スタンフォード式 最高の睡眠

スタンフォード式 最高の睡眠

著者:西野精治…

ここ数年、ショートスリーパーでずっときていますが、「最高の睡眠」ではないと思うので、この著作が言う「最高の睡眠」と「私の睡眠」がどれだけ違うかを比較していきたいと思います。(Inobe.Shion)

 

メディア掲載レビューほか
「睡眠負債」を返済せよ ポイントは入眠直後の“黄金の90分”睡眠研究の総本山・スタンフォード大学で長年研究を続ける著者。本書はその日本語による初めての著作だ。「睡眠医学」の最先端を詰め込んだ内容が多くの読者に受け入れられている。中でも大きな反響を巻き起こしたのが、NHKスペシャルでも取り上げられた「睡眠負債」という概念だ。スタンフォードの研究者は「睡眠不足」ではなく、代わりにこの言葉を用いる。睡眠時間の短さはその場限りの問題ではなく、累積して恐ろしいダメージを人体に与え、回復するには不足分の何倍もの睡眠時間を必要とする。悪徳金融も驚く高金利の「負債」なのだ。

しかし本書は、飲酒を禁止するなど、現実味のない改善策を読者に求めない。

「もともと忙しいビジネスパーソンをターゲットに想定して作った本です。『とにかく睡眠時間を確保しましょう』といったおよそ実行できない助言ではなく、比較的試しやすい提案をお願いしました」(担当編集者の梅田直希さん)

著者が示すのは、〈黄金の90分〉という入眠直後の睡眠の質に拘るメソッドだ。入浴等で入眠し易いように体温をコントロール。睡眠前の行動をルーティン化し、脳を興奮させない。科学的な理論に基づくノウハウが丁寧に語られる。

「書名に『最高』と入れたからには、続編は今のところまだ考えていません。現時点での睡眠に関する本の決定版だと自負しています」(梅田さん)

評者:前田 久

(週刊文春 2017.07.27号掲載)

内容紹介
☆TBS『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(9/15 OA)の「睡眠負債特集」に著者出演!
「睡眠負債ブーム」はこの本から始まった! !
☆続々重版! 27万部突破! !
☆TBS『新・情報7daysニュースキャスター』(9/30 OA)でも話題の1冊として紹介!
☆TBS『王様のブランチ』(9/16 OA)BOOKコーナーにて堂々ランクイン!
☆テレビ東京『主治医が見つかる診療所』(9/11 OA)にて徹底紹介!
☆朝日放送『ビーバップ! ハイヒール』(9/7 OA)『おはよう朝日です』(9/12 OA)で特集され、関西で話題沸騰!
☆テレビ朝日『林修の今でしょ! 講座』(7/25 OA)に著者、まるまる1時間出演で大反響!
☆NHKスペシャル『睡眠負債が危ない』(6/18 OA)で特集!
☆テレビ朝日『グッド! モーニング』(6/28 OA)でも著者コメントと書籍、紹介! !
☆今話題の「睡眠負債」、その原因と対策について徹底解説!
たった「40分の睡眠負債」を返すのに、○週間必要! ?
いま一番「睡眠負債」についてよくわかる、睡眠本の決定版! !

世界の睡眠医学をリードし、数多くの睡眠研究者を輩出していることから
「世界最高」と呼ばれるスタンフォードの睡眠研究。

そのトップを務める日本人が、
「究極の疲労回復」と「最強の覚醒」を実現する
超一流の眠り方を初公開!

「寝ても疲れがとれない」
「寝つきが悪い」
「朝、起きれない」
といった睡眠の悩みを一挙解決!

会議や授業中など、「寝てはいけないときに眠くなった」ときの
超科学的な対策も伝授!

