the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

著者:スコット・ギャロウェイ

GAFAのそれぞれの特徴、そして強くなり続ける源泉について詳しく説明されており、気づきの連続です。おすすめです。(Inobe.Shion)

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内容紹介

Google、Apple、Facebook、Amazon――GAFA

GAFAが創り変えた世界の姿とは。
この激変を予言した著名教授が断言する、次の10年を支配するルールとは。
米国発、22カ国で続々刊行のベストセラーがついに日本上陸!

【本書の3大テーマ】
GAFAはなぜ、これほどの力を得たのか
GAFAは世界をどう支配し、どう創り変えたのか
GAFAが創り変えた世界で、僕たちはどう生きるか

【GAFAが生み出した「新ルール」とは】
・「崇高なビジョン」を掲げる
・利益はいらない
・法律は「無視」できる
・競争相手は「資金」で踏みつぶす
・人間の「本能」を刺激する
・ほとんどの人は「農奴」になる ……など

【本書の主な内容】
・GAFAはなぜ、これほどの力を得たのか?
・GAFAが狙い打ちにする「人間の本能」とは何か?
・GAFAに共通する「8つの覇権遺伝子」とは何か?
・GAFAは世界を、どのように創り変えたのか?
・GAFAに続く「第五の騎士」は現われるのか?
・GAFAが創り変えた世界で、僕たちはどう生きるか?……など

【各所から絶賛の声が続々! 】
スコット・ギャロウェイは正直者で、クソ野郎で、挑発的だ。
逃げるか戦うか、これほど選択を迫られる本はない。
本書はあなたの「世界を見る眼」を書き換えるだろう。
――カルヴァン・マクドナルド(セフォラCEO)

わずか4つの企業がどのように世界を創り変えているか。
本書はそれを明らかにする。
今まさに起きている変化に、私たちは気づいていない。
あなたは困惑するかもしれない。しかし一刻も早くこの変化を知るべきだ。
――セス・ゴーディン(『「新しい働き方」ができる人の時代』著者)

スコット・ギャロウェイは知的で思慮深く、
皮肉屋でありながらユーモアにも溢れている。
要は「読者を魅了する天才」である。
――ジョアン・トンブラコス(ハフィントンポスト)

知識を得られる本はある。読んで楽しい本もある。
本書はその両方を満たす、きわめて稀な一冊だ。
――ジョーナ・バーガー(『インビジブル・インフルエンス 決断させる力』著者)

【著者紹介】
スコット・ギャロウェイ(Scott Galloway)
ニューヨーク大学スターン経営大学院教授。MBAコースでブランド戦略とデジタルマーケティングを教える。
連続起業家(シリアル・アントレプレナー)としてL2、Red Envelope、Prophetなど9つの会社を起業。
ニューヨーク・タイムズ、ゲートウェイ・コンピューターなどの役員も歴任。
2012年、クレイトン・クリステンセン(『イノベーションのジレンマ』著者)、リンダ・グラットン(『ライフ・シフト』著者)らとともに
「世界最高のビジネススクール教授50人」に選出。
Youtubeで毎週公開している動画「Winners & Losers」は数百万回再生を誇るほか、
TED「How Amazon, Apple, Facebook and Google manipulate our emotions
(アマゾン、アップル、フェイスブック、グーグルはいかに人間の感情を操るのか)」は200万回以上閲覧された。

著者のYouTubeチャネルです。

https://www.youtube.com/user/l2thinktank

四騎士を上手く表現しています。

  • Google
    彼はあらゆる質問に答えてくれる。そして私たちの「心の奥底の秘密」を暴く。私たちの思考は彼に既定され、やがて支配される。
  • Apple
    私たちは「美」に惹かれ、彼に近づく。しかしそれは「イケている自分」の演出にすぎない。そして彼の献金箱は巨万の富で満たされる。
  • Facebook
    彼は「認められたい」という私たちの渇望を利用し、人間関係のすべてを晒させる。彼はそれを記録し続け、私たちは丸裸にされる。
  • Amazon
    「楽をしたい」という私たちの本能を、彼は存分に満たしてくれる。気付けばもう、私たちは彼なしでは生きられない。
アマゾンはグーグルにとって最大の顧客だが、検索についてはグーグルにとっての脅威でもある。何かの商品を探している人の55%が、まずアマゾンで調べているのだ(グーグルを使う人は28%)(p.25)

