ハーバードメディカルスクール式 人生を変える集中力

ハーバードメディカルスクール式 人生を変える集中力

著者:ポール ハマーネス、マーガレット ムーア、ジョン ハンク … 

この本は、机の片づけ方やリスト作成法、効率的なスケジュール管理法などのヒントを教えることはしない!と冒頭で宣言しています。考え方の根本からの変化を処方してくれるとのこと。期待して読んでいきます。(Inobe.Shion)

「medical school」の画像検索結果

内容紹介

世界トップレベルの研究が行われている
ハーバード大学医学大学校で解明!

高度で複雑な脳のパフォーマンスを最大まで上げるきっかけは、実は「単純な行動」だった!

情報洪水の変化し続ける世界において、「注意散漫の病」に侵されていませんか?

□仕事をしようと喫茶店に入ってもスマホを見てしまう
□何かしようとして、「あれ?今何しようとしてたっけ」となる
□3つの仕事や用事を同時に進めようとした結果、1つも終わっていない
□そそっかしい単純ミスや忘れ物のせいで、能力を発揮できない
□整理整頓が苦手で、頭の中もぐちゃぐちゃ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ADHDの患者を治療しながら
脳と行動の関係について研究してきた医師のセオリー!
×
何万人ものクライアントの仕事や私生活を変えてきた
コーチングのプロによる実践的メソッド!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

実際の患者やクライアントのケーススタディを読みながら、「思考を整理する法則」の理論を理解し、実践方法を自分の生活にも取り入れられる!

誰だって、自分の脳を整理する方法がわかれば、
仕事も私生活もうまくいく人間に変わることができます。

●本質に集中できる
●生産性を上げて結果を出せる
●臨機応変に問題を解決できる
●感情に振り回されない
●やる気と自信が湧いてくる

やる気を引き出す一番良い方法は、変化を崇高な目的(心を揺さぶり、目に自然と涙が浮かぶような目的)と結びつけることだ。あなたが成功を収め、人生の目標や後世に残したい何かを達成し、世界をより良い場所にする上で、変化はどう役立つだろう。(p.82)
脳内に新たな回路を作る初期段階だけでなく、身につけた習慣を定着させる段階に至っても、やる気はジェット燃料のように変化の旅の推進力になってくれる。やる気という名の燃料タンクが空なら、到底成功は望めないだろう。(p.83)

これはそうだと思います。私も自己啓発本を燃料ではなく、「肥料」と呼び、時々読んではパワーアップの源に変えていっています。たまにこういうので肥しを得ないと、だらだらとしてしまう自分を律するのはなかなか難しいです。でもそれは本だけでなく、人と会うことも大きいし、そのほうが効果絶大なのでそういった仲間を作っておくのはさらに良いことでしょうね。

次に「やるべきかやらぬべきか」を迷ったときの対処方法が書かれています。

この問題を心理学では、意思決定バランスと呼ぶ。そんな心理状態に陥ったら、変化すべき理由を紙の左側に、変化すべきでない理由を右側に書き出してみよう。・・・変化すべき理由の方が明らかに優勢なら、先に進む準備ができている。別に、どちらが良いという問題ではない。(pp.83-84)
ポジティブ心理学という新たな学問分野の第一人者にして、数々の著書を持つバーバラ・フレデリクソンによると、脳が最高の状態で機能するには、ネガティブな感情1に対しポジティブな感情が3以上なければならないという。つまり成功するには、ポジティブな感情とネガティブな感情の比率が3:1でなければならない。(p.88)

こんな学問あったんですね。でも確かに1:1ではダメなのは分かりますが、それくらいポジティブが強くないとダメなんですね。数字で示されると納得です。

自分の感情を別の視点から眺め、ポジティブな感情を強めるコツを紹介する。ひとつの方法は、過去と和解することだ。特定の出来事をめぐりネガティブな気分になると(過去に起きたことに対し、自分や他人を許せない等)、その感情が雨雲のようにつきまとい、本人の気質のプラス面や生活上の明るい部分にまで影を落とす。自分の過去の行動に対し恥ずかしい、気まずいと感じると、ネガティブな感情が前向きな行動にブレーキをかける(p.89)

フレデリクソンは、ポジティブな感情の代表例を示している。(pp.90-91)

  • 変化という挑戦に対する、関心と好奇心を高める
  • 成功を収めた人から刺激をもらう
  • 全てに対し感謝の気持ちを抱く
  • 変化の旅の一瞬一瞬を味わう
  • 何かをやり遂げたときの誇らしい気持ちを大切にする。小さな前進も喜ぶ。
  • 早い段階で、得られた成果を称える。ネガティブな感情にとらわれるのは簡単だが、ポジティブな感情に目を向けるのは誰しも不慣れである。
  • 楽しむ。生活に前向きな変化を起こすのは、とても楽しいことでもある。遊び半分の挑戦ではなく、自分を変えたい真摯な理由があるとしても、だからといって変化の過程に喜びを見出せないわけではない。

希望と明るい見通しを抱かせてくれるビジョン作成プロセスについて説明してくれています。(pp.93-95)

ビジョンの記述 ビジョンとは、理想の自分を描いた説得力のある記述である。理想の自分は周りの目にどう映り、どう感じ、どう行動するだろう。
価値と動機 そのビジョンのうち、どの要素を一番重視するか。なぜそのビジョンを実現することが重要なのか。そこからどんなメリットが得られるか。
ギャップ 現状とビジョンの間にどれくらいの開きがあるか。それを縮めるには、どれくらいの時間がかかるか。
強み ビジョンの実現にどんな強みを活かせるか。過去の成功から学んだ教訓を、ビジョン達成にどう応用できるか。
課題 ビジョン達成に取り組む途上に、どんな課題に出会うと予想されるか。一番心配なことは何か。
戦略 その課題を乗り越えるには、どんな戦略が効果的か。
サポート ビジョンを実現し課題を克服するため、どんな人に協力を求め、どんな資源、制度、環境を利用できるか。
自信 ギャップを縮め、ビジョンを実現する自信がどれくらいあるか。絶対に自信がある場合は10、自信がない場合は0、0~10で評価してみよう。
心の準備、やる気 ビジョンに向け第一歩を踏み出す用意はできているか、やる気はあるか。
最初の一歩 最初の一歩として何をしたいか。