(本書の主な内容)
◎世界一の睡眠研究所はスタンフォードにあった!
◎「好きなだけ」寝ても、寝不足解消には3週間かかる!
◎なぜ、日本は世界一「睡眠偏差値」が低いのか
◎植物も眠っている! ?
◎夢はたくさん見たほうがよかったという新事実!
◎こんな夢をみたときは要注意!
◎「寝る前に目薬をさす」と目がよくなる?
◎「○○風呂」なら、もっとぐっすり眠れる!
◎「羊が1匹、羊が2匹…」日本語で数えるのはまったく無意味!
◎就寝直前は、脳が眠りを拒絶している! ?
◎「夜の冷やしトマト」で睡眠力アップ!
◎「運動しない人」ほどよく眠れる! ?
◎ランチは「食べても」「抜いても」眠かった!
◎「○○を持つ」と目が覚める! ?

など、眠りにまつわるすべてをこの1冊に集約!

睡眠にまつわる悩みもストレスも、「量の確保」では解決しない。たくさん眠ったところで、最高の睡眠は得られないのだ。(p.7)

たくさん眠ることが、必要十分条件ではないということ。かといって、もちろんショートスリーパーがいいとは書かれていません。そして質を高めるための必要十分条件が後ほど登場します。

睡眠と覚醒(パフォーマンス)はセットになっている。脳・精神・体のコンディションを整える質の良い睡眠をとれば、仕事でも勉強でもパフォーマンスの高い一日が送れるし、単に量を求めてだらだら眠ったら、調子が崩れてしまう。また、日中調子が良く、成果を出すような活動をすれば、その分脳も心も体もハードに使うため、一日を終えたら効果的なメンテナンスとなる睡眠が必要だ。(p.8)

「疲れたらしっかり寝ること。」これは当たり前。でも当たり前のことをきっちりしていくことこそが大切なこと。

眠っている間に、私たちの脳や体では、さまざまな営みが行われている。朝、起きた時にベストな状態になるよう、睡眠中の脳と体の中では、自立神経や脳内化学物質、そしてホルモンが休みなく働いているのだ。眠っている間の脳と体の働きをベストなものにして、「睡眠の質」を徹底的に高め、最高の覚醒を作り出す。これこそが「最高の睡眠」である。(pp.8-9)
レム・ノンレムの周期に関わらず、睡眠の質は、眠り始めの90分で決まる。「最初の90分」さえ質が良ければ、残りの睡眠も比例して良質になるのだ。逆に最初の睡眠でつまずいてしまうと、どれだけ長く寝ても自律神経は乱れ、日中の活動を支えるホルモンの分泌にも狂いが生じる。どんなに忙しく時間がなくても、「最初の90分」をしっかり深く眠ることができれば、最高の睡眠がとれるといっていい。(pp.9-10)

このあとずっと出てくるのが「最初の90分」です。この最初の90分こそが、1日の眠りの質を決める最重要な要素、必要十分条件だと著者はおっしゃっております。

睡眠負債によるマイクロスリープの大きな問題は、ほんの数秒であるがゆえに、本人も周囲も気がつかない点にある。・・・睡眠負債によるマイクロスリープには予兆もなく、薬を飲むといった対策もとられない。「ただの寝不足だから大丈夫」という認識で押し切ってしまうのだ。(p.30)

確かに私もこれは何度もあります。これは良くないんですね。確かに車の運転中などは非常にやばいですね。そう思うと私もずっとショートスリーパーだと思っておりましたが、やはり日中眠いことは否めません。きっちりと睡眠の質の改善に取り組まないといけないレベルだと思われます。

あなた自身、毎日4~5時間の睡眠でも健康に過ごしているだろうか?頭は冴えているし、反応も敏捷だろうか?もしそうなら、無理にたくさん眠る必要はない。ショートスリーパーの遺伝子を持つ可能性が高いからだ。だが、短時間睡眠が続くとつらいという人は、ショートスリーパーではないだろう。「ああ、毎日寝不足だ。週末は寝だめするぞ」と感じているなら、それは脳からのSOSサイン。睡眠負債が雪だるま式に膨らんでいるかもしれない。(p.40)

