著者:井口奏大
ウェブで位置情報を扱う際は、大規模なデータを利用するため、クライアントサイドとサーバーサイドの両面で多くの工夫・発明が日々なされており、そのことが初学者にとって理解を難しくしています。しかし、これらを体系的に整理した資料や書籍が少ないというのが現実です。そこで本書では、最短距離で「位置情報アプリケーションを開発できるようになる」「要件に応じたベストプラクティスを学べる」「最新のトレンドを把握できる」ように構成しており、この一冊で位置情報エンジニアとしての知識がすべて身に付きます。 まずは位置情報を使ったサービス・アプリ開発に必須となる知識や概念を説明し、次にアプリケーション開発に必要となる技術やデータの入手・加工方法などを解説します。独特の概念や、通常のウェブ開発では使わない技術などがあるため、しっかりと解説しています。 次に、基礎知識として学んだことを利用して、実際に単純なウェブアプリケーションを開発しながら、サーバ側とデバイス側の実装に必要なプログラミング技術を解説します。さらに、実用的なサンプルウェブアプリケーションを構築し、さらにPWAとしてスマートフォンにも対応させます。 また、サンプルアプリケーションのソースコードはすべて公開されているので、まずは動作を確認して概念を理解し、それから自分で再実装してみて、さらにカスタマイズを行ってオリジナルアプリケーションを構築するといったように、ステップバイステップで学ぶことができます。 |
第1章 位置情報の世界 → 位置情報技術を学ぶ導入として、「位置情報」「位置情報アプリケーション」について説明します。
第2章 位置情報の基本 → 位置情報アプリケーションを開発する上で知っておくべき技術や概念などを解説します。
第3章 位置情報データの取得・加工 → 学習した基礎知識をもとに、さまざまな位置情報データの取得方法や加工方法を習得します。
第4章 位置情報アプリケーション開発:入門編 → 位置情報アプリケーションの開発方法を学びます。状況に応じたベストプラクティスを学びます。
第5章 位置情報アプリケーション開発:実践編 → 前章までで学んだ知識・技術を用いて、実用可能なサンプルアプリケーションを構築します。
OpenStreetMapのデータをインデックスしているtaginfoによれば、全世界で4億軒以上の建物データが存在しているようです。(p,9)
FOSS4Gとは:Free Open Source Software for Geospatialの頭文字をとったもので、全世界のエンジニア・企業・団体によって、多数のソフトウェアが活発に開発・メンテナンスされています。(p.10)
自由に使えるデータの最たる例は、OpenStreetMap。(p.11)
オープンソースのGISソフトウェア(p.50)
・QGIS
位置情報ライブラリ(pp.114-187)
・Leaflet
・MapLibre GL JS
・Turf.js
・OpenLayers
・deck.gl
・CesiumJS
・D3.js
いろいろなライブラリとその使い方が紹介されています。そしてそれらのライブラリを使って実際にアプリを開発するという実践編に繋がっていきます。
どんなアプリを作るかがアイデアの出しどころだと思います。このアイデアでユーザーにどんな「便利」や「エンターテイメント」に繋がられるか、またそれでマネタイズできるかということがさらに先のゴールになると思います。
大変刺激を受けました。