未来を共創する 経営チームをつくる

未来を共創する 経営チームをつくる

著者:鈴木 義幸

内容(「BOOK」データベースより)

トップマネジメントはチームになっているか?世界最大規模のコーチングファーム代表が語る、進化しつづける組織の条件とは。

「会社は社長で決まる」といわれます。
新聞・雑誌・テレビなど、さまざまなメディアが、躍進する企業の社長を取り上げます。しかし、その成功は本当に経営トップ1人の力によるものでしょうか?

著者は、世界最大規模のコーチングファームの代表を務め、
20年以上にわたって、さまざまな企業のエグゼクティブをコーチングしてきました。その経験から「会社は経営チームで決まる」といいます。

◎「一人ひとりが責任を果たす」がいちばん大切か?
本書の執筆動機を、著者はこう語ります。
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〝継続的な右肩上がり〟を実現している会社は、経営チームが〝チームになって〟います。社長の独壇場ではありません。一方、成長が続かなかったり、環境の急激な変化に弱い会社は、多くの場合、経営チームがチームとして結束していないのです。経営チームがチームになることは、ひょっとすると会社の最重要課題であるにもかかわらず、経営者も役員も、そのことをあまり気に留めていない。「経営者・役員は〝それぞれの職責〟をしっかり果たすことが大事である」
――そう思っている経営者・役員はとても多いのです。
こうした認識に少しでも影響を与えたい。そう思って本書を執筆しました。
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一人ひとりが責任を果たすことで実現するのは< 1+1+1=3>の組織。
< 1+1+1>が5にも10にも100にもなる。そうした〝共創するチーム〟になることが本書の目指すところです。

◎ハイパフォーマーがチームになるのは難しい
日本の組織では、それぞれが主張を表面化させて、侃々諤々の議論をすることはまれです。気心の知れたオールドボーイズクラブとして振る舞ったり、強力な軍隊型組織としてトップの意を汲み、それぞれの役割に邁進します。しかし、現在のような厳しい経営環境下で〝オールドボーイズクラブ〟も〝軍隊型組織〟も自ら変化を起こすことは困難です。

◎「ハイパフォーマーがチームになる」ために
会社の未来は経営チームにかかっています。
そして、組織きっての優秀な人材がチームになるのは簡単ではありません。その困難な目標を実現するために、本書では「なぜ〝経営チーム〟をつくるのは難しいのか」にはじまり「チームの土台をつくる」「チームを進化させる」「強いチームをつくる個人となる」まで、困難な目標である「経営チームが〝チームになる〟」ための要点を紐解いていきます。厳しい経営環境の中、チームをさらに強くするためにお役立ていただきたい1冊です。

著者について

鈴木 義幸(すずき・よしゆき)
株式会社コーチ・エィ代表取締役社長/エグゼクティブコーチ。
慶應義塾大学文学部人間関係学科社会学専攻卒業。
株式会社マッキャンエリクソン博報堂(現株式会社マッキャンエリクソン)に勤務後、渡米。ミドルテネシー州立大学大学院臨床心理学専攻修士課程を修了。帰国後、有限会社コーチ・トゥエンティワン(のち株式会社化)の設立に携わる。2001年、株式会社コーチ・エィ設立と同時に、取締役副社長に就任。2007年1月、取締役社長就任。2018年1月より現職。
200人を超える経営者のエグゼクティブ・コーチングを実施。リーダー開発に従事すると伴に、企業の組織変革を手掛ける。また、神戸大学大学院経営学研究科MBAコース『現代経営応用研究(コーチング)』をはじめ、数多くの大学において講師を務める。
『新コーチングが人を活かす』『リーダーが身につけたい25のこと』(ディスカヴァー)『新版 コーチングの基本』(日本実業出版社)など著書多数。
suzukiyoshiyuki.com

“FROM”(=チームの現状)を話した後、今度はホワイトボードに“TO”と書き、”これからどこに向かうのか”を話してもらいました。(p.69)

チームとは、“チームとしての目標”を持ち、“パフォーマンスを部分の総和以上にする”存在であり、そして、メンバーがお互いに“気持ちのつながり”を感じ、一つにまとまっている。(p.82)

