第4次産業革命: 日本が世界をリードする これから始まる仕事・社会・経済の大激変
著者:三橋 貴明
★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] 図書館で・・・発見!
[目的・質問] テクノロジーによる産業の変化を把握したいと思います。
[分類] 509.04: 工業. 工業経済
わが国がこのまま資本や技術への投資をおろそかにし、デフレが継続すると、未来の日本国は間違いなく「発展途上国」化する。それにもかかわらず、政府までもが相も変わらず「カネ!カネ!カネ!」と財政均衡主義を掲げ、増税や政府支出削減という緊縮財政に邁進している。このままでは、わが国の「亡国」は免れない。(p.2) |
そんななか、「少子高齢化」によって、「人手過剰」が「人手不足」へ転換する。とくに「ヒトが動く」サービス産業において、人手不足が加速していくと言っています。
コンピュータとインターネットを汎用目的技術(以下、GPT=General Purpose Technology)とした第3次産業革命は、情報に関して人間を支配し、生産性を高めた。それに対し、第4次産業革命は、「動作」の部分で人間をサポートすることで生産性を向上させる。(p.31) |
生産年齢人口率が低下し、今後は「超人手不足」の時代を迎えざるをえない日本。マスコミでは、人口減少を「衰退の条件」のように扱っているが、話はまるで逆だ。将来にわたって人手不足が深刻化するわが国こそが、第4次産業革命の先頭を走ることになる。(p.36) |
経済学者の多くは、雇用問題の解決策として「労働者の教育・訓練」をいいだす。なにしろ、この世に非自発的な失業は存在せず、仕事はつねにあるのだ。仕事が存在するにもかかわらず、労働者が就職できないということは、まさに雇用のミスマッチがあるという話だ。雇用のミスマッチは、教育と訓練で解消すればいい。これが、経済学的な「失業」に対する考え方である。無論、国民経済がインフレギャップの状況になるならば、たしかに仕事は十分に存在するのかもしれない。雇用のミスマッチにより、就職できない失業者も少なくないだろう。(pp.46-47) |
高層ビルや橋梁の建設能力を維持し続けるためには、「国民」が現場で働き、実際に建設し続ける必要がある。現時点で労働を通じて若い世代への技術継承がなされない場合、我が国の将来的な発展途上国化は避けられない。(p.61) |
なるほど。これはおっしゃる通りです。となると、農業のように建設業も保護政策などを取って、人材確保を図らなければならない時代になるのでしょうか。いずれにしても技術が必要な「ヒト」だけはすぐに調達することはできませんから、前倒しで動かないと大変なことになります。
人類は過去、GPTの進化に伴い、大まかに三度の「革命」と呼ぶべき「劇的な生産性向上」を経験した。産業革命とは、抽象論を排すると、GPT発展による生産性向上、つまりは生産者一人当たりの付加価値の生産の拡大と定義することが可能なのだ。(p.202) <第1次産業革命> 18世紀半ば以降の蒸気機関というGPTの発明による工場制機械工業の発展 <第2次産業革命> 19世紀以降の電気・石油というGPTの進化による重工業の発展 <第3次産業革命> 20世紀末以降のコンピュータ・インターネット技術の発展による情報革命 |
もっとも、カーツワイルの予想通りにシンギュラリティが訪れたとしても、30年後の2045年である。シンギュラリティが訪れる前の段階では、われわれ人間の生産性を劇的に高めるものの、だからといって完全に人間を代替するわけではないかたちで、別の技術的ブレイクスルーが進むことになる。(p.210) |
私もそう思っています。今話題のUberにしろ、Airbnbにしろ、一時的なサービス形態であるような気がしています。最終的には、また違った形が出てくるのでは、それが何かは分かりませんが・・・・そんな気がしています。
技術的に未熟でありながら、高速鉄道や原子力発電所を建設し続ける中国、打ち上げに失敗しようともミサイル実験を繰り返す北朝鮮は、間違いなく技術力が強化されていっている。中国や北朝鮮は民主主義が存在しない独裁国であり、国家が主導し、技術開発やノウハウの蓄積を継続できるという強みを持つ。それに対し、我が国は民主主義国家である。しかも技術開発の主役は、民間企業になる。民間企業は「儲かる」需要が存在しなければ、技術開発に投資をしようとしない。(p.253) |
だからこそ、大学をうまく使うべきだと私は考えます。産官学で技術力を醸成できるくらいよう、産業分野がもっともっと投資しやすいような仕組みを構築できないものでしょうか。