的だとみなします。そういった上司から支援されたところで、それはあくまでも条件付きであり、「言うとおりにすれば、何らかの見返りを与えてやる」と言われていると感じます。支援を受けてもそれが条件付きだと思えば関係性は蝕まれます。プレッシャーは緊張感を与えて結果を出すより駆り立てると、人は創造性や能力が抑制され、集中力を欠き、状況に対処できるだけの実力は自分にはない。無力だと感じるようになります。(pp.99-100)
【前向きタイプのモチベーションを持つための3つのスキル】
1.現在のモチベーションタイプを見極める
・無関心 ・外発的 ・義務的
・協調的 ・統合的 ・内在的
2.前向きタイプのモチベーションにシフト(あるいは維持)する
3.自らを振り返る
紹介した3つのモチベーションスキルはとても単純なものに思えるかもしれません。今のモチベーションを見極め、前向きタイプのモチベーションへシフトするか、それを維持し、自分のエネルギーの状態や幸福感・満足感を振り返るだけなのですから。確かにたやすいことのようですが、3つのスキルを実践して手にできる成果にはきっと驚くはずです。人間のモチベーションと成功の関連性を解明する研究では、前向きタイプのモチベーションを実感すると心身の健康が大幅に向上するといった驚くべきメリットが数々指摘されて言います。具体的に言えば、前向きなモチベーションを持って働く人は、後ろ向きのモチベーションをもって働く人よりも著しく優れた業績を達成するのだそうです。(pp.139-140)
肩書を持てばリーダーになれるわけではありません。リーダーシップを実践してこそリーダーになれるのです。・・・モチベーションに関してリーダーができるのは、見本を見せること。そのために、自分の仕事や目標、状況に対してモチベーションを起動させる3つのスキルを使いましょう。リーダーシップを実践するときは、感情をフルに働かせて部下がどんな状況にあるのか、どんな感情を抱いているのか、それは何故かを観察してください。そしてそれについて話し合いましょう。それにもっとも適しているのがモチベーションに関する対話です。今のモチベーションを見極められるよう部下を導くこと、前向きなモチベーションへシフトできるよう働きかけること、部下が自由に答えらえるような質問をして振り返りを促すこと。そうした高度なリーダーシップを実践すれば、有意義は違いを生み出すことができるでしょう。ただし、モチベーションに関する対話を通じてリーダーシップを発揮しようとするなら、準備が必要です。まずは「あなた自身」が相手や案件、対話に臨むうえで欠かせない責任感に対し、前向きなモチベーションを持たなくてはならないのです。部下のモチベーションをシフトさせるために時間と努力を注ぎ込めば、数えきれないほどのメリットが部下や会社、リーダーであるあなたにもたらされます。しかし、そのメリットを得るために必要なスキルは、ただただ練習すれば身につくというものではなさそうです。ビジネスに対する固定観念を変える必要もあるのです。(pp.169-170)

やはり、タイトル・・・違和感を感じました。こんなタイトルをつけていたら今どき、残念ながら売れないんじゃないですかね。

内容は非常によかったのに。もったいないように感じました。

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