<決定版> セミナー講師の教科書
著者:立石 剛
★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] タイトルとアマゾンの★の数5とレビューの高評価
[目的・質問] セミナー講師になるためにはどうすればよいのか。
「なぜ人はセミナーを受けるのか?」・・・それは「変わりたいから」です。「今の自分を変えたい」そう思ってセミナーを受けに来るのです。ですから、気づきがあり、変わるためのノウハウがあり、夢に向かって一歩前に踏み出せる、そんなセミナーは魅力的です。(P.25-26) |
あまりセミナーを受ける人の心理なんて考えたことなかったですが、おっしゃる通りですね。
自分が勝てる市場を見極めることが大切です。・・・ここで大事なことは、市場のおける自分のポジションをしっかりと確認することです。そして、自分が頂点に立てるような小さなピラミッドをつくってしまえばいのです。・・・自分のポジションをしっかりと確認し、自分に合ったマーケットで勝負すれば、セミナーは十分成立しますし、勝つこともできるのです。(P.36-38) |
確かに、自分ができる市場、テーマが大切なのはよくわかります。それを見つけたあと、どう売り込んでいくんでしょうね。
セミナー講師という仕事の面白さは、あなたがこれまで当たり前に感じていたことでも、市場を変えることで、「目から鱗」と言ってもらえるほど、高く評価してもらえることです。・・・新しい市場を開拓できれば、あなたはオンリーワンになれます。オンリーワンになれば、1つのテーマで10年稼ぎ続けることも難しくなるなることでしょう。(P.41-42) |
僕もセミナー講師を何度かさせてもらっていますが、僕からするとそんなの当たり前なのにって思ってることでも結構喜んでもらえることが多く、そういうことなんでしょうね。
テーマを選ぶときには3つの視点が大切だそうです。
①体験
②強み
③情熱
だそうです。これらについて、以下で説明がされていきます。
情報を収集するだけなら、本を読むか、インターネットで検索すれば事足ります。受講生は、本やインターネットでは得られないものを期待して参加していることを忘れてはいけません。人は、変わりたいからセミナーを受けに来ます。本を読んでも変われなかった。勉強しても行動につながらなかった。だから、わざわざお金を出して、時間を割いてまでセミナーを受けにくる。自分で収集できる情報以上のものを期待してセミナーに参加しているのです。(P.46) |
売れる講師はちょっとした体験談でも、それを面白く話すスキルをもっているとのこと。そのスキルはこの後、説明されるそうです。
人を指導し、結果を出すためには、その人の可能性を心から信じられることが大切です。(P.51) |
スポーツの世界でもよく言われます。「名選手、必ずしも名監督ならず」。セミナー講師も同じです。順調に成功を積み上げてきた人が必ずしもセミナー講師として結果を出せるわけではないのです。失敗を重ねてきたからこそわかることがあります。伝えられることがあります。悩んできた分だけ、より多くの人を救うことができるのがセミナー講師の仕事なのです。(P.51) |
成功話ばかりだと面白くもないですしね。あと、また今度紹介する自己紹介に関する本にも「失敗話」が一番キャッチ―で興味を惹くというようなことが書かれていました。以上が「体験」に関するお話で、次は「強み」についてです。
強みとは、あなたが意識しなくてもできてしまうこと。ですから、自分では気づいていない場合も多い。そこで、自分に対してこんなふうに問いかけてみてください。あなたができること、得意なことは何ですか?あるいは、人からよく褒められること、よく頼まれることは何ですか?それがあなたの強みである可能性が高いのです。なぜ強みからセミナーテーマを導き出せるかというと、それはかんたんなことで、人は誰でも、できない人よりできる人から教わりたいと思うからです。・・・セミナー講師は率先して実践者でなくてはいけません。ですから、あなたのできること、得意なことを活かせるテーマを選ぶことがたいせつなのです。(P.52-53) |
なんだろう、よく頼まれることって。でもそれは、人から求められているところでしょうから、逆に意識して自分観察していきたいですね。
そして、テーマ設定に必要な視点の3つめ、「情熱」です。
仕事をしながら、セミナーの準備を行うのはけっしてラクなことではありません。とくに最初のうちは、初めてのことばかりで準備がなかなか進みませんし、不安やプレッシャーで押しつぶされそうになることもあるでしょう。さらに、本業が別にある場合、セミナーを開催しなくても生活に困るわけではありませんから、つい準備にとりかかるのを先延ばしにしてしまい、結局はじめの一歩が踏み出せずに終わってしまうこともよくあります。かりに、一歩踏み出せたとしても、思うような結果が出ず、一回やっただけで諦めてしまう人もたくさんいます。情熱という要素は、こういった困難やハードル、落とし穴を乗り越え、セミナー講師を続けるためのモチベーションになるのです。また、情熱は自らだけでなく、人の心をも動かし、不可能と思えることを可能にします。(P.55-56) |
僕も目標を立ててもうまくいかず、何度も挫折してきました。負けずに続ける・・・・継続は力なりと言いますが、そのモチベーションの源泉は「情熱」だと思います。
そのことを考えるだけでワクワクする。自らがお金を払てでも学びたいと思う。人に教えたくてたまらない。どうしても救いたい人がいる・・・・、このようなテーマを見つけられれば、1年目から結果が出る可能性がぐんと高まります。・・・心の中にある「情熱」というかたちのないものを言葉にするのは少し難しいと感じるかもしれません。しかし、それができれば、モチベーションを何年にもわたって保ち続けることができると同時に、あなたの話が、より受講生のこころに届くようになります。(P.58-59) |
そういう思いは「目」にも出ますし、当然「言葉」になって出てくると思います。
作業を細分化し、特化することで、オリジナリティーが高まり、情勢にとってより魅力的なセミナーをつくることができるのです。・・・セミナーを受けにくる人は、「変わりたい」と思っています。その根底には必ず「悩み」があるはずです。テーマが広すぎたり漠然としていたりすると、受講生の悩みが特定できず、相手にとっては受けても受けなくてもいいセミナーになってしまします。受講生に「これは私のためのセミナーだ」と思ってもらうためにも、テーマを細分化し、オリジナリティーを出すことが大切なのです。(P.66) |
そんなテーマ、見つかるか難しい気がしますが、それを見つけることができた人こそが、セミナーで食べていけるんですね。僕も見つけたい、探さないと見つからない。さぁ、探し続けていきたいと思います。
「そうはいっても、なかなかオリジナリティーのあるテーマが見つからないよ」という人もいらっしゃるでしょう。そこで、テーマにオリジナリティーをもたせるためのもう一つの考え方をご紹介します。それは、「誰?」「どんな悩み?」「何を教える?」「どう変われる?」という4視点を掛け合わせるという考え方です。(P.57) |
ここからが、セミナーシナリオの作り方になります。
いいシナリオとは、セミナーを終えたときに、受講生に「やってみよう」と思わせることのできるシナリオということです。では、受講生に「やってみよう」と思わせるシナリオを作るのには、どうすればいいか?大切なことは、話の構成です。いいセミナーのシナリオは、大きく5部構成でつくります。 ①自己紹介 ②ゴール ③問題提起 ④ノウハウ ⑤まとめ の順番です。・・・この流れは、90分くらいの短い時間のセミナーでも、6時間、1日、2日といった長時間にわたるセミナーでも同じです。(P.78) |
この5つのエッセンスは下記の通りになります。
①自己紹介 セミナーでは、自己紹介の中身によって受講生に対するあなたのメディア力が決まります。つまり、受講生に「この人は信頼できる」と思ってもらえれば、セミナーは成功に近づくのです。しかし、「この人大丈夫?」と思われてしまったら、あなたがどれだけいいことを話しても、いいセミナーにはならないのです。・・・自己紹介で必ず伝えるべき情報は、あなたの「過去(これまで何をしてきたか)」と「現在(今何をしているのか)」です。それを「現在→過去」の順番で伝えてください。・・・「相手の関心が高いことから話した方が受け入れてもらいやすい」という原理原則があります。・・・「あなたがこれまで何をしてきたのか?」と、過去の話をすることで「なぜあなたに、今日のセミナーテーマについて語る資格があるのか?」ということを受講生に理解してもらう必要があるからです。・・・過去の話をする時は、経歴そのものを箇条書きのように伝えるのではなく、ストーリーで伝えることが大切です。(P.81-87) |
これは聴く側の立場で考えたら、スッキリします。
②ゴール セミナーでは、「わかる」をゴールにしてはいけません。「できる」をゴールにしなければならないのです。・・・受講生は知識を得たいのではありません。自分が変わるためにやるべきことを知りたいのです。・・・セミナーのゴールを分かりやすく、魅力的に語れるようになると、受講生の心をぐっと引き寄せることができるのです。(P.90-93) |
この違い結構大きいです。シナリオを作るにあたっては要注意です。
