未来予測入門

未来予測入門 元防衛省情報分析官が編み出した技法 (講談社現代新書)

著者:上田 篤盛

元防衛省情報分析官の上田氏の著作。これまでにもいろいろと著作を出されているようです。(Inobe.Shion)

File:Bhanuben.jpg

内容紹介

「仕事ができる人、少し先を読むことができる人は、知らず知らずのうちに、未来予測のテクニックの一部を使って、思考・分析を繰り返しているのである」(著者)

自分の周辺の未来、自分が予測する業界の今後を可能なかぎり正確に予測する技術――。
世界の情報機関がごく普通に使っている思考法・分析手法を駆使することで、「未来予測」はぐっと身近なものになる!

質問の再設定、アウトサイドイン思考、フレームワーク分席、クロノロジー&マトリックス、シナリオ・プランニング・・・・・・
安全保障の最前線で磨かれた機密メソッドを、一般向けに改良、とうとう実現させた驚きの技法を初公開。

はじめに
第1章 未来予測とは何か
第2章 情報分析の技法
第3章 未来予測のための情報分析法
第4章 ケーススタディ1 将来有望な職業を予測する
第5章 ケーススタディ2 未来のベストセラーを予測する
第6章 ケーススタディ3 これからの世の中を予測する

内容(「BOOK」データベースより)

安全保障の最前線で磨き抜かれたメソッドを公開。自分の周囲や、会社・業界の動向を、9つの思考&分析ツールを駆使して予見する技術。「未来の自分は何をすべきか」が理解できる本。

未来予測においては、複数のシナリオを考えたうえでそれに応じた準備行う。未来予測とは、言い換えれば「最良の準備をする」作業にほかならないのである。(p.23)

●インテリジェンス(p.28)
・基礎インテリジェンス:潮流、トレンド
・動態インテリジェンス:現在進行形の分析
・「誰が、何が、いつ?」:記述的分析
・「なぜ起きたのか?」:診断的分析
・「どうなるか?影響は?」:評価的分析
・見積りインテリジェンス:未来予測

●情報分析
・現状分析
・動態分析
・基礎分析
・未来予測
・予測的分析

●未来予測の手順
①「問い」の設定
・クローズドクエスチョン/オープンクエスチョン
・現在の「問い」/将来の「問い」
②「枠組み」の設定
③収集&整理
④現状&未来予測
⑤戦略判断

●未来を予測するための9つの分析手法

  分析手法 内容
「問い」の再設定 自分自身の思考に多角的に視点を持ち込み、論点を明確にしていく
(1)言い換え
(2)180回転
(3)焦点の拡大
(4)焦点の集約
(5)焦点の変換
(6)理由の追究
アウトサイド・イン思考&フレームワーク分析 「枠組み」の設定や現状分析に効果的。未来予測で仮説を案出するにも最適のツール
システム思考 事象と事象の相関関係・因果関係を明らかにし、未来予測やシナリオ・プランニングのための推進力(ドライビング・フォース)を特定する
クロノロジー(年表)分析 現状分析における「縦の比較」で使用される代表的な手法。過去から現在までのトレンドを把握し、特定事象の発生をもたらした影響要因や影響力を特定
マトリックス分析 現状分析における「横の比較」の代表的手法。「縦の比較」と同じく図式化することで、生起中の事象の特徴や競合会社の戦略、顧客のニーズなどを明らかにする
アナロジー分析 未来予測における仮説の立案と検証のための代表的手法、一つの事象から、類似した別の事象の発生などを予測する
ブレーンストーミング&マインドマップ 未来予測における仮説の立案・検証のための代表的手法。一つの事象から自由発想的、かつ体系的に仮説やアイデアを案出する
4つの仮設案出 予測における仮説の案出と検証、あるいはシナリオ・プランニングの代表的な手法。特徴ある4つの未来シナリオを立案する
シナリオ・プランニング 未来に関する複数のシナリオと対応する戦略を一連のプロセスとして案出する

●フレームワーク
・SEPTEmber(PESTの発展形)
S:Society(社会)
E:Economy(経済)
P:Politics(政治)
T:Technology(技術)
E:Ecology(環境)

・STEMPLES(国家安全保障の領域)
S:Social(社会)
T:Technological(技術)
E:Environmental(環境)
M:Military(軍事)
P:Political(政治)
L:Legal(法律)
E:Economic(経済)
S:Security(安全)

・PMESII
P:Political(政治)
M:Military(軍事)
E:Economic(経済)
S:Social(社会)
I:Infrastructure(インフラ)
I :Information(情報)

・DIME(外交)
D:Diplomatic(外交)
I:Information(情報)
M:Military(軍事)
E:Economic(経済)

●項目
◇政治(Politics)
国際政治、法規制の強化・緩和、法改正、行政環境、政府の助成など
◇経済(Economy)
経済システム、景気・賃金動向、株価・為替・金利、消費動向、雇用情勢、経済成長率など
◇社会(Socoial)
人口動態、文化、流行・世論、ライフスタイル、自然環境、治安、宗教・言語、教育など
◇技術(Technology)
技術革新、代替・新技術、開発、特許、ビッグデータなど

●相関関係を見つけ出す分化手法
・氷山図
・リンクチャート
・関連樹木図
・ロジックツリー
・ループ図
・要因相関図

●4つのシナリオ作成のプロセス
(1)事象の方向性を規定する重要なドライビング・フォースを特定する
(2)横軸、縦軸の両極端にドライビング・フォースを記述する
(3)2つのドライビング・フォースが規定される状況(4象限のマトリクスでそれぞれの象限)がどのようになるかについて詳細に記述する

●シナリオ・プランニングのシナリオ作成方法と手順
・フォアキャスティング
(1)問題及び対象期間の明確化
(2)主要な影響要因(キーファクター)の列挙
(3)影響要因の背後にあるドライビング・フォースの列挙
(4)影響要因やドライビング・フォースの列挙
(5)シナリオの選定・検討
(6)シナリオの作成・完成
(7)各シナリオへの対策シナリオの検討
(8)シナリオが発生する際の指標や兆候の整理

●未来のシナリオの種類
(1)推定モデル
(2)予想モデル
(3)予測モデル

●バックキャスティング(p.108)
未来において起こりそうな事象や望ましい未来像を最初に設定し、それが起こるためにはどのような条件が必要かを逆行的に案出する。

●カルマンフィルタ法の応用(p.117)
工学分野では、複数の不確実な情報を用いてより正確な情報を推定することを目的とする「カルマンフィルタ法」という手法がある。このカルマンフィルタ法を未来予測に応用したシナリオ作成の手法がある。イメージとしては、ドライビング・フォースの影響を受けることで、現在を起点に放射状に広がっていくように展開するタイプのシナリオである。

以上のような概論のあと、3つの事例で実際の使い方が示されています。

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