IOWNの正体 NTT 限界打破のイノベーション

IOWNの正体 NTT 限界打破のイノベーション

NTT代表取締役社長 島田明 (著), NTT代表取締役副社長 川添雄彦 (著)

IOWNとは何か
NTTトップが全貌を明らかに

ニュースなどで目にすることが増えた「IOWN(アイオン)」。
日本のみならず世界中で急速に広まりつつあるIOWNとは、一体何なのか――。

生成AIやメタバース、あらゆるモノがネットにつながるIoTの普及を背景として現在、世界の電力使用量は急拡大している。
莫大な電力が必要になっていくことは想像に難くない。

IOWNは、こうした状況の救世主となり得る、NTTが持つ最先端の光技術を使った次世代情報基盤である。
爆発的なデータ量の増加と、それに伴う大量の電力が消費されるであろう近い将来に、電力効率100倍(消費電力1/100)を目標に掲げるIOWNが必要とされることになる。

では、IOWNはどのようにサステナブルな未来を実現していくのか。
その技術的な背景や、我々の生活・社会に与える影響、具体的なユースケースなどをNTTのトップが徹底解説。
IOWNが世界に与えるインパクト、「IOWNの正体」を明かす。

目次:
序章 地球のサステナビリティを支える希望の「光」
第1章 動き出した「商用IOWN」
第2章 「光電融合デバイス」のインパクト
第3章 世界のプラットフォームへの仲間づくり
第4章 IOWNが実現する未来
第5章 データの安全保障とIOWN
終章 「数の論理」から「価値の論理」へ

 

 

インターネットの課題(ベストエフォート型の品質)と地球のサスティナビリティ確保に向けた省電力化。これら二つの課題を、より豊かな社会を実現するために、同時に解決する方法。それがIOWN(アイオン)構想。

IOWN(Innovative Optical Wireless Network)は、光ファイバーを使った高速大容量通信を実現するために、NTTが世界に先駆けて長年研究を続けてきた「光」をベースとした技術基盤とのこと。

従来は「電気」を用いていた信号のやり取りを「光」に置き換えることで、高速大容量かつ低遅延による安定したデータ伝送を実現しながら、電力消費も劇的に削減できる。

上記が概要らしく、現在は150以上の企業や団体が参画し実証実験も行われ、すでに最初のサービスもローンチしいよいよ実用化に近づいているとのことです。

驚いたのですが、こんな事実が書かれています。

 最近の生成AIには、数百億というパラーメータ数を持つものがありますが、この規模の言語モデルを構築するためにh1300メガワット時、つまり原発1基1時間文ん発電能力1000メガワットを上回る電力が必要になると言われています。(p.21)

APNという聞きなれない用語が出てきますが、これはオールフォトニクス・ネットワークのことで、経路上のすべての区間で光信号を用いて通信を行う新たな通信ネットワークのこと。

 

すでに商用サービスが開始されており、東京・大阪間で双方で演奏家が音楽を奏でるという実験が行われたらしいですが、音の伝達速度で言うと3メートルくらいの距離で聞いているようなレベルで光では伝達が可能になっているようです。限りなくリアルといってもいいのではないでしょうか。

このあたりは2019年に発表した論文から始まったと書かれています。ネットで探すとここんなのが出てきました。

IOWN構想特集─オールフォトニクス ・ ネットワーク
実現に向けた光電融合技術─

これのことだと思います。この本の前半部分のIOWNの説明とは結構被っているかもしれません。

差し当たってデータセンターの2つの課題が解決されそうとのこと。用地問題と用地への電力供給問題。これらはともにIOWNで解決できるところなどで期待されているとのこと。

読み進めていく中で量子コンピュータと相性がいいのではと思ってましたが、やはり目指す究極の姿として、そのあたりは書かれています。(p.161~)

IOWNのことについて、おおよそ理解できたかと思います。今の半導体のチップも大きく様変わりしそうで、技術大国ジャパン復活のベースになってくると思いますが、この基盤技術と並行して消費者にどんな価値をもたらすことができるか、ということを抜け落ちないようにする必要があると思いました。これがないと欧米には勝てないと思いますので。私もささやかながら貢献できるように、アイデア考えてみたいと思います。

 

 

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