4~5時間でしたら、充分ですね。となると、やはり私はショートスリーパーなんでしょうかね。ずっと3時間が普通でやっていますから。でもホントは寝たいですけどね。

手っ取り早い解決策として、「日頃の寝不足を、土日の寝だめで解消しているから大丈夫」と言う人もいる。しかし実際のところ、ほとんど解消されていない。睡眠をお金として考えてほしいと述べたが、お金の負債は返せても、睡眠負債はなかなか返せないのだ。(p..48)

この「負債」という考え方は斬新です。そう簡単に取り戻せない代物・・・にもかかわらず、いい加減に扱っていることに対する警鐘だと思います。本文にも書かれていましたが、一流のアスリートにしろビジネスパーソンにしろ、睡眠については真剣に考え、対策を取っているということですからね。

週末の寝だめごときで、睡眠負債は解決しない。「好きなだけ寝ろ」と言われたところで、眠れないし、そもそも眠りはためられない。つまるところ、睡眠の問題を「時間」でコントロールするのは難しい、となる。(pp.50-51)
睡眠メンテナンスで意識したいのが、「最初のノンレム睡眠」をいかに深くするかということ。ここで深く眠れれば、その後の睡眠リズムも整うし、自律神経やホルモンの働きも良くなり、翌日のパフォーマンスも上がる。つまり、入眠直後のもっとも深い眠りの90分が、最高の睡眠の鍵を握っているのだ。(pp.55-56)

「最初の90分」・・・ここですね。ポイントは。

長く起きていると「眠りたい」という睡眠欲求(睡眠圧)が高まってくるが、最初のノンレム睡眠でその睡眠圧の多くが解放されることもわかっている。黄金の90分の質を高めれば、すっきりした朝を迎えられる。昼間の眠気も消える。さらに「しっかり寝たはずなのに、疲れが取れない」こともなくなる。(pp.56-57)
逆にいうと、「寝る時間がない」なら、絶対に90分の質を下げてはならない。眠りはもちろん、翌日のパフォーマンスまで、シルバーやブロンズ鉄くずになるだろう。(p.57)
ひとつ断っておきたいのは、ショートスリーパー以外の普通の人は、最低でも6時間以上眠るのがベストだということだ。「時間にはとらわれないでほしい」といったが、この「6時間」は確保していただけると、睡眠学者としてもうれしい。(p.58)
良く寝るだけでは、パフォーマンスは上がらない。逆に言うと、理想通りに睡眠時間を増やすことは不可能でも、眠り方を変えることで睡眠の質が高まり、覚醒時のコンディションが整うばかりか、パワーも増大するということだ。(p.59)

以下は、改めて、睡眠が遂行するミッションとありますが、要は「睡眠の恩恵」です。これらをしっかりと認識することがまず第一歩です。睡眠による恩恵を取りこぼすと、結局は「負債」になるということになります。

