(著者:山田壮夫)
★読書前のaffirmation!
[目的] 商品開発に役立つコンセプトの作り方を学ぶ。
[質問] ヒット商品のためのコンセプトの作り方とは?そんなのあるの?
サーチライトの照らし直しこそがイノベーションです。つまりイノベーションを起こしたいのであれば、常識を覆す「コンセプト」をつくらなければなりません。(P.20) |
「コンセプトとはサーとライトである」という考え方は、アメリカの社会学者タルコット・パーソンズによるものとのことです。(P.21)
そもそも「正解」とは「いまの常識」に従っているだけのこと。いまの常識で一番トクをするのは業界トップなのに、2位の企業も10位も100位もトップと同じ「正しい」戦いをしていたら、いつまでたっても大きな成果など上がるはずもありません。社内が批評家だらけで何も決断できない「大企業病」に悩む会社だけでなく、ローカルで出会う中小企業の経営者もまた「ビジネスには『正しく』『客観的に』取り組まなければならない」という強迫観念を抱いていることには驚くばかりです。(P.27) |
イノベーションを起こすためにはふたつの相互作用が必要です。そのひとつは組織や個人の「ビジョン」と「具体策(現実)」の間の行ったり、来たり。これが客観的で論理的な「マネジメント軸」。もうひとつは「ターゲット」と「商品・サービス」間の行ったり来たり。これが主観的で感覚的な「コミュニケーション軸」。コンセプトはこのふたつの相互作用を通じて生まれます。そしてこの二つの軸を両立させる思考方法こそが身体的思考です。(P.34) |
▼マネジメント軸の4つの箱
ビジョン → 課題 → コンセプト → 具体策(現実)
▼コミュニケーション軸
ターゲット
ビジョン → 課題 → コンセプト → 具体策(現実)
商品・サービス
「ビジョン」というのはたいてい「具体策(現実)」と対立してうまくいきません。これを何とかしようという情熱がコンセプトづくりの原動力の一つです。そしてなぜビジョンが実現しないのか考えていると、ボトルネックが見つかります。それを「課題」と呼びましょう。この課題を解決する新しい視点が「コンセプト」であり、このコンセプトを現実に表現したものが「具体策(現実)」です。・・・コンセプトは単なる思いつきではなく、「ビジョンの実現に向けて課題を解決する新しい視点」なのです。(P.35-36) |
コミュニケーション軸が面白くて難しい原因は「ひと」にあります。そもそもターゲットは数値データで示されるほど薄っぺらな存在ではないのです。・・・そんな人物を口説くためには、過去のデータが詰まった「脳みそ」だけでは不十分です。いまここにあって相手の気配を感じ、やるべきことを直感する「身体」を総動員して初めて道が開けます。全人格を懸け「自分ゴト」で考え抜くのがコミュニケーション軸。ホンエベースの人間臭いアプローチです。(P.48) |
ターゲットと商品・サービスの間をホンネで結ぶ「コミュニケーション軸」。ビジョンと具体策(現実)の間をロジカルに結ぶ「マネジメント軸」。このふたつの相互作用を通じて身体的思考は行われます。・・・ベースとなるのは理性、マネジメント軸です。これを念頭に置きながら、実際にプロジェクトを進める時は身体的コミュニケーション軸を考え抜き、最終的にマネジメント軸の理性でチェックをするという流れです。いくら正しくてもターゲットの気持ちを動かさないものは認められませんし、単にターゲットの気持ちを動かすだけでビジョンに合致しないものもまたも認められません。(P.50) |
新しいサーチライトによって、いままで「常識」だと信じられてきたことが覆され、「新しい常識」が照らし出されています。つまり新しいコンセプトを持つということは、いままでの常識からすれば「どうしちゃったの?」でありながら、新しいコンセプトからすれば「そりゃ当然でしょ!」という具体策(現実)を持つということなのです。・・・常識に縛られた人たちが物理的に「マネできない」のではなく、サーチライトが違うから「マネしたくならない」というのがポイントです。(P.59-62) |
身体的思考をしっかり機能させるためにお話ししたい最後のポイントは、コミュニケーション軸とマネジメント軸の交差点にある「課題」を「ターゲットの気持ち」として描こうということ。なぜなら、イノベーションはコミュニケーションの問題として捉えなおすことができるからです。別の言い方をすると「ターゲットは、なぜその商品・サービスを買わないんだろう?」という問い掛けは、コンセプトを考え始める良いきっかけになります。そうすることで自然に「気持ち」の中に入っていき、うまくいかない理由、つまり課題に対して自分ゴトのように向き合えるのです。(P.63-64) |
SECIモデル(共同化→表出化→連結化→内面化)を理論的背景とし、広告会社である電通の日常を観察して開発したのが「ぐるぐる思考」です。ぐるぐる思考は「感じる」「散らかす」「発見!」「磨く」という四つのモードからなっています。その前半はコミュニケーション軸を、後半はマネジメント軸を中心に考えを進めます。ここで示されたスキップを一周することで、身体的な思考ができるのです。(P.70-71) |
身体的思考もちょっとした準備をした方がうまくいきます。・・・具体的には、これから取り組むプロジェクトについて「いまの常識って、なんだろう?」と考えることをおススメします。ぼくたちが手に入れたいのは常識を覆す「サーチライト」ですが、古いサーチライトを知らずして新しいものを手に入れることはできないからです。(P.72) |
この手の本には、お決まりですが、やはり「アイデアのつくり方」が出てきます。改めて、読んでみたらまた何か発見・・・きっとあるんでしょうな。どこにあるかな・・・・、探してみよう。なくても1時間くらいで読めるから、立ち読みでもいいですかね・・・笑
まぁ、この本の「コンセプトのつくり方」というタイトル自体・・・ですけどね。
ものすごく難しそうですけど、読んでみる価値はありそうです。