著者:世古詞一 …
出版社からのコメント
はじめに 本書の読み方 第1章 なぜ、今1on1ミーティングで人も会社も変わるのか 組織で行われているコミュニケーションとは 第2章 1on1ミーティングで何を話すのか―― 部下と信頼を構築するために 「1on1実践マップ」で全体像をつかむ 第3章 1on1ミーティングで何を話すのか―― 部下の成長を支援するために 成長支援ステージ 第4章 1on1ミーティングを始めてみよう 最初のスケジューリングですべてが決まる 内容(「BOOK」データベースより) 月30分の対話で社員が自分から動く、やる気が続く、いきなり辞めない。業績が伸びている会社では、既に当たり前。「働きがいのある会社」3年連続1位の会社で実証した著者のノウハウを公開! 著者について 1973年生まれ。千葉県出身。 |
1on1ミーティングとは・・・
1on1ミーティングとは、上司と部下による1対1の定期的な対話の時間です。一般的な面接との大きな違いは「これは部下のための時間」だということです。ですので双方のコミニケーションの場ではあるのですが、上司は時にカウンセラーのように部下の話を聞き、部下の状況や問題、関心事を把握します。そして時には、その場でアドバイスをして解決することを行う場です。結果として、部下の気持ちがスッキリしたり、納得感を持ったり、次のチャレンジで行動していこうとすることが最も重要なことです。1on1の頻度は、最低でも月一回。部下との関係構築ができていないうちでは、私は月2回を推奨しています。そのくらいの頻度で関わることで変化が表れてきます。(p.2)
自分がマネージャになって部下と面接を持つときに参考にするのは、自分が以前の上司にされてきたやり方なのです。他の人の方法を知らないのです。(p.8)
●「1on1実践マップ」で全体像をつかむ
上のようなステージとしてのミーティングを行うように書いています。
【1】信頼関係づくりステージ
①プライベート相互理解
②心身の健康チェック
③モチベーションアップ
【2】成長支援ステージ
④業務・組織課題改善
⑤目標設定/評価
⑥能力/キャリア支援
⑦戦略・方針の伝達
さて、それぞれのステージでのTIPSをチェックしていきたいと思います。
「信頼関係づくりステージ」
①プライベート相互理解
- 部下の心を開いてもらい本音を言ってもらうために最も効果があるのは、実は「自分の言いたくない、出したくない情報」をまず相手に出していくことなのです。
- 4つのレベルの雑談で意図した雑談をする
1. 内容を話す(世間話)
2. 内容を聞く(部下自身の話)
3. 感情を聞く
4. 価値観を探る - どう「自然に」話を切り出すか。
1. さも「今」思いついたような調子で
2. まず自分から情報を話す延長で
3. 言いづらいことを言うときはクッション言葉を
4. 部下のプチ情報を収集
5. 今の変化を捉える - 「納得」ではなく「共感」のスタンスで臨む
- 100%賛成でもなく反対でもなく事実を受け取ったということと、自分の意見と同じ部分を探すということ
②心身の健康チェック
1.体調確認
2.業務量
③モチベーションアップ
1.マイナス面を最小化すること
→モチベーションを下げる要因を取り除くこと
👉聴ききる
・漠然とした不安
(プライベートの問題、キャリアの問題、業務の問題等)
2.プラス面を最大化すること
→モチベーションを上げる要因を高めること
👉承認する
・部下に変化があった言動や良かった行動
・間接的なほめ方というのは「最高のほめ方」
↓
「AさんがBさんをほめてたよ」ということ
「成長支援ステージ」
④業務・組織課題の改善
・上司が答えを持っていて正論を語り、それを聞いた部下は「そうですね」としか言えずにテンションが下がり、なんとなくギクシャクした雰囲気が流れます。「お前はわかってないな」という姿勢から「今考えていることを私に教えてくれないか?」に変えること。
⑤目標設定/評価
・納得感を高めるための「MGC目標作成法」
・MUST(会社として行わなければならないこと)
1.丁寧な説明
2.具体化
・GET(目標を通して部下得られること)
1.自分のキャリアや人生に対して得られること
2.組織成果やメンバーにどのような影響をもたらすか
・CAN(目標を達成できるという感覚)
MUSTで目標の背景がクリアになり、具体化され、GETで自分ごととなり、CANで達成するための武器を携えることができると、目標に前向きに取り組める。
⑥能力開発/キャリア支援
1.具体的経験(関節経験含む)
2.内省的観察(振り返り)
3.抽象的概念化(教訓・学びにする)
4.能動的実験(新たなチャレンジをする)
将来像
1.会社内での将来像
2.ビジネスパーソンとしての将来像
3.その他の将来像(人間として、家庭の中で、地域の中で)
⑦戦略・方針の伝達
・逆ホウレンソウができる上司は育成上手。一方で、できない上司は、会議などで得た情報を部下に公開しません。
・情報はどんどん出していく
1.決定事項
2.そこに至るプロセス
3.上司のメッセージ
●1on1ミーティング
・スケジュール
1stステップ:要件を説明してアポイントを取る
2ndステップ:当日成果が出るように準備する
※スケジュールはマネージャが設定する
・定例ではなくイベントとしてとらえる
・1on1で上司が行わなければならないもっとも重要なことの一つは、ミーティングの内容を個人データベースとして残すこと。
・まとめとアクションプラン
・締めくくりまで手を抜かない
・次までに行うことを「1つ」だけ決める
・達成までの道のりを最初から順番にイメージする
・締めは自分の上司に部下の情報を共有する
●定例以外での1on1
・怒った後
・ほめた後
・会議の後
・表情が暗く元気のないとき
・ミスや失敗をした後
・評価の前
●1on1の「6つのレベル」
◆レベル1
「コミュニケーション量の増加」によって、上司と部下の信頼関係がつくられる
◆レベル2
「傾聴」を通して、部下理解が深まる。上司と部下の相互理解の深まり
◆レベル3
「承認」を通して部下のモチベーションが向上する
◆レベル4
「質問やフィードバック」を通して、部下が業務から「学びや気づき」を獲得する
◆レベル5
「気づきや学び」をもとにして、部下が「新たな行動やチャレンジ」をする
◆レベル6
「チャレンジ」を通して、部下が成果への貢献感と能力の向上を自覚する
●部下を「しらけさせない」ことに気を配る
●3つの心構えで1on1に臨む
①5勝5敗でよいと思え
②かっこつけない
③「正しい」ではなく「楽しい」を目指す
さて、ちょうど私の会社でも1on1を推奨とのことで改めて、読んでみました。1on1をしない理由の6つが挙げられていましたが、重要性を認識してうまく運用していきたいと思います。
ちなみに、しない理由は下記の6つ
・忙しい
・面倒くさい
・(過去の問題で)嫌な思いをした
・苦手意識
・「必要ない」と思っている
・自分の上司に1on1を「されてこなかった」