著者:エドワード ルトワック …
日本人をうまく捉え、進むべき道を示してくれています。(Inobe.Shion) |
内容紹介
内戦を完璧に封じ込めた「1.0」=江戸、 世界的戦略家による緊急提言! [ルトワック語録より] ●日本のチャンスは北朝鮮の非核化が本格的に開始されてからだ。 ●戦争で必要なのは、勝つためになんでもやるということだ。そこにはズルをすることも含まれる。目的は「勝つこと」であり、「ルールを守ること」ではないからだ。 ●見事なパレードを行う軍隊は、ほぼ実戦で役に立たない。無駄なことにコストを使っているからだ。 ●米中の対立の主戦場は、もはや軍事的な領域から、地経学(ジオエコノミックス)的領域に移りつつある。 ●もし日本が本当にリアルな戦略を考えるならば、最優先されるべきは少子化対策だ。 内容(「BOOK」データベースより) 戦後日本を守ってきた「同盟による抑止」。しかし、これが通用しない相手に対し、どうやってこの国を守るか?その答えが「日本4.0」だ。先制攻撃能力の構築、日本に必要な特殊部隊のあり方など、世界的戦略家による緊急提言。 |
多くの読書は、北朝鮮や尖閣への危機対応という安全保障上の問題と、少子問題が並べて論じられることに違和感を覚えるかもしれない。しかし、これらの問題には2つの点で通底するものがある。ひとつは、いずれも日本がまさに直面している、致命的な問題でありながら、実際的かつ有効な対処法に誰も取り組もうとしていない点だ。そこに共通するのは、リアリズムの欠如である。(p.22) |
この視点は衝撃を受けました。まさにそうです。リアリズムの欠如、甚だしいです。これは、会社の中でもそうで、例えばデジタル化の大きな波に対しても他人事のような経営者の話をしばしば聞きます。これなんて、同じレベルですね。
戦争で最も安全な情態は攻撃を行っているときだ。こちらがイニシアティブを握って行動し続ける限り、相手は反応するしか選択肢がなくなるからである。その意味で、「攻撃は最大の防御」なのである。よって、戦争で守る原則は以下のようにある。(p.67) ①常にアクションを仕掛けること ②即興性を恐れないこと ③リスクをとること |
「地経学」(ジオエコノミックス)という概念は、「地政学」(ジオポリティックス)という概念を発展させてものだ。地理的な環境が、国家に対し政治的、軍事的に与える影響を俯瞰したものが地政学だが、そこに経済の側面を加えたものが地経学である。冷戦後の大きな流れとして、私は、国家間の競争のフィールドが軍事から経済へと、その中心を移しつつあることに気づいた。(p.141) |
非常に多角的に分析されており、興味深く読ませていただきました。