ビジネスゲームセオリー

ビジネスゲームセオリー 経営戦略をゲーム理論で考える

ビジネスゲームセオリー 経営戦略をゲーム理論で考える
著者:御立尚資,柳川範之

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] ゲーム理論、しっかり学びたいのですが、なかなか身につかないんですよね。
[目的・質問] ゲーム理論のケーススタディ。このタイミングで吸収目指します!
[分類] 336.1:経営政策.経営計画

クライアント企業の意思決定の現場でも、同業各社の研究内容を見ても、現在の経済学の中でゲーム理論が占める重要な役割を考えると、本当に限定的な使われ方しかされていない。いろいろな理由があろうが、ゲーム理論は、「大変興味深いが、実務からは少し離れた領域」として、いわば敬して遠ざけられてきた感がある。この不思議な状況は、両方の分野にとって、、もったいないな、というのが正直な実感である。「経営戦略論」と「ゲーム理論」。企業が抱える「現実の課題」とその解決に役立つ「理論的枠組み」。これらの諸要素を、アカデミアと実務者の対話を通じて、本来の相互補完的な形で活用できるようにしたい。そんな大それた夢が、本書を作るスタートポイントであった。(pp.i-ii)
「コスト優位」、「差別化」の実現を促進する手段として、特定のユーザーや商品分野に注力する「集中化」を含め、マイケル・ポーターはこの3つを「競争の基本戦略」として類型化しています。(ポーター『競争の戦略』)
経営トップが、イノベーションによる差別化を戦略として掲げていても、人事部門が研究開発に質の高い人材を提供しなかったり、経営管理部門が新商品開発の予算を削減し続けていたりすれば、この戦略は絵に描いた餅になってしまいます。こういった失敗を防ぎ、逆に社内各部門が一丸となって、戦略達成に向かっていけるように、方向性を合わせることが必要だ、というわけです。この考え方に対し、ポジショニングという(静的な)状態を見るのではなく、それを生む「資源(リソース)」や「組織能力(ケイパビリティ)」に着目し、動的に戦略を考えていくべきだという理論が生まれていました。・・・これが、リソース論、ケイパビリティ論の基本です。(pp.7-8)

上がBCGの御立さん、下が東大の柳川先生。双方がそれぞれの要素を求めるようになっていったというようなことでしょう。

経済学は、1970年代の後半くらいからゲーム理論や情報の経済学を取り入れ、大きく変わっていきます。それによって、各企業の行動や戦略をより詳細に分析することが可能になり、経営の分野との接点も大きくなっていきました。ポーターの研究もそのような経済学側の進展をいち早く取り入れ、競争戦略論という形で結実させたものとみることができます。(pp.10-11)

以下、事例を交えながら、2人のご意見が絡み合う形で進んでいきます。非常に質の高い、会話がなされていきます。

詳しくは、本書を是非手に取ってみてください。

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