著者:中尾隆一郎 …
KPIとは、Key Performance Indicatorのことですが、この本を読んで、何となくぼんやりと考えていたいろいろなことが明確になりました。(Inobe.Shion) |
内容紹介 「いままでいちばんわかりやすいKPI解説本! 」の 呼び声高く、3万部突破!ビジネス書グランプリ2019 マネジメント部門ノミネート! 熾烈なビジネスの現場で磨き込まれた 数字でビジネスを最大化し続け 本書は11年間にわたりリクルートのKPI社内講師を務め 単に数値を見ながら事業運営する「なんちゃってKPI」とは 【本書の構成】 第1章 KPIの基礎知識 第2章 KPIマネジメントを実践するコツ 第3章 KPIマネジメントを実践する前に知っておいてほしい3つのこと 第4章 さまざまなケースから学ぶKPI事例集 第5章 KPIを作ってみよう おわりに |
KPIとは「事業成功」の「鍵」を「数値目標」で表したもの。最大のポイントは、事業をただ「数字」で見るだけではなく、「事業成功」の「鍵」を「数値目標」としてみることです。(p.20) |
つまり、「事業成功」が何なのかわかっていないとKPIマネジメントは始まらないのです。(p.22) |
KPIについての全体像を説明しましょう。 ①KGI(Key Goal Indicator)=最終的な目標数値 →最終的に期末に到達したい最も重要な数値目標 ②CSF(Critical Success Factor)=最重要プロセス ③KPI(Key Performance Indivator)=最重要プロセスの目標数値 |
ゴールの認識がずれるのは2か所で起きがちです。 1つめは、そもそもゴールそのものがずれるケース。 例えば、最終ゴールは利益なのか、売り上げなのか、ユーザ数なのかが関係者間でずれているのです。 もう1つは、数値がずれるケースです。…特に最低限の目標数値と、可能であれば目指したい目標数値などがある場合は、要注意です。…2つのずれをなくすためには、関係者間で事前に確認することが必要です。(pp.24-25) |
CSFは事業成功のポイントを表しています。…また、プロセスなので、現場がコントロールできるものである必要があります。現場の努力で変化するプロセスであることは必須です。そのプロセスの中で、最も重要なプロセスを1つ選択します。(p.26) |
KPIは、2つ目の登場人物であるCSFを数値で表現したものです。つまり、最も重要なプロセスであるCSFをどの程度実施すれば、期末時点でKGIが達成できるのかを表す数値がKPIです。KPIはKGIの先行指標で、(現場がコントロールできる)プロセス指標で、CSF(事業成功の鍵)の数値目標です。(p.28) |
KPIマネジメントは、できるだけ旬な、できれば現在、この瞬間の数値把握が重要です。入手できるのが遅い数値では、打ち手の改善にタイムラグが起きるのです。データが即時に入手できることも重要なポイントの1つです。(p.36) |
●KPIマネジメントの正しいステップ(p.41)
ステップ | 内容 |
1 | KGIの確認 |
2 | ギャップの確認 |
3 | プロセスの確認 |
4 | 絞り込み |
5 | 目標設定 |
6 | 運用性の確認 |
7 | 対策の事前検討 |
8 | コンセンサス |
9 | 運用 |
10 | 継続的に改善 |
KPIマネジメントをきちんと運用できるのかのポイントは次の3つ。(p.52)
①整合性
②安定性
③単純性
KPIを従業員みんなで共有するときの大事なポイント(p.77)
①CSFが分かりやすいこと
②覚えやすい数値であること
リクルートのお家芸(p.103)
TTP:「徹底的にパクる」
TTPS:「徹底的にパクって進化させる」
「構造」とは全体像、メカニズムがどうなっているのかを明らかにすることです。そして、「水準」とは、それがどの程度なのか、つまり数値で把握するということです。KPIを考える際にも、この考え方が有効です。KGIを確認し、現状とのギャップを確認し、そのギャップを克服するための最重要プロセスをであるCSFを見極め、それを定量目標にしたものがKPIです。(p.110) |
「KGIの本質とは何か」…ゴーイングコンサーン、定義的な説明をすると「無期限に事業を継続し、廃業や事業整理などをしないことを前提にする考え方」となります。つまり、事業をずっと続くように運営しなさいということです。…ずっと、継続的に商品、サービスを改善し続ける責任があるのです。…つまり、KGIは究極的には利益なのです。それも継続的に利益を上げ続けることがKGIの本質です。継続的ということですので、短期も中期も利益を出さなければいけません。短期、つまり今期の利益を出しながら、中期の準備、投資をしなければいけないのです。そうでなければ、ゴーイングコンサーンは実現できません。(pp.113-115) |
この本を読んで、何となくぼんやりと考えていたいろいろなことが明確になりました。