著者:山田知生 …
すごく売れているみたいです。(Inobe.Shion) |
内容紹介
★話題沸騰! たちまち21万部突破! ! ★朝日放送「おはよう朝日です」(6/26 OA)、「ビーバップ! ハイヒール」(8/23 OA)にて紹介され、大反響! 体内圧力を高めると、人体の構造的に疲れない! 本書の回復法を実践したスタンフォードのニコ・ホーナー選手、 ☆人体の構造に即した、究極の疲労予防&回復理論 ・全米大学スポーツランキング23年連続総合1位 著者は、スタンフォードスポーツ医局に最長在籍する、回復の神髄を知るリカバリーの超プロ、山田先生。 本書のメソッドを山田先生がチームに取り入れると、 呼吸、運動、食事、日常動作、入浴、睡眠・・・ (本書のおもな内容) 内容(「BOOK」データベースより) 体をほぐすのでもなく、筋肉を鍛えるのでもなく、体内の圧力を高める。人体のメカニズムにそった、絶対的リカバリーをもたらすコンディショニング・アプローチ。スポーツ医学の回復知見を全集約。今ある疲れは解消し、明日の疲労は予防する―知られざるスタンフォードの回復理論を完全網羅・初公開! |
「疲れを予防する+疲れを解消する」これを「ワンツー、ワンツー」とリズムを刻むように繰り返すことで、「疲れない体」の構築を目指していく。(p.14) |
私たちはトレーニングについて、3つの基本を大切にしています。「マインドセット、ハードワーク、リカバリー」です。 |
- 目標を設定して、エビデンスのある知識を収集し、「どうすればそこにたどり着けるのか」知恵をしぼったうえで(マインドセット)、
- 一生懸命に練習や仕事をやり(ハードワーク)、
- 終わったらしっかり回復する(リカバリー)。
私が実感しているのは、「疲れは神経と体の連携が崩れて起きる現象」だということ。疲労とは、筋肉や関節だけの問題ではありません。疲れない体を作るには「脳神経科学」も取り入れる必要がありますし、神経にとって大切な酸素吸引、すなわち「呼吸」も重要です。食事を中心とした「栄養学」の知識もなくてはなりません。それを踏まえて私たちが実践しているものこそ、「医学」「脳神経科学」「栄養学」といったスタンフォードの最新知見をもとに組み立てた「回復プログラム」なのです。(pp.16-17) |
疲れもこれと同じで、疲れの原因を調べなければ、疲労を根本的に解消することはできません。つまり、疲れを予防する場合も、「疲れとは何か」を知っておかなければ、本当の意味で「疲れない体」にたどり着くことはできないのです。(p.35) |
眠らないと「疲れ」と「生産性の低下」を招くことはもちろん、そのまま放置していると脳震盪と同様に日常生活に支障をきたすレベルの危険因子になりうる、ということです。(pp.39-40) |
「疲労とは、体だけでなく、脳からも生じる現象」と、私はかねてから考えています。もう少し正確に言えば、疲労とは、「筋肉と神経の使い過ぎや不具合によって体の機能に障害が発生している」状態のこと。つまり、筋肉だけでなく「神経のコンディションの悪さ」が疲れを引き起こすというのが、最新のスポーツ医学の見解です。(p.40) |
1.オンとオフの切り替えを担う「自律神経」
2.体の動きを統制する「中枢神経」
疲れを感じている人の多くは、「自律神経」と「中枢神経」の2つの神経のコンディションが悪くなっている状態です。神経の司令塔は脳ですから、2つをまとめて「疲労の原因は脳にある」というわけです。この「脳疲労」を防ぐために、私が特に注意しているのは「体の歪み」です。
私は「疲れやすい体=歪んだ姿勢の体」と定義しています。あなたがもし、「姿勢が悪いことくらい、どうってことない」と考えているなら、認識を改めましょう。体の歪みは、中枢神経を取り乱すトリガーとなる危険な状態です。そして、体の歪みと密接に関係しているものこそ「体内の圧力」です。(p.43) |
スポーツ医学において大切なのは、「疲れが最小限になるように予防すること」、「試合中に最高のパフォーマンスを発揮できるようにすること」、そして「試合後のダメージの回復を最大限にすること」です。それをスポーツ医局では、次の3サイクルで行っています。(pp.44-45) |
- 中枢神経を整えることで体に余分な負荷がかからないように疲れを予防する。