いざ、商品の検索となるとamazonが優位に立つというのは興味深い事実です。

彼らがライバルに攻め込まれないようデジタルの高い壁を築くだけでなく、アナログの深い堀―敵の攻撃力を弱めるための現実のインフラ―をめぐらしていることを明らかにする。そうすることで、彼らは自分たちの市場を守っているのだ。(p.27)

まずは、「第2章 アマゾン」からです。

資本主義では消費者が王様であり、消費が何よりも高貴な行為である。そう認識することこそ、ビジネスの土台だ。したがって世界における国同士の立場は、消費者需要と生産のレベルで比較される。(p.38)
アマゾンが訴えかけるのは、より多くのものをできるだけ楽に集めようとする我々の狩猟採集本能だ。我々はものに強く惹かれる性質を持っている。洞窟に住んでいた大昔から、いちばん多く枝を集め、実を割るのに具合の良い石を持ち、「いつ穀物を植えるか、どのような動物が危険か」を子孫に伝えるため壁に絵を描けるきれいな色の泥を持っている者が、生き残る可能性が高かったからだ。(p.53)
アマゾンが安い資本を長期間にわたって手に入れられる理由は、ストーリー手リングの巧さにある。ストーリーテリングにより壮大なビジョンを描くことで、アマゾンは会社と株主の関係を作り直している。ストーリーは特にビジネスとITを扱うメディアを通して語られる。その多くはテック企業のCEOたちを新たなセレブとして持ち上げ、特にアマゾンはステージの中央でスポットライトを当てる。そうしてどんなときでも大きく扱う。これまで企業と株主との間の暗黙の了解は「我々に数年間と数千万ドルを与えてください・・・そうすればいずれ利益という形で資金を返せるようになります」ということだった。アマゾンはこの慣習を打ち壊して、ビジョンと成長を利益の代わりに提唱している。そのストーリーはシンプルで魅力的だ。(pp.62-63)
ストーリー:世界最大の店
戦略:低コスト、より多くの選択肢、より迅速な配送。
こうした消費者理解への巨額投資
このビジョンへ着々と向かっているおかげで、市場はアマゾンの株により高値をつけ、きわめて安い資本を提供している。大半の小売企業の企業価値は利益の8倍程度のところ、アマゾンは40倍である。(p.63)
アマゾンの革新的な資本配分は、実は何世代にもわたってビジネススクールで教えられてきたことだ。長期的な目標を見据えて、短期的な投資家のニーズは完全に無視する。(p.64)
  • 通常のビジネスの考え方
    歴史的な低金利で資金を借りられたら、株を買い戻して価値を上昇させる。リスクが高いのに、成長とそれにともなう作業になぜ投資する必要があるか?
  • アマゾンの考え方
    歴史的な低金利で資金を借りられたら、並外れて高額な配送コントロール・システムに投資するべきだ。それで我々は小売業界で鉄壁の地位を築き、競争相手の息の根を止めることができる。そうすれば我々はあっという間に大きくなれる。
新しい”マーケティング”とは何か。それは小さな思いつきで驚くほどの額の資本をつくり、自分たちを、”破壊者”だと演出する能力だ。それによって、深くなる目じりのしわにパニックを起こしている旧経済の企業に自社を売りつけることができる。(p.84)

続いて「第3章 アップル」です。

アップルは「製品の価格は高く、生産コストは低く」を実現した。・・・それができたのには3つの要因がある。大半のテック企業(特に消費者向け)に先駆けて製造ロボットを重視したこと。世界的なサプライチェーンを確立したこと。そしてサポートとIT専門家の力を背景に、小売業としての存在感を確立したことだ。この3つの要素により、アップルはあらゆるブランドや小売業の羨望を集めている。(p.146)
アップルは時間も費用も掛かるアナログな塀をより深くすることを選んだ。新規参入者が高い壁を越えるために、どんどん長い梯子を作り続けることを分かっていたのだ。グーグルとサムスンもアップルと同じ方へ向かっている。しかしその2社は、アップルストアの華やかさやつながり、宗教的なイメージをまねるのではなく、より性能の良い携帯電話を作ることを目指すだろう。デジタル時代に成功した企業はすべて、こう問いかける必要がある。大きくて高い壁のほかに、深い堀をどこに作るべきか。それは実行しようとすると高くついて、ライバル企業が渡るのに長い時間がかかる、昔ながらの防御策である。アップルはそれを見事にやってのけた。アップルは引き続き世界最高のブランド、そして店舗に投資している。(pp.149-150)