睡眠が遂行するミッションは、おもに次の5つだ。
睡眠ミッション① 脳と体に「休息」を与える
夜になったらスムーズに副交感神経優位の状態に交代しないと、寝つきが悪くなり、眠りが浅くなる。やがて自律神経のバランスが崩れると、体温や腸管の働きなど、根本的な体の機能もすべておかしくなることに。眠りの始めのもっとも深いノンレム睡眠が出現する黄金の90分で、しっかりと副交感神経優位に転換し、脳と体を休ませることが、最高の睡眠の第一ミッションである。(p.71)
●睡眠ミッション② 「記憶」を整理して定着させる
睡眠と記憶については、複数の学者の報告から、次のような概念が提唱されている。
・レム睡眠中、エピソード記憶(いつどこで何をしたか)が固定される。
・黄金の90分で訪れるノンレム睡眠は、イヤな記憶を消去する。
・入眠初期や明け方の浅いノンレム睡眠では、体で覚える記憶(意識せずに覚えられる記憶)が固定される。
また、最近では、入眠直後の最も深いノンレム睡眠のときに、海馬から大脳皮質に情報が移動し、記憶が保存されるという報告もある。このことからも、記憶にとって睡眠が欠かせないことがわかる。(pp.71-72)
●睡眠ミッション③ 「ホルモンバランス」を調整する
良い眠りは、生活習慣病の改善にもつながることは研究で分かっている。とりわけグロースホルモン(成長ホルモン)は、黄金の90分に最も多く出る。大人の場合、このホルモンのおかげで筋肉や骨は強くなり、代謝が正常化される。グロースホルモンと構造が近い、生殖や母性行動に関与するプロラクチンも最初のノンレム睡眠で多く分泌される。皮膚の保水量は睡眠で上がるのだが、これは肌の水分が、睡眠と密接につながっている「性ホルモン」や「グロースホルモン」の影響を受けるからである。(pp.73-74)
●睡眠ミッション④ 「免疫力」を上げて病気を遠ざけている
睡眠が不適切になると、ホルモンバランスが崩れ、免疫の働きもおかしくなる。また、リウマチなどの自己免疫疾患やアレルギーは、天候など様々なものがトリガーとなるが、免疫機構とも大きくかかわっている。つまり、睡眠時の免疫増強がきちんと働いていないと、アレルギーが悪化する危険もあるのだ。(pp.74-75)
●睡眠ミッション⑤ 「脳の老廃物」をとる
脳は直接、頭蓋骨に収まっているわけではない。「脳脊髄液」という保護液に浸かっているので、転んで頭を打っても、脳が骨に直接ぶつかって傷つかずにすむのだ。小さな「脳のプール」ともいえる脳脊髄液はおよそ150cc。1日4回、600㏄ほど入れ替わっている。新しい脳脊髄液が出て、古いものが排出されるとき、脳の老廃物も一緒に除去されるというエビデンスがある。脳の老廃物自体は、神経細胞が活発である覚醒時にたまる。日中の覚醒時にも「たまった老廃物除去」はおこなわれているのだが、それだけでは追いつかない。なおんで、就寝時にまとまったメンテナンスが、脳からしても必要なのだ。・・・脳の老廃物の排泄がうまくいかないと、アルツハイマーに限らず、長期的に脳のダメージにつながることは確かだ。(pp.75-76)

この5つ、改めて列挙します。
・睡眠ミッション① 脳と体に「休息」を与える
・睡眠ミッション② 「記憶」を整理して定着させる
・睡眠ミッション③ 「ホルモンバランス」を調整する
・睡眠ミッション④ 「免疫力」を上げて病気を遠ざけている
・睡眠ミッション⑤ 「脳の老廃物」をとる

たしかにレム睡眠の時、私たちは夢を見る。だが、ノンレム睡眠中もかなり夢を見ることが、実験で分かっている。夜、私たちは常に夢の世界にいるのだ。・・・夢の内容を記述してもらったところ、レム睡眠はストーリーがあって実体験に近い夢、ノンレム睡眠は抽象的で辻褄が合わない夢が多いことがわかった。(p.79)

確かに辻褄の合わない夢、よく見ました・・・。そう、最近夢を見ないんですよね。ショートスリーパーになってからはほとんど夢は覚えてないですね。

スリープサイクルはかなり個人差があるため、実際の1周期はおよそ90~120分と幅がある。そこで、「睡眠時間は120分の倍数が良い」としている研究者もいる。したがって、起きるタイミングも個人の睡眠周期によって異なるのだ。なので、巷でいわれているように「90の倍数の時間眠る」ことにはそこまでとらわれる必要はないと、私は考えている。ただ、共通していえることは、第1周期には深いノンレム睡眠が約70~90分出現し、「入眠時から90分の睡眠」が確保できれば深いノンレム睡眠が十分とれるということ。これが黄金の90分の根拠だ。(pp.101-102)

