著者:ピーター D. ピーダーセン 、竹林 征雄 …
SDGsの流れをくむESG投資はビジネスとある意味、矛盾するところではありますが、それをうまく結びつけるためのヒントがここにあります。(Inobe.Shion) |
内容紹介
SDGs(持続可能な開発目標)という言葉は知っているが、ビジネスとしてSDGsに取り組むにはどうしたら良いのだろうか、と考えている企業担当者・経営者も多い。企業がビジネスとしてSDGsに取り組むには何をすればいいか(優先課題の決定、目標設定、事業戦略への落とし込み)、などを丁寧に解説していく。 【目次】 |
我々は現在、その進化の歴史における「第三幕」に突入していると言える。この第三幕において、国連のSDGs(持続可能な目標)に代表されるように、企業は社会的課題への革新的かつ主体的な役割が社会から強く期待されている。それは、ただ単に富を増やすことや、豊かな消費社会を実現するといった意味合いでの「社会課題」ではなく、この地球上での生命維持と、人類の将来的な発展を可能にするにあたって避けて通れない「社会課題」なのである。企業の操業と、社会の自然環境のトレード・オフを乗り越え、その双方が健全に発展できる「トレード・オン」の関係性を築くことが必要不可欠となっている。言い換えれば、「トレード・オン」とは、企業と社会の今日発展をも意味し、その共発展を可能にする経営が、実は企業という生き物の進化における「ネクスト・ステージ」である。この挑戦は壮大なものであると同時に、企業側からみるとその組織の規模、形態、営業内容に関わりなく、非常にエキサイティングな新しいイノベーション・フロンティアとみるべきである。(pp.2-3) |
●2層の社会課題
第1層:生活を豊かにするために解決する「社会課題」
第2層:将来社会における環境・社会的な制約を含めて解決する「社会課題」
SDGsとは、世界の危機的状況にある「環境・社会・経済」という3側面から、包括的に課題を解決するための方策を示したものと言える。その具体的解決策として
この4点が、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に明確に述べられている。(p.24) |
SDGsの各目標は、どれをとっても企業に
とも見なされている。SDGsは「攻め」と「守り」の持続可能な経営を行う「次世代ビジネススタンダード」と称されるようにもなった。これらを踏まえて、SDGs経営にいち早く取り組み、持続可能な永続的企業になることを目指すことが望まれる。(p.31) |
SDGs戦略の実践に向けての「基本姿勢」とは
3つの基本姿勢に対する社内の理解が薄弱な場合は、第一にそのベーシックなリテラシーの醸成に取り組む必要があろう。さもなければ、後に紹介するHOWやWHATの多くが実を結ばない可能性がある。(pp.43-48) |
SDGs経営実力測定―6つの側面(pp.58-59)
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SDGコンパス 5のステップ(pp.60-62)
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ビジネスと持続可能な開発委員会が提唱する「6つの行動」(pp.62-64)
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企業活動で特に重要な12の目標 目標2:飢餓をゼロに 目標3:すべての人に健康と福祉を 目標6:安全な水とトイレを世界中に 目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに 目標8:働きがいも経済成長も 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう 目標11:住み続けられるまちづくりを 目標12:つくる責任 つかう責任 目標13:気候変動に具体的な対策を 目標14:海の豊かさを守ろう 目標15:陸の豊かさも守ろう 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう |
CSR的捉え方を脱却するということは、最初の大きなハードルでしょう。近視眼的な利益は長期的視点では損失になるという個との経営判断は分かっていても覚悟が必要なもの。その視点に立てるかどうかが肝です。