四騎士はそれぞれ、深い堀を作っている。

  • アマゾン:時間と大金をかけて100以上の倉庫の建設
  • グーグル:サーバー・ファーム
  • フェイズブック:マイクロソフトとともに大西洋の海底にケーブルを施設
四騎士はどんどん互いの領域へと踏み込んでいる。少なくとも2社か3社は、お互いの市場で競合している。それは広告であったり、音楽、本、映画、ソーシャル・ネットワーク、携帯電話であったり、最近では自動車であったりする。しかしアップルは高級ブランドとして独自の地位を確立している。これは大変大きな利点だ。多大な利益をもたらす競争上の強みとなっている。ぜいたく品であることがアップル・ブランドを他から切り離し、安さを競う激しい価格競争とは無縁の高みへと押し上げている。(pp.151-152)
アップルは世界中のどの企業よりも深い堀をはりめぐらしていると考えられる。ぜいたく品ブランドとしての地位によって生きながらえる可能性は高い。他の3社はハイテク競争集団の最強の雄であり、それほど長くは存在しないと思われる。その中にあって、アップルだけは死を逃れるかもしれない。(p.152)

「第4章 フェイスブック」です。

人は毎日35分をフェイスブックに費やしている。インスタグラムとワッツアップをフェイズブックの合わせると50分になる。これはネット接続している6分に1分、モバイル機器を使用している5分に1分に相当する。家族との時間、仕事、睡眠以外の行動で、それ以上の時間をかけるものはない。(p.158)
フェイスブックの影響力は未曽有のスピードで大きくなっている。それは私たちが切望するものが、フェイスブックにあるからだ。消費者の購買欲を高めるという面から見ると、フェイスブックが特に大きな影響を及ぼしているのは、マーケティングのファネルの一番上にある「認知(アウェアネス)」の段階だ。(p.159)
フェイスブックはアマゾンより漏斗の上部にある。フェイスブックは”何”を提案し、グーグルは”方法”を提示し、アマゾンは”いつ”それが手に入るかを教えてくれる。(p.160)
規模とターゲティング能力を併せ持っているメディア企業は、ファイスブックだけだ。フェイスブックの18億6000万人のユーザーが自分のページをつくる。そこには何年分もの価値ある個人的なコンテンツが収められている。広告主がある個人をターゲットにしたければ、フェイスブックがその人の行動に関連するデータを集めてくれている。それがグーグルを上回る利点であり、フェイスブックがグーグルのマーケットシェアを奪っている理由である。モバイルアプリも備えたフェイスブックは、いまや世界最大のネット広告の売り手である。ほんの数年前にグーグルが従来のメディアからあざやかに広告料を奪い取ったばかりのことを考えると、これは驚くべき業績である。(p.161)

この購買までのファネルの役割分担・・・確かにそうですね。ここまで握られていると全て丸裸ですね。ぞっとしてきます。

そして「第5章 グーグル」となります。

アップルは世界一革新的な企業と考えられている。アマゾンは最も評判のよい(どういう意味であれ)企業。フェイスブックはいちばん働きやすい企業だ。しかし私たちがグーグルに置く信頼には並ぶものがない。グーグルが現代の神と呼ばれる理由の1つは、グーグルが私たちの心の奥底にある秘密を知っているからだ。グーグルは透視能力を持ち、私たちの思考と意図の記憶をつける。・・・私たちはこのメカニズムに絶大な信頼を寄せている。グーグルへの質問の6つに1つは、これまで質問されたことのないものだ。(p.209)
アップル以前にもパーソナル・コンピュータがあり、アマゾン以前にもオンライン書店があり、フェイスブック以前にもソーシャル・ネットワークがあったように、グーグル以前にも検索エンジンはあった。アスク・ジープスやオーバーチュアがそうだ。一見どうということのない1つか2つの特長が同業他社との命運を分け、四騎士は世界の覇者となった。アップルⅡではジョブズのデザインとウォズニアックのアーキテクチャ。アマゾンなら評価とレビューシステム。フェイスブックなら写真。そしてグーグルのいちばんの特長と言えば、上品でシンプルなホームページと、検索結果が広告の影響を受けないオーガニック検索だった。(p.211)