結局、「黄金の90分」に尽きるんですね。

最初の90分が「黄金」になる三大メリット
メリット① 寝ているだけで「自律神経」が整う
入眠して眠りが深まっていくとき、交感神経の活動が弱まり、副交感神経優位になる。「活動系は交換神経、休息系は副交換神経」という自律神経の役割交代がスムーズに進むと、脳も体もリラックスし、しっかり休息をとることができる。レム睡眠に入ると、脳波は覚醒時と近い波形を示し、交感神経の活動が活発になって呼吸や心拍が不規則に変化する。自律神経は、呼吸、体温、心臓や胃腸の働きなど、生命を維持するために欠かせないものであり、自律神経の不調は体ばかりか心の病気の原因にもなる。頭痛、ストレス、疲労感、イライラ、肩こり、冷え性など、「何となく調子が悪い」という違和感の根っこには、自律神経の乱れがあることが多い。(p.103)メリット② 「グロースホルモン」が分泌する
最初の90分を深く眠れば、グロースホルモンの80%近くは確保できることになる。(p.106)

メリット③ 「脳のコンディション」が良くなる

最初の90分にどれだけ神経を注ぎ込めるか、これによってこのメリットの享受がどれくらいかが決まります。

夜のうちにどうしても資料を作らないとというような場合、私がおすすめするのは、眠気があるならまず寝てしまい、黄金の90分が終了した最初のレム睡眠のタイミングに起きて、資料作りに取り掛かるという作戦だ。最初のレム睡眠も入れてわずか100分ほどしか寝ていないとはいえ、深く眠れていれば質は確保される。また、最初にレム睡眠がやってくるタイミングは人によって多少違ってくるので、アラームをセットするならば「90分後」と「100分後」(ないし「110分後」)の2つをおすすめする。この場合、睡眠量は明らかに不十分。質の面では、「最低条件化の最大限のメリット」を得られることになる。眠った時間の「100分」は、その後の効率アップで確実に元がとれるだろう。(pp.107-108)

あぁ、やはりこの方法ですね。でもこれなかなか難しいんですよね。

一方、眠気をこらえて明け方4時ごろに資料を作り終えて「せめて7時までの3時間寝よう」というのもよくある話だが、この場合、目が冴えてなかなか眠れない。集中していた脳は興奮している。入眠のタイミングを逃しているから、仮にすぐ眠れたとしても、この時間では90分は出現しない。また、サーカディアンリズムの働きで、朝が近づくにつれ、体は起きる準備を始める。明け方に「脳が活性化し、交感神経が高まる」レム睡眠が多くなることはすでに説明した。「明け方に深い眠りをとる」というのは、地球に逆らうやり方なのだ。(p.109)
良質な眠りは最高のパフォーマンスをもたらすだけでなく、ケガや事故の予防にもなる。一流のアスリートでも軍人でも、ケガや事故は命取りだ。24時間過酷な状況で体と頭を整えるには、睡眠をとるしかない。ただし睡眠量は望めないから、質でしか対処できない。日中のパフォーマンスには体温と睡眠が大切で、両者は密接に関係している。(p.124)
覚醒時の深部体温は皮膚温度より2℃ほど高いが、睡眠時は深部体温が0.3℃ほど下がるため、差は2℃以下に縮まる。皮膚温度と深部体温の差が縮まったときに入眠氏や牛という研究データが1999年に『Nature』で発表されている。大切なのは皮膚温度と深部体温の差を縮めること。そのためにはまず、皮膚温度を上げ、熱放散して深部体温を下げなければならないのだ。(p.128)

