著者:テオ・コレイア…
「最高の体験と利便性を探求するデジタル時代の成長戦略」というサブタイトルです。著者は、アクセンチュアの消費財に30年近い実績のあるシニア・マネジング・ディレクター。特にデジタル戦略や組織改革に詳しいとのこと。読んでいくのが楽しみです。(Inobe.Shion) |
内容紹介 神出鬼没で実体の見えない消費者を獲得せよ! ブランドへの忠誠心が低い、デジタルを駆使して情報を収集する、移り気だが気に入った製品・サービスは積極的に広める――神出鬼没で気まぐれ、つかみどころがない「液状消費者」。 そんな新時代の消費者が市場を圧倒し、今後の消費動向のカギを握る。「液状消費者」の行動特性・心理特性を深く捉え、企業経営やブランディングに及ぼす影響・対応を提言。 なかでも特徴的な日本の「液状消費者」と対峙するための考察を追加章として収録。激変する「消費者主役」のデジタル時代を生き抜く指南書 ――水野明人氏(ミズノ代表取締役社長) 「液状化する消費者」を捉えた企業が市場を制する。そのヒントが詰まった必読書 ――泉谷直木氏(アサヒグループホールディングス代表取締役会長兼CEO)日本での消費者動向や企業事例を考察した特別章を収録 日本における液状消費者の特徴、彼らを生み出した背景、液状消費者と対峙するための日本のアドバンテージなど多くの事例をもとに解説 内容(「BOOK」データベースより) |
ここのところの自分も含めた消費者を考えると、確かに次のようなことが言えるのが分かります。
2015年に出版された『サーキュラー・エコノミー・デジタル時代の成長戦略』においても、アクセンチュアが毎年実施している世界的な消費者調査の結果のもとに消費者側の価値観に大きな変化が起きつつあり、先進国の消費者における「無関心化」が顕著になってきていることに言及している。これまでは、情報の質と量の充実により自分が欲しいものを十分に比較・検討できることによって「わがままな消費者」の増加が顕著であったなか、自分で能動的に比較・検討するのが嫌で、自分が何を欲しいのかや自分に何がフィットするかも他人に教えてほしいと考える「無関心な消費者」が増加しているというのだ。(pp.3-4) |
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そういえば何かの本か記事で読みましたが、これからは、消費者は何が欲しいかわからなくなっているので、新しい「プロダクト・アウト」の時代になっているというのです。
実際、『サーキュラー・エコノミー』では、商品(モノ)には無関心な一方で、利用するシーンや体験(コト)、さらには自分が手にする価値については大きなこだわりを持つ「わがまま化」が台頭してきていることも示しており、実用性や体験の追求が消費者にとってより需要になるという本書の提言に通じる背景だと言えるんだろう。(p.5) |
今までのように企業の広告をかたくなに信じて、ブランドを重視するロイヤルカスタマーが無関心化により減っていく一方で、共感に値する商品やサービスはもちろんのこと、それを提供する背景にある企業の理念や哲学を含めたメッセージやストーリーも非常に重視されるだろう。(pp.5-6) |
激動の時代において、ブランド構築をいかに意識的に目的を持って行うべきかを考えるには、まず液状消費者の行動を客観的に観察し、深く理解しなければならない。私たちの多くも液状消費者なので、彼らについては良く知っていると思いがちだ。だが、鏡に映った自分を見て役立つ知識を得られることなどめったにない。私達にはより広い視野と、より高くからの俯瞰が必要なのだ。(p.29) |
液状消費者を一人満足させても、すべてを満足させたことにはならない。また、すでに述べたように、今日ある人を満足させたとしても、明日も同じ人を満足させられるとは限らない。彼らにサービスを提供しつつ利益を出すという難題を解決するための、決まった答えはないのだ。だが、1つ確かなことがある。それは、こうした消費者を効率的に理解し、今もこれからも彼らの要求を満たしたり上回ったりするのために消費財メーカーはデジタル技術を利用しなければならないということだ。(pp.33-34) |
タイトルが「気まぐれ消費者」でありますが、本文では「液状消費者」として出てきます。確かに原題も「The Fluid Consumer」なので、確かに液状なんですが、読んでいると少し疲れます。こういう書き方は読者を疲れさすので、無理になじみのない言葉を使うのはリーダーフレンドリーではない気がします。
このあと、液状消費者について、さらに考察をしていくのですが、「液状消費者」という言葉に疲れない方はお手に取られてみてはいかがでしょうか。
私はダメ・・・でした。読むの体力いります。