ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2016年 10 月号
[雑誌] (プラットフォームの覇者は誰か)
★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] 今月号届きました。
[目的・質問] プラットフォームについての考察を学びます。
さて、まず、「男女差はフライト予約にも表れる」(P.7)というタイトルのコラム(?)がありますが、これがこんな分析でいいの?という記事です。
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これら3点が男女の主要な違いとして書かれているのですが、紙面の都合上、割愛されていることがいいのかもしれませんが、この情報だけでここまで言えるか?というような突っ込みどころ満載の記事になっています。
たとえば、ミレニアル世代とありますが、25~29歳のことを言っているのですが、ミレニアル世代がそうなのか、25~29歳がそうなのか、ここの情報だけでは、後者は言えても前者のことは言えません。
そして、次の記事は、「CMOは付加価値を提供しているか」というものですが、これは私もマーケティング畑でいるものですから、興味を惹かれました。
フランク・ジャーマン率いるチームは、幅広い業界の米上場企業155社を対象に、さまざまな計量経済学のモデルを適用し、2000年~2011年までの業績を分析した結果、「CMOのいる企業は、いない企業よりも平均で15%業績がよい」との結論を得た。(P.11) |
うーん、これもどうでしょうか。儲かっているからCMOを置ける、ということも一理あるのでは、なんてうがった見方をしてしまいました。
ジャーマンらは、CMOの存在が特に重要となる企業には3つの特徴があるとしています。
一つ目は、売上の大きな伸び。これまでの研究によると、急成長する企業は、顧客志向の情報を得て、これをもとに行動することが追い風になりやすい。だから、CMO(事実上、経営幹部の中で顧客を代弁する立場にある)がそうした企業で少なからぬ力になるのは当然である。二つ目の特徴は、規模が小さいこと。経営陣が比較的少数であること、と言い換えても差し支えない。すると、CMOを含む各幹部は戦略や方向性に大きな影響力を持つことになる。三つ目の特徴は、CEOの在任期間が短いこと。各種の研究によれば、CEOの権力は在任期間と比例して強くなる。したがって、CMOをはじめとする経営幹部は、CEOが就任して間もないときのほうが影響力を行使できる。(P.11) |
「会社がCMOを雇っているケースのほうが、マーケティング部門は大きな役割を果たしやすく(中略)それが業績における効果の源泉になっているのかもしれない」とジャーマンらは論じている。しかし、それでも、彼らの発見はCMOをめぐる議論を落ち着かせ、戦略決定におけるCMOの影響力を高める可能性がある。(P.11) |
この記事がCMO論争を終わらせるとは、思えないですね。論証が甘すぎるように思います。そういう意味では、CMOを立てている時点で、マーケティングに重きを置いているということですから、ニワトリが先か、タマゴが先かの世界のように思います。結局、CMOが必要かというのとは、違う次元の話になるんですよね。厄介な問題ですね。
さて、いよいよ特集・・・「プラットフォームの覇者は誰か」に入ります。
グーグル、アマゾン、マイクロソフト、フェイスブックなど、いまや時価総額のトップ企業の多くは、自社製品よりも自社の築いたプラットフォームで利益を出している。プラットフォートは、多くの企業がビジネスを展開する「場」であり、それぞれの企業が活動しやすい環境を整えることで繁栄する。ITを活用し、多くの企業や生活者が活躍できる「場」づくりこそ、単独の製品より儲かる時代である。そして、優れた製品を開発しても、プラットフォームを築いた企業に勝つことはできない。(P.25) |
そして、マーシャル W.ヴァン・アルスタインらによる「プラットフォーム革命」です。以下、abstractです。
かつて5社で利益の90%以上を稼いでいた携帯電話市場が、iPhoneの登場により、アップルだけで利益の92%を占める市場へと変貌した。この怒涛の躍進は、iPhoneの製品力のみならず、App Store というプラットフォーム後からに負うところが大きい。もはや閉じたパイプライン型の事業は成長の余地が少なく、参加者の利益が高まるプラットフォームの構築こそ競争優位となりうる。この戦略におけるカギは、ネットワーク効果の威力を理解することであり、それにより戦略の新たなルールが明らかとなる。(P.27) |
さぁ、本文に入りましょう。