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金融行動の心理学: 金融心理尺度の開発と応用

著者:佐々木 美加

人々の金融の捉え方と現実の金融の乖離を明らかにし、そのうえで人々の金融への参画に対する心理過程〈金融の認知構造〉〈金融への態度〉〈金融商品選択傾向〉を体系的に測ることのできる尺度を開発、提案する。

●著者紹介
佐々木美加(ささき みか)
明治大学商学部教授
博士(文学)(2003年)
東北大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学(2001年)
主著:
『交渉の心理学』(編著),ナカニシヤ出版,2012年
『紛争・暴力・公正の心理学』(分担執筆)大渕憲一監修,北大路書房,2016年
論文:
Sasaki, M. (2012). Interpersonal Effects of Emotions in Negotiations: Emotional
Intelligence in Decoding and the Decoder’s Concessions, Japanese Journal of Applied Psychology, 38, 8-20.
Sasaki, M, et. al., (2013). Comparing the attitude of consumers and financial experts towards financial products. Tohoku Psychologica Folia, 72, 1-6.

●主な内容

まえがき

第1章 金融の認知構造と専門性
1.金融行動と金融リスク認知
2.大学生の金融認知構造
3.金融専門家と一般消費者の金融認知構造

第2章 金融行動の心理測定と金融心理尺度の開発
1.これまでの金融行動の心理学的測定
2.リスク認知と金融行動
3.金融心理尺度の構造
4.金融心理尺度の妥当性

第3章 金融心理尺度と投資行動
1.金融心理尺度による金融行動の解明
2.デモグラフィック要因と金融心理尺度が投資行動に与える影響
3.金融行動に関する諸尺度と投資意欲

本書のまとめと使い方
あとがき
索引
附録

改めて日本人の金融に対する知識が低いということがこの書籍を通して気づきました。というのもアンケートをとっても「分からない」が大部分とのこと。ただ書籍の出版のわりにデータが古くてちょっと??という感じもありました。

新NISA白書によると、

NISA導入がもたらした転機:2014年
NISA(少額投資非課税制度)が2014年1月に導入されたとき、制度開始初年度の2014年末のNISA口座数はわずか825万口座でした。しかし政府は「資産所得倍増プラン」を通じて、5年間でNISA総口座数を1,700万から3,400万へ倍増させることを目標としました。​2014年のNISA導入から数年間、株式保有率は13~17%の低い水準が続きました。この時期、個人投資家の数は着実に増加し、2014年度末の個人株主数(延べ人数)は4,582万人でしたが、その後7年連続で増加し、2020年度末には5,981万人に達しました。​つみたてNISA導入による投資信託の急速な普及:2018年~2023年
2018年1月につみたてNISAが開始されると、投資信託の保有率は上昇し始めました。つみたてNISAは長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託を年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有できる制度です。2023年末時点で、つみたてNISA口座からの買付額は1.7兆円となるなど、着実に普及が進みました。​

ただし2020年から2023年まで、有価証券保有率は19.6%で完全に停滞していました。この時期、NISA口座数は徐々に増加し、2023年12月末には2,125万口座に達し、累計買付額は35.3兆円に到達しました。​

新NISA導入による劇的な変化:2024年
2024年1月に新NISA制度がスタートし、制度が抜本的に拡充・恒久化されました。主な変更点は:​

  • 制度の恒久化:いつでも投資が始められ、生涯にわたって長期的・安定的に投資できるように
  • 非課税保有期間の無期限化:購入した上場株式・投資信託等を無期限に非課税で保有可能
  • 年間投資枠の大幅拡大:つみたて投資枠が年間120万円(つみたてNISAの3倍)、成長投資枠が年間240万円(一般NISAの2倍)

つみたて投資枠と成長投資枠の併用可能化

この拡充の影響は劇的でした。2024年1年間で:​

  • NISA口座数が2,559万口座に増加(前年比434万口座増)
  • 買付額が17.4兆円に急増(前年の5.2兆円から3.3倍増)
  • つみたて投資枠での買付が5.0兆円(前年比2.9倍)
  • 成長投資枠での買付が12.4兆円(前年比3.5倍)

この結果、有価証券保有率は19.6%から24.1%へと4.5ポイント増加しました。個別には、投資信託保有率が10.1%から12.6%へ2.5ポイント増加と最も顕著な伸びを示し、株式保有率も13.3%から14.1%へ0.8ポイント増加しました。

となっています。となると、金融リテラシーの重要性はさらに上がってきています。その割に、あまりそこは抜きのまま制度だけが先行している気もします。

そういう意味では、この書籍で調べている「金融行動の心理学」というのは非常に重要です。

「金融心理尺度」

  1. 金融リスク認知尺度
  2. 個人的・社会的考慮尺度
  3. 投資態度尺度

の3点での調査方法を提案されています。

評価の尺度も、6段階で中央にならないように配慮されており調査の手法としても興味深いところでした。

著者のこの本に至るまでのところは、いろいろな学会等で発表されているようなので、ご参考に。(こちらまで)

 

 

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