思考を整理する6つの法則が挙げられています。またすっきりとまとめられていますので、そのまとめを見ていきましょう。

まず「思考を整理する6つの法則」とはつぎの6つです。

①動揺を抑える
②集中力を持続する
③ブレーキをかける
④情報を再現する
⑤スイッチを切り替える
⑥スキルを総動員する

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

①動揺を抑える

効果的なデキる人間は、自分の感情を意識しコントロールできる。不安・悲しみ・怒りといった、心の動揺を素早く手なずけられれば、それだけ早く仕事を終えられ、気持ちよく過ごすことができる。

具体的にどうするか

  • 生活の中で平静と動揺のパターンに気づく
  • とにかく行動する
  • 興奮状態の根本的な原因を探る
  • 外的な原因を排除する
  • どう対応するかは、自分で選べる
  • やる気の炎をかき立てる
  • 思いついたアイデアを試してみる
  • 動揺を抑えるスキルを身につける
  • 自分の小さな進歩をほめる

 

②集中力を持続する

集中力は、思考の整理に欠かせない土台である。自分のやるべきことに注意を向けるための、目的志向型の集中力を高める必要がある。

具体的にどうするか

  • 自然に集中できることを見つける
  • フロー体験を存分に味わう
  • 今この瞬間を意識する時間を作る
  • 自分の強みを理解する
  • 何事もフロー体験に変える
  • 集中した後は一定のスパンで脳を休ませる
  • 些細なことを満ち足りた体験に変える
  • 余計な刺激への対処法を学ぶ
  • 瞑想など集中力を鍛えるトレーニングをする
  • 時にはぼんやりする

 

③ブレーキをかける

外部からの刺激に対する反応と衝動を抑制する。脳のブレーキ機構を使いこなすことで、やるべき作業に集中できる。人間は抑制を通じて周囲に適応し、今やる必要がない行動を中止できる。

具体的にどうするか

  • 思考と感情の力を合わせる
  • 理性と感情を対話させる
  • 自分を知る
  • 運動、睡眠、栄養でエネルギー不足を防ぐ
  • 日常のピンチを訓練として活かす
  • 深呼吸などの自分なりのブレーキのかけ方を見つける
  • 衝動と向き合い仲良くする

 

④情報を再現する

脳には、新たに仕入れた情報が目の前から消えても、その情報を脳内に再現しそれを処理する能力がある。これには脳内の作業スペースというべき作業記憶が関わっている。この記憶は仕事だけでなく日常生活のあらゆる場面で必要とされるとても実用的なものだ。

具体的にどうするか

  • しっかり睡眠をとる
  • 寝る前に覚える、反復する
  • 普段読まない類の本を読むなど、新しいことを学ぶ
  • メモに書き留める
  • 誰かと議論する
  • 身振りを交えてしゃべる
  • ウォーキングなど定期的に運動する

 

⑤スイッチを切り替える

脳は同時に2つ以上のことを進めるマルチタスクには向いていない。むしろ、一つの物事に深く集中する一方、早急な対応が必要と判断したら素早く注意を転換し、新たな対象に前と同じだけの集中力を発揮する力、注意喚起能力を備えている。

具体的にどうするか

  • 思考のフットワークを軽くする
  • 意識的にサイロを破壊する
  • ストレッチなどで体を動かし頭をすっきりさせる
  • 新たな状況の良いところを探す
  • 適切な判断をする
  • マルチタスクをしない
  • 自信を持って新たなチャンスに飛び移る

 

⑥スキルを総動員する

思考を整理する法則①~⑤で学んだスキル全てを実践し連携させることで、脳の資質を最大限生かし、目の前の問題を解決することができる。

具体的にどうするか

  • 自信がある得意な分野一つから始める
  • 信念を持つ
  • 何でも挑戦と考える
  • 人生の絶え間ない変化を受け入れる
どんな技術が登場し将来何が起きようと、自分自身や自分の目標、夢に嘘をついてはいけない。その目標が当面の予定であっても、今週、この1年、あるいは今後10年間の計画であっても同じことだ。その姿勢さえ忘れなければ、いつでもスイッチを切り替えて、新しい貴重なチャンスを受け入れることができる。それこそが、21世紀型の整理された思考の特徴なのだ。(p.328)

「思考を整理する6つの法則」をマスターできるよう、常に心がけていたい。またその逆だと言えるかもしれませんが、「うまくいかない人の悩みトップ10と解決法」(pp.336-339)も掲載されていて、これがなかなかおもしろい。どんなトップ10かを紹介しておきましょう。解決法はまた本書を読んでみてください。

  1. うっかり癖
  2. すぐに気が散る
  3. 散らかってしまう
  4. 集中できない
  5. いつも遅れてしまう
  6. 同時進行できない
  7. いつまでも足踏み状態
  8. 疲れ果てている
  9. 効率が上がらない
  10. 破滅寸前

なかなか興味深いでしょ。特に最後の「破滅寸前」。ここまで来る前に自覚できるのがいいのですがなかなか気づけませんから、周りも気づいてあげられるようにしたいですね。

(気に入ったら投票をお願いします!)

にほんブログ村 経営ブログへ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください