違和感の正体


違和感の正体 (新潮新書)

違和感の正体 (新潮新書)
著者:先崎 彰容

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] 図書館で見かけました!
[目的・質問] 第六感?違和感って何だろう?正体知りたかったんです。

思いつきの意見と思想家の発言のことばの最大の違いは、専門的な知識の有無にあります。筆者がしばしば過去の思想家の発言を参照すべきことを説き、思いつきの判断に警告を発するのは、時代状況という患者への「丁寧な診察を心掛けよ」と言っているのです。(P.9)

この表現は素敵です。例えば、上長などが思いつきのアイデアを言って現場を困らせますが、そんな時は嫌われる勇気をもって「その意見の根拠は何ですか?」などと突っ込むことで、こちらが専門的知識を持ってすれば、引っ込めてもらうこともできるでしょう。どう建設的にそれが言えるかというテクニックは必要でしょうけどね。

長期的な観点から時代状況を判断する余裕のな<私>たちは、しばしば政治・経済・外交問題について、場当たり的なスローガンに飛びつきます。自分自身がヤブ医者になってしまう場合があるのです。事件事故についてほとんど知識もないままに、善悪の判断を下し思いつきを大層な「意見」だと勘違いする。(P.10)

そう、僕も改めて「歴史」を知ることの意義を思い起こしています。流れの中で「今」を捉える。単なる「今」だけでは正しい判断はできないと。でも為政者たちは、愚民ばかりのほうが統治しやすいゆえ、必要以上の知識を与えないようにしている・・・・それが「今」なのです。だから僕たちは、自分の眼で物事を判断できる力をつけないといけないのです。

混乱しているときこそ、政治的左右で議論しているように「見える」状況から身を引いてみる。場の雰囲気に感じた「違和感」を大切に、もう一度議論を組み直す必要があるのです。(P.12)

あらあら・・・勘違いしていました。日常感じる様々な「違和感」についての話かと思いきや・・・・(笑)・・・現代社会の「違和感」なんですね。

身の回りで起きていることにアンテナを張り、違和感から物事を考える。結果、どのような「ものさし」と「処方箋」が必要なのかが分かってくる―そこまでたどり着けることを筆者もまた期待しつつ、知の冒険を始めたいと思います。(P.12)

分かりました。それもありですね。一緒に同行させていただきましょう。ということで、“はじめに”がここまでで、ここからが本論に入っていきます。

まずは、デモ論―「知識人」はなぜ舐められるのか、という問題提起です。

他者批判からは、いびつな自負心しか生まれない。その自負は相手を過剰に意識し翻弄されている点で「奴隷道徳」、すなわちルサンチマンにすぎないとニーチェは言っているのです。それが今、日本国内はもとより、アジアの国家同士で行われている。(P.17-18)

国家同士というような大きな話でなく、会社でもそうです。セクショナリズムもその一つでしょう。俯瞰的に見ること、足りないところがあれば、自分がその足りないところを補う、そんなこともできなくなっています。なんとかこれを打開しないと、日本人は日本人でなくなってしまう気がします。

社会全体が砂礫のように瓦解していくのに呑み込まれ、善悪判断の基準があやふやになることに取り込まれ、「ものさし不在」に苛立ち、ワンフレーズの正義にすがるくらいなら、知識人である資格などないでしょう。(P.32)

筆者は、「ものさし不在」と「処方箋を焦る社会」の二つが、現代社会を理解するキーワード(P.11)と挙げていますが、ワンフレーズはある種分かり易いがために誤った処方箋となってしまう。それゆえ、我々がすべきことは、「部屋に戻れ。そして書物とノートを開き、みずからの心に渦巻く何かを形にする言論を奪還せよ」(P.34)と述べています。問題点の指摘としては、納得しました。解決策としてはそれこそ「違和感」がありまして、私はそれができる人はごく少数で、正しいものの見方ができる人がメンターとなってしっかりその人に教えを請い、議論していく場が必要かと感じました。

こういった形で筆者が感じている「違和感」を、多角的に、また過去の思想家の視点も交えながら、問題提起をしています。

多くを考えさせられるとともに、自分の不勉強についてまたしても気づかされる書となりました。

今後読みたいと思った思想家についてメモしておきます。
・網野善彦
・ラルフ・ウォルドー・エマソン
・丸山 眞男
・荻生 徂徠
それにしても・・・学ぶべきことが多すぎます。

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