学校では教えてくれない経済学の授業

学校では教えてくれない経済学の授業

学校では教えてくれない経済学の授業
著者:吉本 佳生

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] 図書館の新刊としての出会いから・・・
[目的・質問] 「経済学」の復習、そして改めての気づきを求めて・・・

帯には、「経済学の仕組みをを知ると社会の仕組みが分かる」と書かれているのですが、「社会の仕組みを経済学の仕組みで説明した」というようなところもあります。なかなか面白い内容で、勉強になりました。

以下、メモしておきたいところ、引用しています。

囚人のジレンマの状況で、一回だけ選択を行うケースの分析と、繰り返し洗濯を行うケースの分析があり、後者では、しっぺ返し戦略が有効だと結論付けられています。

第一に、初回は協調する
第二に、二回目以降は、相手が前回取ったのと同じ行動を選ぶ

これがしっぺ返し戦略です。とても単純な作戦ですが、政治学者のアクセルロッドが繰り返し囚人のジレンマについての競技会を開催したところ、単純なしっぺ返し戦略が優勝したことで、極めて強力であると確認されています。(P.52)

どの消費者がいくらの価格なら買ってくれるのかが分からない中で価格差別を行いたい企業にとって、とても単純で強力な方法があります。商品を最初は高い価格で販売し始めて、その価格である程度の消費者が買い終えたころを見計らって、価格を少しずつ値下げして売るというやり方です。時間を通じての価格差別と言います。(P.62)
価格差別による企業の戦略(P.65)
・グループ別の価格差別
・完全に個人別の価格差別
・時間を通じての価格差別
・自己選択型の価格差別
・オマケ商法タイプの価格差別
何かの目標を達成するには、当事者が自ら努力する誘因を持たせることが大切で、これをインセンティブと呼びます。(P.86)
景気変動は、次の四期を1サイクルとしています。長期トレンドの水準を上回って消費や投資だ増加し、在庫が減って、生産が増え、物価が上がり、失業者が減る好況期、それらが落ち着き、反転する後退期、長期トレンドの水準を下回って消費や投資が減少し、在庫が増え、生産が減少して、物価が下がり、失業者が増える不況期、それらが落ち着き、反転する回復期です。これを繰り返すのですが、景気変動の要因に応じていろいろな周期の長さがあると考えられています。キチンの波の呼ばれる景気変動は企業の在庫の増減(在庫変動)を要因としていて、周期は約40カ月とされています。ジュグラーの波は、企業の設備投資循環を要因としていて、周期は7年から10年、クズネッツの波は、住宅などの建築物の建て替えを要因として周期約20年、コンドラチェフの波は、技術革新などを要因として周期約50年とされています。(P.122-123)

今世の中で起こっている事象と経済学を絡めながら分かりやすく説明してくれています。そのあたりが「学校では教えてくれない」というところなのでしょうか。

もう覚えていませんが、高校のときなどもあまりそういった教わり方をした記憶がないなかでいうと、やはり「学ぶ」ということは生きていく上で役に立つことだということをできるだけ小さいときから感じさせてあげることが、それこそ勉強に対しての「インセンティブ」になるんじゃないかと思いました。

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ほかにも興味深い「経済学の授業」本がいろいろありました。また読んでみたいと思います。

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