人は取り換え可能な部品、パーツではありません。それに、パーツと共創することは難しい。パーツとパーツがぶつかれば、ただお互いにむかつくだけです。けれども、幾多のストーリーを持ったひとりの人間同士であれば、ぶつかっても「誤解を解消しよう」「改めて理解しよう」「もう一度一緒にやり直そう」という気持ちになれます。(p.117)

チームは洗練されればされるほど、より高い成果をアウトプットするはずです。ですから、“チームの更なる成長”に意識を向けないのはもったいないのです。(p.129)

“良い会議”というのは、
・メンバーは発言することに躊躇がない
・常に議論が本質的なことに向かっている
・臨機応変にアジェンダに対応し、話すべきことが話されている
・効果的なファシリテーションがなされている
・会議の終了時には、メンバーに不全感がない
(p.139)

会議に、“内部参加者の視点”をもたらすために、ファシリテートする人は、会議の参加者にこう問う必要があるでしょう。
・このことに対するあなたの責任は何ですか?
・あなたはどのように、この問題をつくりだすことに関係していますか?
・あなたには解決に向けて何ができますか?
(p.143)

進化した経営チームの会議は、問題を見つけたら、まずそれについて素早く議論をはじめ、しかも他人事にせず、自分事として捉える。つまり、アカウンタビリティをいち早く自分たちの元に引き戻し、会議を通して、問題を解決するのがとても速いということになるわけです。(p.145)

“主体化”という言葉があります。哲学者であるミシェル・フーコーが晩年に唱えた概念です。会社というのは、それ独自の考え方(=パーパス)を持とうとするわけですが、それに自分なりの意味付けをすることに成功した人を“主体化した人”といいます。言い方を変えれば、“会社のパーパス”と“自分の生きる意味”“自身のパーパス”を接続することに成功した人が“主体化”する。(pp.150-151)

人間関係が“よれる”最大の原因は、不満をリクエストに変えて伝えられないことです。・・・「これはやめてほしいんだ」「こうしてほしいんだ」とリクエストを伝える。もちろんそれに対して、「いやできない」という答えが返ってくることもあるでしょう。そうしたら、「では、これならできるか」とまたリクエストすればいい。相手もリクエストをさせればいい。(p.170)

不満を感じたら、できるだけ別のメンバーには言わずに、直接に本人に伝える。できれば、リクエストの形で。(p.171)

協力し合うこと、一緒に何かを生み出すことは、人間の天性であるけれども、それをどう高いレベルで実現できるかについては、MBAのテキストには書いてありません。だからこそ、自分でチームの理想を描き、描き続け、それを実現するために何ができるかを、常に問い続け、行動し続けることが大事だと思うのです。(p.190)

・このチームの何を変えたいのだろうか?
・そのために自分はどう変わろうか?
・世界一の企業の経営チームはどういうものだろうか?
こうした問いを、一日中、自分に問いかけていたら、その人は、チームをバージョンアップさせる強力な変数となるでしょう。(pp.201-202)

 

無意識とはいうものの、振り返れば、自分が自分に何を問いかけているか、なんとなくわかるはずです。
・今日一日どんな問いかけを多く自分にしただろうか?
・何を考えていただろうか?
・思考はどこに向かっていただろうか?

こうして、セルフトークAを棚卸したら、セルフトークBとなる、理性的な問いかけを構築してみてください。最高の経営チームをつくるために。(pp.202-203)

普段から“自分のウォントは何か?”と考える。“何を実現したいのか?”を自分に問う。もやっとした状態でも自分の中に何らかの種が見つかったら周りのメンバーと一緒に未来について話す。そうすると、もやっとしたビジョンが、よりはっきりしてくる。(P.218)

“ビジョンは記憶できない”とも言われています。これはつまり、話すのをやめてしまうとビジョンはだんだん薄くなり、最後は消えてしまうということです。だから“ビジョンについて”“未来について”話し続ける必要があるのです。(p.219)

相手に“教えてあげる”ではなく、相手から“常に学ぶ”という姿勢を持つ。相手に学ぼうとアプローチを取れば、相手の存在価値は、あなたの行為によって、その瞬間最高に高められます。だから、相手が憤ることはなくなります。(p.229)

 

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