デザイン3.0の教科書―誰もがデザインする時代

デザイン3.0の教科書―誰もがデザインする時代

著者:山岡 俊樹 … 

B6サイズでありながら、非常にまとまっていてわかりやすいです。おすすめです。(Inobe.Shion)

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著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

山岡/俊樹
1971年千葉大学工学部工業意匠学科卒業。東京芝浦電気(株)入社。1991年千葉大学自然科学研究科博士課程修了。1995年(株)東芝デザインセンター担当部長。(兼)情報・通信システム研究所ヒューマンインタフェース技術研究センター研究主幹。1998年和歌山大学システム工学部デザイン情報学科教授。2014年京都女子大家政学部生活造形学科教授(学術博士)、和歌山大学名誉教授、現在にいたる。専門:サービスデザイン、人間工学(日本人間工学会認定人間工学専門家)、ユーザインタフェースデザイン、工業デザイン、ユニバーサルデザイン、製品開発、観察工学。米国人間工学会(HFES)、Universal Access in the Information Society(UAIS)Journalのeditorなどを担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

本書の概要がこちらに掲載されています。

「知識」と「可視化能力」の上に「論理性」を伴わせることで発想力を導き出すことができるという流れで説明されている。

「知識」+「可視化能力」+「論理性」というのは、まさにフレームワークというふうに思います。

1章の「知識」のところでは、 今知っておかなければならないデザインのに関する知識がコンパクトにまとめられています。

デザインの定義:デザインとは、モノ、コト、システムを通して、ユーザ(生活者)に本質的な価値をもたらすことである。(p.11)
本質的価値というのは、モノ、コト、システムにとって、最も重要な価値を意味する。20世紀では、機能性(デザイン1.0)や人間優先の考え方(デザイン2.0)がデザインするときの主要な価値であったが、それらはそのときの社会状況から導出された価値であった。モノ不足で生活が豊かでなかった時代では、とにかく機能面を満たすデザインでよかった。そのうち製品がデザイン化し、ユーザインターフェースの必要性が高まってくると、人間中心の使い勝手の良いデザインが求められてきたのである。(p.12)

デザイン3.0と定義できるものが2005年からでてきて、それまでの機能デザイン、人間中心デザインというところから価値のデザインに変わってきたようです。

デザインの世界がミクロからマクロのデザインへと広がっていくと、デザインの概念化機能を操れる人材が求められるようになるであろう。・・・主にデザイン1.0では可視化機能、デザイン2.0では可視化機能と人間工学、デザイン3.0では可視化機能と概念化機能が重要であるのがわかる。(p.15)

①見えるデザイン(デザイン1.0、2.0:ミクロデザイン)
従来のデザインで、提案している価値を可視化できるようにするデザインである。
②見えないデザイン(デザイン3.0:マクロデザイン)
システム全体の概念化およびシステムにおける構成要素間の有機的関係の構築、操作作用や規則の取りまとめをする機能を実現するデザインである。

そこから、サービスデザイン、サスティナブルデザイン、ソーシャルデザインなど総合デザインであり、見えないデザインと見えるデザインを活用して目的を達成する世界となってきたようです。(p.17)

汎用システムデザインプロセス
(1)企業や組織の理念の確認
(2)大まかな枠組みの検討:再定義、観察
(3)システムの概要
①目的、目標の決定:目的8項目、目標12項目
②システム計画の概要:機能系統図
(4)システムの詳細
③市場でのポジションイング:コレスポンデンス分析
④ユーザー要求事項の抽出:REM、タスクシーン発想法、
5Pタスク分析
⑤ユーザとシステムの明確化:生活、価値観、消費の4分割
⑥構造化デザインコンセプト:2種類の構造化手法
⑦ビジネスモデルの構築
(5)可視化
⑧可視化:70デザイン項目、
サービスデザイン(接客)項目(3項目)
(6)評価
⑨評価:V&V、各種評価法

さまざまなデザイン
・情報デザイン
・ユニバーサルデザイン
・エコロジーデザイン
・サービスデザイン

デザイン3.0と銘打たれていますが、これはまさにバリューエンジニアリング(VE)ですね。機能系統図などもでてきますし。

うまくVEにデザインの著者が言うところのデザイン1.0、デザイン2.0をミックスしたような感じの考え方だと感じました。

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