著者:杉田 浩章…
構想力でなく、「創」・・・ここがポイントなのでしょうか。リクルートさんが育んだ、「すごさ」是非とも学んで使っていきたいと思います。でもそこは自社流にアレンジして、自社流で・・・。というところまで学べるか・・・・。読んでいきます。 |
内容紹介 発売たちまち増刷決定! !「リボンモデル」「不の発見」「価値マネ」「ぐるぐる図」「価値KPI」「型化」…… 次々と新しい事業を生み出す「リクルート式」を、 トップコンサルタントが徹底分析!数々の新規事業を生み出してきたリクルート。 「結局リクルートだからできるのであって、我が社には役立たない」と思い込んでいる人たちは少なくない。 しかし、それは大きな誤りだと著者は言う。 リクルートには、個人のアイデアを拾い上げてブラッシュアップし、 昨今話題の「リーン・スタートアップ」「アジャイル」と似た手法を、 ●「我が社の新規事業がうまくいかない」──こんな症状に効果があります! ●本書に登場するケースの一例 ●新規事業を育てる3ステージ・9メソッド 内容(「BOOK」データベースより) |
上記はアマゾンからの内容紹介の引用ですが、かなりビシビシときます。新しい発想が得られそうです。
リクルートで事業を興しているのは“天才”ばかりではない。しかも、名門ばかりが生まれているわけでもない。リクルートは、転載ではない多くの「普通の社員」からの、必ずしも名案ではないアイデアを集め、それを「名案」に磨き上げるための手法としつこさを持っているのに過ぎない。(p.6) |
リクルートの新規事業創出の過程を見ていると、マーケティングやプロモーション、営業だけが力を入れているわけではない。すべての部署やプロセスにおいて、緻密に練り上げられた手法によって、総合的かつスピード感を持って事業を育てているのが分かる。(p.7) |
そうすごい人ばかりいるなんてことはありえないですので、それができる「仕組み」がきっとあるかと思いました。それを学んでいきたいと思います。
本当のリクルートの強さの理由を解き明かすことは、多くの悩みを抱えるほかの企業にとっても、大きな学びになり、社会的な意義も深いはずだ。これが本書を執筆しようと考えるに至った理由である。天才たちのひらめきに頼るのではなく、仕組みやフレームワーク=「構え」でアイデアを事業へと創り上げていく。こうした「構“創”力」について解説したのが本書である。(pp.8-9) |
やはりそうですね。しっかりとした「仕組み」や「フレームワーク」・・・その構えを使ってアイデアを創り上げる、構“創”というものがあるのですね。
リクルートの圧倒的な強さやユニークさは、新規事業をゼロから生み出す「ゼロ・トゥ・ワン(0→1)」よろいも、生まれた事業をスケールさせる「1→10」の段階にある。つまり多くの企業とは違い、0から1を生み出すことだけに価値を見出してはいないのだ。目指すのは、生み出したものを10や100にまでスケールすること。だからこそ「0→1」の段階ですでに、10までスケールさせることを視野に入れ、そのための条件を突き詰めて仕組みとして組み込んでしまうのだ。(p.9) |
リクルートにとって、事業気を拡大してスケールさせることは、単に売上や利益を拡大し、市場シェアでトップを獲得することではない。世の中に新しい価値をもたらし、今までの考え方や固定観念を変えるほどのインパクトを社会や産業、生活者や消費者に与えるような事業を生み出すことを意味している。新入社員から経営トップに至るまで、一人ひとりが、驚くほどのしつこさと青臭さをもって、世の中をより良く変えようという志を持っているのだ。(p.10) |
こうしたリクルートらしさを体現しているのが、リボンモデルである。新規事業のアイデアを考えるとき、事業化するときだけでなく、成長が止まりそうなときや次の一手を考えるときなど、リクルート社内ではすぐにリボンモデルに立ち返って検討が行われる。(p.10) |
多くの企業は新規事業を考えるとき、自社と顧客という、1対1の関係の中でビジネスを構築しようとする。顧客のニーズは考えるが、「顧客にとっての顧客」のことは二の次だし、業界構造や既成概念にまでは考えが及ばない。このモデルの優れたところは、そもそもの事業の目的を、単に自社の売上や利益を追求するためのものにとどめないところにある。リクルートにとっての「事業」とは、リクルートを取り巻くさまざまなステークホルダーが抱える不満や不安を解消するためのもの。リボンモデルは、その全体像を捉えて、時には業界構造を変えながら人々の不満や不安を解消し、継続的な成長を実現するためのフレームワークだ。(pp.11-12) |
さて、ここからです。まずはどの企業にも当てはまるであろう、企業を悩ます「5つ症状」が挙げられています。
症状① PDSサイクルの「P」に時間をかけすぎる
症状② 計画が変えられない
症状③ 時間をかけて計画を立てる割に、ツメが甘い
症状④ 当事者も、経営陣も本気でない
症状⑤ うまくいかなかったとき、撤退の決断ができない
これはまさに言い得て妙です。これは症状①からの連鎖で起こってくるところもあります。となると、症状①がトリガーといってもいいのかもしれませんね。
そこで、リクルートはこれを回避する工夫が組み込まれているようです。それが「リボンモデル」というもののようですね。(pp.33-34)
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リクルートの最大の強みは、その「リボンモデル」にある。これは、自社だけでなく産業構造全体を俯瞰した「リボンモデル」を使ってビジネスを設計する手法だ。リクルートが成長を続けている秘密の一つがこれだ。(p.35) |
こう読みながら、リボンモデルの図を探していると・・・
あらっ、筆者が投稿されている記事がありました。
ほかにもこんなリボンモデルの記事もありました。
あとは、これらの記事をお読みいただくのがよいでしょう。
そちらにバトンタッチです。
他に特に気になったこと引用しておきます。
ボストン・コンサルティンググループの分析によると、大企業がこうしたビジネスモデル・インベーションに失敗する主な要因として、次の5つが挙げられる。
リボンモデルによって業界構造を捉え、顧客や、顧客の顧客、そして関連プレーヤーのニーズまで理解する。既存のビジネスの枠を超えることを奨励し、仮にそれが自社ビジネスを侵食することになっても許容する。そして事業の段階に合わせて、リソースやアセットを配分していくための明確な基準を持つ。特に「外部にディスラプトされるくらいなら、自ら死神軍団(ディスラプター)を抱えてしまう」というほどの徹底した考え方を持っており、これは私にも新鮮であった。(pp.46-47) |
リクルートは、今も数々の「不」を見出して新しいビジネスに育て上げている。ただ、誰もが見つけられる「不」では意味がない。すでに競合が目をつけている可能性が高いし、価格競争に陥る確率も高まるからだ。筆者の分析によるとリクルートでは、3つの条件で「不」をふるいにかけ、ブラッシュアップしているように見える。(pp.60-61)
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多くの企業では、経営企画などが主導してKPIを設定する。そのすると、常に数字を見ているためか、非常に複雑になってしまったり、社員・メンバーが理解しづらいKPIを設定してしまうことが頻繁に起こっている。・・・中尾氏によると、KPIに必要な条件は次の3つだ。(pp.132-133)
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あと、こういったことを支えるリクルートの経営理念がホームページ上に公開されています。