さてここからは四騎士をまとめてのお話になります。

盗みは、成長スピードが速いテック企業のコア・コンピタンスである。・・・当然ながら、四騎士も最初から世界を支配する巨大な怪物だったわけではない。四騎士もまた、どこかの家のガレージや寮の部屋でアイデアを思いついたところから始まった。(pp.249-250)
騎士たちの罪は次の2つのタイプのペテンのどちらかに入る。1つ目は他の会社の知的財産を拝借―盗むという意味であることが多い―する行為。悪質なのはそれを本来とは別の目的に使って利益をあげ、稼いだところでその知的財産を保護する点だ。2つ目は他の誰かが築いた資産を使って、それを開発した人にはできないやり方で利益をあげることだ。1つ目のペテンは2つのことを示唆している。自分たちで革新的なアイデアを思いつかなくても、未来の騎士になれる可能性があること。そして自分たちに同じことを仕掛けようとする相手には、弁護士を立てて対抗すれば被害者にはならないことだ。2つ目のペテンからわかることは、いわゆる先行者利益が必ずしも利益にはならないということだ。ある業界のパイオニアが、うしろから撃たれることはよくある。四騎士たちもまた後発組だ(フェイスブックの前にはマイスペースが、アップルの前には最初のPCを開発した企業が、グーグルの前には初期の検索エンジンが、アマゾンの前には最初のオンライン小売業があった)。彼らは先行者の死骸をあさって情報を集め、間違いから学び、資産を買い上げ、顧客を奪って成長した。(p.251)
ベン・ホロウィッツ(実業家)、ピーター・ティール(起業家で投資家)、エリック・シュミット(グーグルの元CEO)、サリム・イスマイル(ヤフーの元バイスプレジデント)。彼らは、それぞれベストセラーとなった著作の中でこう述べている。ビジネスで大きな成功を収めるには、低コストでの大規模化が必要だ。それはクラウド・コンピューティング、バーチャル化、そして競争を通じて生産性を10倍に高めるネットワーク効果に力を入れることで実現できる。(p.267)
進化心理学の見地からすると、成功するビジネスはどれも、体の3つの部位のどれかに訴えかけるものだ。その3つとは脳、心、性器である。これらはそれぞれ人間の生き残り戦略の違う面を支えている。会社の指導者は、自分たちがどの領域にいるか―どの器官を刺激しているか―を知り、それに沿って戦略を練る必要がある。(p.268)
四騎士に共通する8つの要素がある。①商品の差別化、②ビジョンへの投資、③世界展開、④好感度、⑤垂直統合、⑥AI、⑦キャリの箔づけになる、⑧地の利。これらの要素からあるアルゴリズム、1兆ドル企業になるためのルールが生じる。(pp.289-290)

NEXT GAFAとして下記のような企業が挙げられています。

  • アリババ
  • テスラ
  • ウーバー
  • ウォルマート
  • マイクロソフト
  • Airbnb
  • IBM
  • ベライゾン/AT&T/コムキャスト/タイム・ワーナー

また個人が成功するために必要な内面的要素として次のことが挙げられています。

  • 心理的成熟
  • 好奇心
  • 当事者意識
  • 大学に行く
  • ブランド
  • 友人
  • フェアでない競争
  • 資格・証明
  • 何かを成し遂げた経験
  • 都市に出よ
  • 自分のキャリアを良く見せる
  • 新しいものを受け入れる
  • 株と計画
  • 会社とは「連続的単婚」を心がける
    →良い雇い主を見つけて新しスキルを学ぶ
    →上層部の支援を取り付ける
    →3年~5年はその会社の仕事に全力で打ち込む
  • 組織ではなく人に誠実に
  • 好きなことでなく得意なことでキャリアを築く
  • 不満を口にしない
  • 平均に回帰することを覚悟する
  • あなたのスキルを評価してくれる所へ行く
  • セクシーな仕事は儲けが少ない
  • 頑固さ
  • 助けを求める

非常に上手に四騎士についてまとめられていて、いろいろな発見がありました。今年度読んだ中でも上位に入る良書でした。

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