③問題提起 問題提起とは、わかりやすくいうと「受講生にとって、何が問題なのかを気づかせてあげること」です。・・・問題提起をする際のコツは、質問から始めることです。そうすることで、受講生は話の内容を自分事として考えてくれるようになります。・・・受講生の何が問題なのかを明確にしてあげること、皆さんにとって重要な話なんだということを受講生に気づかせるのが問題提起の役割です。・・・初心者でもすぐ使える問題提起の「型」を4つ紹介しましょう。 1.体験を通して伝える 2.興味深いデータを見せる 3・実例を紹介する 4.受講生の悩みを代弁する これ以外にも、問題に気付いてもらうための伝え方はたくさんあります。(P.94-103) |
続きまして・・・・
④ノウハウ 「いいノウハウ」とは、再現性のあるノウハウということです。受講生の誰もが、最小限の努力で結果を出せる、これがノウハウの条件です。(P.104) |
⑤何をすればいいか 受講生に「自分にもできそう」と思ってもらえるレベル感を意識してくださいP.107)。あなた自身の壁を乗り越える前の姿を思い出してみるのもいいでしょう。(P.107) |
これらの5つを踏まえて、次のように仕上げることで、受講生のその時の満足度だけでなく、実際に結果として残せるものをつくることができると。
セミナー講師になるなら肝に銘じて欲しいのですが、ノウハウは受講者ができるものでければ意味がありません。受講生に「これなら私にもできる!」「やってみよう」と思わせるノウハウをつくってください。・・・ゴールを明確にし、受講生が実践できるノウハウを示してあげることができれば、受講生は自ら階段を登っていきます。つまり、代わることができるのです。受講生が変われるようルートを設計する、これが再現性のあるシナリオの作り方です。(P.108-109) |
次は、ノウハウを作る上でのポイントですが次のように書かれています。これは「教育」というものにも通じることですが、つい教える側は失敗しがちなので気をつけなければいけません。
ノウハウの一つひとつの会談が高いものはダメです。ノウハウを3つに集約すると、一つ一つの階段の高さが高くなってしまう場合は、階段の数を増やし、一段の高さを低くしてあげる必要があります。つまり、ノウハウの数を増やすということです。・・・セミナーでは、難しいことを教える必要はありません。受講生が「できる」ことが大切です。あなたのゴール設定が、受講生にとって適切かどうか、しっかりと考えてください。(P.114-115) |
確かにそうですね。受講前の前提となるスキルなども合わせておかないと、結果は大変なことになりますね。最後のアンケートで、「ちょうどよかった」が少なくて、「難しかった」「簡単だった」などぶれていたりすると悲惨です。
セミナーを締めくくる際、講師がやるべきことは、受講生の背中を押してあげることです。一歩踏み出せるよう受講生の頭の中を整理してあげてください。セミナーの最中、受講生の頭の中は、いろいろな気づきやアイデアで散らかっています。なかには、あれもしなければいけない、これもしなければいけないと混乱している人もいるかもしれません。さらに、それによって、新たな不安が生まれているかもしれません。そのような状態でセミナーを終えてしまっては、何のためにセミナーを受けにきたか分かりません。ですから、一度、受講生の頭の中をすっきり整理してあげる必要があるのです。(P.120-121) |
プロでない人のセミナーの場合、最後のまとめってほとんどいないですね。僕も何度かセミナーさせていただいてますが、最後に覚えて帰ってほしいことって入れるようにしてます。僕も話し始めたからこそ、聞き方が変わりました。実際に話してみないと分からないことは多いです。
分かりやすい話方を身につけることは、それほど難しいことではありません。次の3つのポイントを意識して話をするだけで、格段に分かりやすくなるのです。 ①一文を短く話す ②予告を入れて話す ③順序立てて話す (P.128-129) |
①、②はいいとして、順序立てて話すには、「PREP法」を使うようにするとよいとのことです。
「PREP」とは、P(Point:結論)、R(Reason:理由)、E(Example:例)、P(Point:結論)の頭文字をとったもの。・・・PREP法で話す時のポイントは、最初の結論を短く言い切り、理由はあえて抽象的なものにする。そして事例をできるだけ具体的に話す。ちなみに事例は、自分の体験だけでなく、他人の体験やたとえ話でも構いません。さらに、最後に結論を繰り返して、締めの言葉を一言付け加えます。「締めの言葉」とは、受講生への提案、提示、行動を促すような言葉のことです。(P.132-133) |
このあと、作ったセミナーをどう展開していくかなどについて書かれています。
職業として、「セミナー講師」というのを改めて認識しました。何か独自性のあるテーマを見つけられるように、アンテナを張っておきたいと思います。