22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる

22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる

著者:成田悠輔

断言する。若者が選挙に行って「政治参加」したくらいでは日本は何も変わらない。

これは冷笑ではない。もっと大事なことに目を向けようという呼びかけだ。何がもっと大事なのか? 選挙や政治、そして民主主義というゲームのルール自体をどう作り変えるか考えることだ。ゲームのルールを変えること、つまり革命であるーー。

22世紀に向けて、読むと社会の見え方が変わる唯一無二の一冊。

政治家に任せられない・・・それはすごくわかる。なぜなら、政治家は自分に不利になるような制度への変更はすることがないから。でも社会はどんどん変わっているのに、政治家を選ぶ選挙制度は何ら変わっていない。これっておかしかくない?

 

それならどうしたらいい??ということに対して、いろいろな切り口で著者の考えが書かれています。

いろいろと考えさせられるクールな一冊。

著者が調査したデータらしいですが、次のようなことが書かれています。

 日本では、学歴や年収、世代、性別といった外から観察できる有権者の属性は投票行動と関係が薄いことだ。逆に、投票行動を予測する上で重要だと分かったものがある。「内面」だ。「努力が報われる社会であると思えるか」「未来の明るい社会像を描けるか」といった曖昧で、主観的で、内面的な問いへの回答が与党への信頼の決め手になっている。(p.170)
 私たちにできるのは、むしろ選挙やTwitterや監視カメラのような個々のチャンネル・センサーへの過度の依存を避け、無数のチャンネルにちょっとずつ依存することで、特定の方向に歪みすぎるのを避けることだけだ。(pp.178-179)

メタバースの世界では自分の承認欲求を満たしてくれるユーザーの世界になってしまい、歪はさらなる歪と深みに陥っていくと思われます。そう考えるとリアルのことには無関心で居心地のよいメタバースでの時間の過ごし方が中心になっていくかもしれない気がします。そう考えると、ますますリアルな世界はチープなものになっていくかもしれません。

第4章の「構想」のところは、少し妄想の度が過ぎる感じがします。論理の飛躍も若干やりすぎ感があり、斜め読みになってしまいました。

前半は興味深く読ませてもらいましたが、後半は少しつらかったです。

 

 

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