考える前に動く習慣

考える前に動く習慣: 始める、進める、続ける――禅の活かし方 (単行本)

考える前に動く習慣: 始める、進める、続ける――禅の活かし方 (単行本)
著者:枡野 俊明

内容紹介
「あれこれ考える前にまず動く。
そのほうが物事は絶対にうまくいく」――著者◎行動するのに、いちいち「理由」を求めない
◎「行動、身体、心」の順で自分を変える禅の教え
◎大事なことは、「頭」ではなく「身体」で覚える
◎「100日続ける」と、それは習慣になる
◎「ルーティン」が、ちょっとした体調の変化も教えてくれる
◎人間のバイオリズムに反することを習慣にしない
◎不安でしかたないときこそ「忙しくする」
◎「掃除三昧」――心と生活を整える禅的習慣禅僧にしてベストセラー作家でもある著者が伝授する、
もっと前向きで行動力にあふれた人生のつくり方内容(「BOOK」データベースより)
始める、進める、続ける―禅の活かし方。

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] 単なるビジネス本ではなく曹洞宗の住職さんが書かれたということで興味を持ちました。
[目的・質問] 副題の「禅の活かし方」を学びたいと思います。
[分類] 188:各宗

カバーのところに次のように書かれています。

まず動く。そうすれば、何かが変わる。何かが始まる。
ます動く。そうすれば、体調がよくなる。元気が出る。
先ず動く。そうすれば、余計な悩みや不安が消えていく。
まず動く。自信がつく。成果が上がる。

そして、これを補足するように、

禅では、何より「行動」することを重んじます。「禅即行動」という言葉もあるくらいで、その修行の基本は、同じことを理屈抜きで繰り返すということに尽きます。毎日毎日、寸分の違いもなく、座禅を、読経を、作務を・・・身体を使って繰り返していく。そのことによって、つらいな、面倒だな、嫌だな、という気持ちが先立つ前に動く―そう、「考える前に、動く習慣」を身につけていくのです。人はみな、それぞれの独自の人生を歩んでいます。その一歩、一歩に色濃く影響を与えているもの。それが「習慣」です。(pp.18-19)

ちょっとした習慣ですが、一年365日、何年も何十年も繰り返される・・・ちりも積もれば山となるとはよく言ったものです。ということで、

習慣は、ある意味、とても怖いものといえます。(p.19)

そして、次のような言葉があるようです。

 

イングランドの劇作家・詩人のジョン・ドライデンに次の言葉があります。
「はじめは人が習慣をつくり、それから習慣が人をつくる」
習慣(とりわけよい習慣)は、自然につくられるものではありません。意志を持って何かに取り組み、それを繰り返していく、という人の行動があって初めてつくられる―というのが、ドライデンの箴言の前段の意味です。行動しなければ習慣にはならない、ということですね。しかし、いったん習慣になってしまえば、今度はその習慣が人をつくる―。このドライデンの箴言の後段は、習慣が人生の歩み方を決めるのだ、という解釈もできそうです。(pp.20-21)

分かりやすいです。最近、これ身に染みて感じています。

禅では、「禅即行動」という言葉の通り、何より行動することを重んじています。あれこれと頭で考えるのではなく、自分がいいと思ったのなら、こうしたいと思ったのなら、その心に素直にしたがい、まずシンプルに一歩踏み出す。実行してみる。習慣化は、すべてそこから始まるのです。(p.21)

次から次へと身に染みる言葉が出てきます。

「習慣に早くから配慮した者は、おそらく人生の実りも大きい」
ここでいう習慣とは、もちろん「いい習慣」のことです。早い時期からいい習慣をみにつけることの大切さに気づき、それを実際にみにつけていくことが、充実した人生に繋がっていく。(p.23)

耳の痛い話ですが、習慣化がいいことは分かっていて、それをどう習慣化させるか・・・・・考えていてもダメなんですね。

人は年齢を重ねていくと、頭でっかちになる。つまり、「考え過ぎてしまう」のです。・・・中学を出たばかりの時期であれば、親方にいわれたことを、理由や理屈抜きに、そのまま実行できるのです。そう、「考える前に動ける」わけですね。職人の技術は、「頭」ではなく、「身体」で覚えるしかありません。身体で覚えることが修得につながるのです。禅にも「一念忘機(いちねんきをぼうず)」という言葉があります。これは、余計なはからいを捨てることの重要性を説いたものですが、習慣化もまさに同じなのです。(p.24)

何よりも動くこと、それが次にも書かれています。

行動力を高めるための要諦は、スピードというより「スタート」。
「思い立ったが吉日」といいますが、「思い立った」あとに「行動」を起こすまでの時間をかぎりなく短くする―それが、良い習慣を身につけるコツといえます。(p.26)

この年になって、ようやく分かってきたところです。それでも分かっているとできるは違うので、やらないと意味がありません。

著名なコンサルタントであるジム・ローンは、こんなことを言っています。
「始めるには意志がいる。続けるには習慣がいる」
意志というのは、ただ「思う」ことではないでしょう。「思ったことが行動につながる」から、意志と言えるのです。
「続けるには習慣がいる」という文言も、おおいにうなずけるところですが、私は、どちらかと言えば、「続けるから習慣になる」という考え方です。つまり、「踏み出した一歩は続けることで活きる」のです。(p.29)
鏡を見る―とても簡単なことですが、その効果は大きい。鏡を見る習慣を身につけることは、朝の自分の心の在り様を知り、毎日を上手に生きるための秘訣なのです。朝、しばし鏡をじっと見つめてみる―あれこれ考える前にすべきいい習慣として、これほどおすすめできることはありません。(p.75)
禅ではとりわけ食事に重きを置いています。修行中は食事の前に、必ず、「五観の偈」という文言を唱えます。

一 計功多少 量彼来処:
功の多少を計り彼(か)の来処(らいしょ)を量(はか)る。
二 忖己德行 全缺應供 :
己が徳行(とくぎょう)の全欠を[と]忖(はか)って供(く)に応ず。
三 防心離過 貪等為宗 :
心を防ぎ過(とが)を離るることは貪等(とんとう)を宗(しゅう)とす。
四 正事良薬 為療形枯 :
正に良薬を事とすることは形枯(ぎょうこ)を療(りょう)ぜんが為なり。
五 為成道故 今受此食 :
成道(じょうどう)の為の故に今この食(じき)を受く。

訳については下記のような感じで、Wikipediaに掲載されています。

(花園大学食堂にある五観の偈、教育現場でも使われている)

一、この食事がどうしてできたかを考え、食事が調うまでの多くの人々の働きに感謝をいたします。
二、自分の行いが、この食を頂くに価するものであるかどうか反省します。
三、心を正しく保ち、あやまった行いを避けるために、貪など三つの過ちを持たないことを誓います。
四、食とは良薬なのであり、身体をやしない、正しい健康を得るために頂くのです。
五、今この食事を頂くのは、己の道を成し遂げるためです。

禅では、食事を非常に重視しているとのことで、「ながら」も止めるべしと書かれています。しっかり味わいながら食べるべしと。

個人でできる仕事は、できれば、午前中に着手、終了というのがいいですね。この「午前中にその日の目玉の仕事を片付ける習慣」が身につけば、とても大きい。午前中は頭も体もリフレッシュですし、気力も溢れています。午前中はコンディションとしてはベストでしょう。(p.89)
テクニック的な話になりますが、私がおすすめする、「考える前に動く」ための“即効ポイント”を挙げてみましょう。(pp.117-118)

  1. 週単位で、曜日ごとにやるべきことを決めておく。
  2. 「忙しいからあとで」をやめる。
  3. 「やらないこと」を先に決めてしまう
  4. 「探しもの」を減らす。
  5. 「大差のないこと」に悩まない。
  6. 人に任せる。
  7. 予定を簡単に動かさない。

 

斎藤茂太さんはこう言っています。
「言葉は掛け算に似ている。最後にマイナスを掛けたら、答えはマイナスになる」・・・禅は、常に「愛語」、つまり、相手を思いやり、慈しみを持った言葉を語りなさい、と教えています。いったん口にした言葉は、なかったことにすることができないのです。たとえ、取り繕っても、相手の心に突き刺さった言葉のトゲは抜けません。(pp.162-163)
稲盛和夫さんは、「考え方」「熱意」「能力」を乗じたものが人生や仕事の結果につながる、と言っています。同じ能力であっても、意欲も覇気も持ってことにあたるのと、無気力にそれに向き合うのとでは、結果はおのずから違ってきます。(p.164)

これですね。
人生方程式 人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力

「すみません」に引き寄せて言えば、心のどこかに力を尽くしていないという思いがあるから、その言葉が出るのではありませんか?ただ、ひたすら、力を尽くすことだけにつとめていればいいのです。そうしていたら、安易な「すみません」は、放っておいても封印されます。(p.182)
うまくいっているときこそ、振る舞いも発言も、慎重の上にも慎重でなければいけません。日本にはその範を示すこれ以上ない諺があります。
「実るほど頭をたれる稲穂かな」
頭も、腰も、あくまで低く、言葉に配慮し、慎み深い振る舞いを心掛けましょう。自分を常に戒め、すべてにおいて、「みなさんのおかげ」という気持ちで周囲と接すること。うまくいっているときは、上げ潮に乗っていますから、ともすると、気配りのタガがゆるみがちになります。今一度、締めてかかってください。(p.227)
西郷隆盛に次の言葉があります。
「天を相手にせよ」
天とはまさしく真理のことでしょう。常に心理を見据えて生きよ、と西郷隆盛は言っているのです。人間らしく生きるということも同じことです。その土壌にしっかり根を下ろしましょう。そして、そこで咲くことができる自分らしさを求めていったらいいのです。(p.230)

ちょうど今の自分に一番効き目のある言葉が連続でボディーブローのように打ち込まれました。含蓄のある言葉です。何かを成し遂げたいなら、明日のための「その一」となるものを習慣化させていく。そのためには、、四の五の言わずに「動く」。その「動き」を習慣化させる。言葉にするのは簡単ですが、実行あるのみ。気づいたところは、気づいたときに改善していく。それしかありません。それは何歳になっても変わらない、人間の脳に埋め込まれた本能なのでしょう。だから、習慣化するのは若いときほど良い、されど遅くとも気づいたならば、すぐに動く。そういうことですね。

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