著者:スティーブン スローマン,フィリップ ファーンバック
インターネットはある意味毒です。物事を知ることの容易さを格段に上げたのですが、知るレベルは低くなってしまったのではないでしょうか。簡単に知ることができるからこそ、深くまで知ろうとしない。そんなふうになってしまった気がします。だからこそ、特に学生には学ぶことは簡単ではないこと、奥が深いことを知ってほしいと思います。(Inobe.Shion) |
内容紹介
◎たちまち6刷! 今話題の本 『サピエンス全史』著者 ユヴァル・ノア・ハラリ激賞 橘玲(作家。『言ってはいけない』) 竹内薫(サイエンス作家) 池谷裕二(脳研究者・東京大学教授。『単純な脳、複雑な「私」』) 入山章栄(早稲田大学ビジネススクール准教授。『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』) キャス・サンスティーン(ハーバード大学ロースクール教授。『実践 行動経済学』) スティーブン・ピンカー(ハーバード大学心理学教授。『暴力の人類史』) エリザベス・コルバート(ピュリッツァー賞作家。『六度目の大絶滅』) ————————————— ●自転車や水洗トイレの仕組みを説明できると思いこむ。 人はなぜ、自らの理解度を過大評価してしまうのか? 気鋭の認知科学者コンビが行動経済学から人工知能まで各分野の研究成果を総動員して、 出版社からのコメント 内容(「BOOK」データベースより) インターネット検索しただけで、わかった気になりがち。極端な政治思想の持ち主ほど、政策の中身を理解していない。多くの学生は文章を正しく読めていないが、そのことに気づいていない。人はなぜ、自らの理解度を過大評価してしまうのか?それにもかかわらず、私たちが高度な文明社会を営めるのはなぜか?気鋭の認知科学者コンビが行動経済学から人工知能まで各分野の研究成果を総動員して、人間の「知ってるつもり」の正体と、知性の本質に挑む。思考停止したくないすべての人必読のノンフィクション。 |
ここで言いたいのは、人間は無知である、ということではない。人間は自分が思っているより無知である、ということだ。私たちはみな多かれ少なかれ、「知識の錯覚」、実際にはわずかな理解しか持ち合わせていないのに物事の仕組みを理解しているという錯覚を抱く。(p.16) |
さて本文では、いろいろと詳細に解説されているのですが、これこそ本意に背く気はして恐縮なんですが、訳者あとがきにうまくエッセンスがまとめられていますのでそこからピックアップしておきます。
私たちを取り巻く世界はあまりに複雑で、すべてを理解することなどとてもできない。そこで人間の知性は、新たな状況下での意思決定に最も役立つ情報だを抽出するように進化してきた。頭の中にはごくわずかな情報だけを保持して、必要に応じて他の場所、例えば自らの身体、環境、とりわけ他の人々の中に蓄えられた知識を頼る。・・・これが知識の錯覚の起源である。思考の性質として、入手できる知識はそれが自らの脳の内側にあろうが外側にあろうが、シームレスに活用するようにできている。(pp.290-291) |
とにかく知っているつもりのことが世の中にはあふれているということ。諸刃の剣ではありますが、それはそれで社会を進化させてきたし、進化についていくうえでは必要不可欠なのだと感じました。