- 筋肉を鍛えて、パフォーマンスを上げる。
- リカバリーメソッドを実践して効率よく回復を図り、体と脳の疲れを取る。
お腹を「へこませず」に息を吐く。「IAP」とは Intra Abdominal Pressureの略で、日本語に訳すと「腹腔内圧(腹圧)」。人間のお腹の中には「腹腔」と呼ばれる、胃や肝臓などの内臓を収める空間があり、この腹腔内の圧力が「IAP」です。「IAPが高い(上昇する)」という場合は、肺に空気がたくさん入って腹腔の上にある横隔膜が下がり、それに押される形で腹腔が圧縮され、腹腔内の圧力が高まって外向きに力がかかっている状態を指します。IAP呼吸法とは、息を吸うときも吐くときも、お腹の中の圧力を高めてお腹周りを固くする呼吸法で、お腹周りを固くしたまま息を吐ききるのが特徴です。私はわかりやすく、「腹圧呼吸」とも呼んでいます。(p.70) |
腹式呼吸の場合、「息を吐くと同時にお腹をへこませる(IAPを弱める)」のですが、腹圧呼吸では反対にお腹をへこませずに、息を吐くときも圧をお腹の外にかけるように意識して(=高OAPを維持)、お腹周りを「固く」します。(pp.70-71) |
腹腔の圧力が高まることで体の軸、すなわち体幹と脊椎という「体の中心」」が支えられて安定し、無理のない姿勢を保つことができるのです。(p.71) |
これによって体の中心を正しい状態でキープすることで、中枢神経の指令の通りを良くなって体の各部と脳神経がうまく連携し、余分な負荷が減るという理論とのことです。(p.71)
そして、「IAP呼吸法」を実践すると、次のような効果が期待できます。(pp.72-73)
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ちょっとしたいろいろな簡単にできる運動のイラストが載っているので、是非お手に取ってご確認ください。
スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエック教授によれば、同じ能力の持ち主でも、マインドセットによってパフォーマンスを発揮できる力が変わってくるそうです。・・・成長型マインドセットに誰でもシフトできる、簡単な「ひと言」があります。それは、「yet」、「まだ~」という言葉です。「~できない」と決めつけるのではなく、「まだ~できない」と考える。「自分には無理だ」とあきらめず、「まだ、自分には難しい」とその先を見据える。このように、たったひと言「まだ」と付けるだけで、「自分はまだそのレベルではないけれど、いずれできるようになる」という思考に切り替えることができます。この思考パターンを繰り返すことで成長型マインドセットにシフトできれば、実際に見定めた目標地点に想定より早く到達できる、というわけです。(pp.236-239) |
成長型マインドセットがしっかりできあがっていないと、「まだ、できていないけれど、いつかできるようになる」という確信が持てないので、途中で不安になり、挫折してしまいます。そこで彼らは最終的なゴールを見据えつつ、「まだできないなら、今の自分にできることは何か」も考えて最短の目標を設定し、そこに向かって走っているのです。成長する選手は必ず「長期目標」と「超・短期目標」をセットで設定しています。そして、「超・短期目標」を一つひとつクリアして長期目標に自分を近づけていく。「長期目標だけでは、いくら成長型マインドセットを有していても、いずれ疲れて息切れしてしまう」と選手たちはしっているのです。(pp.240-241) |
「成長型マインドセット」と「超・短期目標」は2つで一つ。この両輪を回すことで、目標達成の実現スピードが飛躍的に加速します。(pp.241-242) |
『やり抜く力』で知られるアンジェラ・ダックワース氏は、世界で活躍しているアスリートでさえ「意図的な練習」は1時間が限界で、その後休憩を入れたとしても「3~5時間が限界」だと言います。したがって、本当に「やり抜く」ためには、「今日、限界までトライする」のではなく、「今日はまだできなかった。だから、一日の疲れをリセットして、明日またトライする」ほうが、目標に到達する確率は高まるのです。(pp.242-243) |
よく売れているということも頷ける納得の内容でした。