部下の心を1分で動かすマネジメントレターの秘密
著者:岩田 松雄
★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] 岩田さん作ということで。
[目的・質問] 岩田さんの社員に向けたメッセージを社員の気持ちになって読んでみたいと思います。
[分類] 576:油脂類
岩田さんが、ザ・ボディショップの社長をされているときに部下に向けて書かれたマネジメントレターの抜粋です。含蓄に富んだ内容になっておりますので、学んでいきます。
お店の人にお願いしたいのは、1000円、2000円の「円」よりも、お客様との「縁」を大切にしてほしいということです。(p.23) |
非常に上手に言われてますね。若い人でもこのセンスの良さ、分かるかなぁ。
お客様から見えている「ブランドイメージ」というのは、氷山の一角です。すべての企業活動がブランドを意識したものでなくてはなりません。ザ・ボディショップらしさを、すべての仕事の細部まで追求しなければ、ザ・ボディショップのブランドは決して確立できません。「神は細部に宿る」ことを忘れないでください。(pp.26-27) |
人件費は「経費」ではなく「投資」です。(p.27) |
すでにこのころから岩田さんのブランド理論はほぼ完成したのでしょうね。
これは私がビジネスで大事にしていることですが、インタビューは1対1が原則です。相手が二人以上だと、必ず互いに牽制し合います。本音を話せなくなることが多い。だからどんなに時間がかかっても、1対1で30人のリーダー以上全員と話をしました。(p.33) |
確かに、牽制しあって本音は出てこないです。
お互いの自己紹介から始まって、どんなことがしたいのですか?何かいい改善のチャンスはないですか?この会社の強みはどんなところだと思いますか?なにが問題点だと思いますか?ザ・ボディショップのどこが好きですか?社内で誰を尊敬していますか?なにか面白いアイデアはないですか?今困っていることは?趣味は?どんな本が好きですか?こうして質問を続けていくと、社内にどんな人材がいてどんな気持ちで働いているのかを知ると同時に、会社の強み、弱みなどが少しずつ見えてきました。(pp.33-34) |
社内のことから、プライベートまで、いろいろとその人の内面が見えてくるような質問ですね。参考にしたいと思います。
経費カット、リストラ、コスト削減だけを続けて利益を上げても意味はない。そこに働く人がより成長し、会社がミッションを実現するために存続しているのだ、ということをいつも心にとめていこうと思いました。(p.118) |
私が大好きな言葉の一つに、 It is much more important how to be rather than how to do. というものがあります。ケインズの「我が若き日の信念」の一節です。これは、安岡正篤さんの「活学としての東洋思想」にも紹介されていた言葉で、「如何になすべきかということよりも、如何にあるべきかということが大事だ」という意味です。安岡正篤さんはこれを引いてよく「to do goodを考える前に、to be good を目指しなさい」と教えたと言います。(p.118) |
先に「ブランド」を読んでいましたので、よく分かりました。でも出版が早かったのは、こちらのようですね。
いずれにしましても、岩田さんのブレない人間重視の姿勢がよく出ているマネジメントレターで、感銘を受けました。
他にも出されているようですし、機会があれば読ませていただけたらと思います。