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「先見力」の授業

AI時代を勝ち抜く頭の使い方
著者:掛谷 英紀 … 

「先見力」という名称がタイトルについてられた本については、これまでにもいろいろと読みましたが、この本は「今の自分の判断基準をバージョンアップ」することで、先を見る力の見通しの精度を上げようという意図の「先見力」のように思いました。(Inobe.Shion)

内容紹介

「今から100万円の価値がある話をしよう」
~筑波大学の先生が教える、社会人も学生もトクをする真の教養~

◎「テレビCM」に潜む危ない企業の見分け方(→72ページ)
◎「証券会社」が勧めた株を絶対買ってはいけない理由(→117ページ)
◎「投資信託のリスク」は小学生でも分かる(→30ページ)
◎Amazonレビューから「先見力のある・なし」がわかる(→47ページ)
◎AIやロボットに代替されない能力とは?(→208ページ)
◎ブラック企業経営者がよく口にする言葉とは?(→197ページ)
◎大多数の人が知らない「自然エネルギーの裏事情」(→93ページ)

★「はじめに」より★
お金を稼ぎたいと思ったとき、多くの人はどうすれば成功するかを考えます。
そのため、こうすれば成功すると語るビジネス書に手が伸びがちです。
けれども、絶対成功するビジネスを予測することは不可能です。
うまくいくことが誰の目にも明らかなものには、多くの人が殺到します。
そのため競争が激しくなり、利益が薄くなるのです。

一方、絶対に失敗するビジネスを予測するのは、比較的簡単です。
多くの人が成功すると信じているものが必ず失敗すると気づいたとき、
その情報格差を使って大きな利益を上げることができることはあまり知られていません。

本書は、個人の損得に大きくかかわるウソについて集中的に取り上げています。
個人が騙されて大損をするかもしれない話や、逆に社会で信じられているウソに気づくことで大きな利益を得られる話を紹介していきます。

内容(「BOOK」データベースより)
メディアや知識人の「ウソ」を見抜き、一人勝ちする方法を筑波大学の先生が教えます。

著者について
掛谷 英紀(かけや・ひでき)
筑波大学システム情報系准教授。
「先見力」研究の先駆者。
1970年大阪府生まれ。1993年、東京大学理学部生物化学科卒業。1998年、東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程修了。博士(工学)。
通信総合研究所(現・情報通信研究機構)研究員を経て、現職。専門はメディア工学。

NPO法人「言論責任保証協会」代表を務め、これまでにも「先見力検定」や「高校生先見力懸賞論文」などを実施、先見力のある人材を見分ける方法について研究している。
2016年に発表された「書籍のレビューに基づく先見性のある人物の特徴分析」は話題に。
また、NHKだけ受信しない装置「イラネッチケー」の開発、天声人語で紹介され話題になった「人工知能による短命大臣の特徴分析」など、奇抜なアイデアを生み出す研究者として知られる。

著書に『学問とは何か 専門家・メディア・科学技術の倫理』(大学教育出版)、『学者のウソ』(SBクリエイティブ)などがある。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
掛谷/英紀
筑波大学システム情報系准教授。「先見力」研究の先駆者。1970年大阪府生まれ。1993年、東京大学理学部生物化学科卒業。1998年、東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程修了。博士(工学)。通信総合研究所(現・情報通信研究機構)研究員を経て、現職。専門はメディア工学。NPO法人「言論責任保証協会」代表を務め、これまにでも「先見力検定」や「高校生先見力懸賞論文」などを実施、先見力のある人材を見分ける方法について研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「はじめに」のところに面白いことが書かれています。

1つだけ気をつけていただきたいのですが、この本に書いていることがお金儲けに使えるのは、本書があまり売れなかったときにか限ります。ここで書いた知識をお金儲けに使う場合、多くの人が本当と信じていることが嘘だあることに、自分を含むごく少数の人だけが気づいている状況が必要です。(pp.12-13)

その前にも書かれていましたが、「逆張り」できるかどうかですよね。「逆張り」は勇気がいりますもんね。

人間、あらゆることが予測できるわけではないので、一番大事なのは、まず「装くできることとできないことを見分ける能力」を身に付けることです。(p.22)
多くのビジネス書は、メソッドやルールを覚えさせようとしますが、そういう考え方は基本的にうまくいきません。それだけでは、どの場面でどのメソッドが使えるのか、どのルールが適用できるのか判断できないからです。一番大事なのは、「事例研究」。世の中でこれまで起きてきた事例をできるだけたくさん知ることです。そういう知識が頭の中に蓄えられていれば、種々のメソッドやルールが、それぞれどういう場面で生きるか見えるようになってきます。(p.23)

確かに公式があったとして、それを覚えても適応すること自体が難しいでしょう。それよりも、常にしなやかに対応できるようになるという意味では多くの事例にあたるということが正解なのでしょう。

さて、著者は2016年の第22回言語処理学会で興味深い発表をされています。「書籍のレビューに基づく先見性のある人物の特徴分析

この分析で得られた結果の考察として次のように書かれています。

思想書やビジネス書が先見力の涵養に役立たないのは、これらの本が特定の立場を応援するためのポジション・トークになっていることが多いからだと考えられます。・・・読者に正しくないことを信じ込ませるときに役立つのが肩書きです。東京大学卒の元官僚や学者が書いているとなると、批判力がない読者はそれを信じてしまいやすい。これが、先見力のない人が読む本に、東京大学出身の著者によるものが多く含まれる理由ではないかと考えられます。(p.46)

これはニワトリとタマゴのようなところもあって因果関係は難しいとは思いますが、先見力にない人は「批判力がなく識者らしき人の意見を信じてしまいやすい」というのは間違いないでしょう。また、だから「先見力がない」というように堂々巡りな感じでしょうね。

p.75から「テレビCMを打っている企業の中で、危ない企業を見抜く」という件があるのですが、これは結果論としてはそうなんですが、誤解を招きかねないように思います。

労働集約型産業の場合は、テレビCMへの投資は経済的合理性がないと言っています。これはそんなことはなくて、テレビCMすることによる、ブランディング(オープンだけでなく、インナーブランディングに関しても)観点でも意義があるので、少し分析が浅い気がしました。

その他、いろいろな観点について、A/Bと分けて、それぞれのレビューや、ホームページなどからテキスト情報を収集して、それをテキストマイニングにかけて、出現ワードの傾向分析をしています。著者の仮説とすり合わせながら考察をしていくといったスタイルで、いくつかの事例が出されています。

結局、マスコミの言うことを鵜呑みにせず、疑問に持って、自分の仮説を立てて、それを検証するというスタイルが必要と言うことなんだと思います。

特に日本人はステレオタイプの人が多いので、常にそこは要注意です。

あと、あまり書かれてなかったように思いますが、なぜ今こんなニュースが出てくるのか?というようなニュースが出てきた時は裏で何かもっと大切なことが進行していることが多いですので、そのあたりも情報操作されないためには要注意です。

●先見力を上げるために役立つ本が紹介されています。(pp.56-58)

『フランス革命の省察』エドマンド・バーク
『文明の慟哭』サミュエル・ハンチントン
『自由論』ジョージ・スチュアート・ミル
『「経済人」の終わり』ピーター・ドラッカー

また、ほかには質のいいフィクションを読めと書かれていて、このあたりは私が弱いところなので、少しずつ入っていきたいと思っています。


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