ここからのポイント、しっかり身につけたいですね。

体温も「上げて(オン)/下げる(オフ)」のメリハリが大切だと覚えておこう。
①覚醒時は体温を上げてパフォーマンスを上げる(スイッチオン)。
②皮膚温度を上げて(オン)熱放散すると、深部体温は下がり(オフ)入眠する。
③黄金の90分中はしっかり体温を下げて(オフ)、眠りの質を上げる。
④朝が近づくにつれて体温が上昇し(オン)、覚醒していく。
このメリハリがあれば、最初の90分はぐっと深くなり、すっきりと目覚められる。日中の体温も上がり、眠気もなくパフォーマンスが上がる。(pp.128-129)
睡眠クオリティを上げる3つの「体温スイッチ」
体温スイッチ① 就寝90分前の入浴
入浴で深部体温を意図的に上げれば入眠時に必要な「深部体温の下降」がより大きくなり、熟眠につながる。0.5℃上がった深部体温がもとに戻るまでの所要時間は90分。入浴前よりさらに下がっていくのはそれからだ。つまり、寝る90分前に入浴をすませておけば、その後さらに深部体温が下がっていき、皮膚温度との差も縮まり、スムーズに入眠できるということだ。(pp.131-132)
40℃未満のぬるいお風呂に15分より短い時間入った場合は、深部体温0.5℃も上がらないし、元に戻るまで90分もかからない。ゆえに「忙しくて、寝る90分前に入浴を済ませるなんて無理だ!」という人は、深部体温が上がりすぎないように、ぬるい入浴かシャワーですませよう。(p.133)
体温スイッチ② 足湯に秘められた驚異の「熱放散力」
「時間がないならお風呂よりシャワー」と書いたが、シャワーよりも効果的な即効スイッチがある。それは「足湯」。(p.136)
体温スイッチ③ 体温効果を上げる「室温コンディショニング」
温度が高いと湿度も高い場合が多い。湿度が高すぎると発汗しなくなり、手足からの熱放散を妨げられ、眠りが阻害される。(p.141)

これらの体温スイッチのコントロールを身につけておきたいですね。

睡眠と覚醒はセットになっている。朝起きてから眠るまでの行動習慣が最高の睡眠を作り出し、最高の睡眠が最高のパフォーマンスを作り出すのだ。これが、覚醒と睡眠の「良循環」である。(p.170)
覚醒と睡眠が表裏一体である以上、朝ぐずぐずと寝坊をし、一日を眠気とともに過ごし、悪影響を及ぼすような昼寝をすると、夜になっても睡眠雄スイッチが入らない。入眠潜時が長引いてなかなか寝付けず、眠ったところで浅く、黄金の90分を逃してしまい、睡眠全体の質が下がる。そして、翌朝、起きられない・・・まさに悪循環だ。(p.171)
ビジネスパーソンの大多数も、おそらく脳の活動が過剰になっている。夜になっていきなり「さあ、脳を休ませて寝よう」とは、なかなかならない。だからこそ、あなたが今、睡眠に悩んでいるのなら、朝からの覚醒行動を変えていこう。(p.171)
現時点でも、理論を応用すれば「覚醒スイッチ」を特別な道具を使わなくてもオンにすることは十分可能だ。科学的に根拠があり、かつ良睡眠の効果が期待できる覚醒のスイッチのオン・オフ法を紹介するので、意識して取り入れてほしい。そしてその鍵は、2つの覚醒のスイッチを押すことである。2つのスイッチ、それは「光」と「体温」だ。(p.174)
地球のリズムに影響を受けず、生物固有の体内時計でのみ生きるこのような状態は「フリーラン」状態と呼ばれている。人間の場合、光がまったくないとまともな生活ができず、発狂する可能性があるので軽作業ができる程度の薄明かりで同じ「フリーラン」実験を行う。そのため、光の影響を完全に除去できず、よく「人間の体内リズムは25時間」と言われていた。しかし、今は「24.2時間」と、それより短いと考えられている。(pp.175-176)

さて、いよいよ睡眠レベルをさらに高める「スタンフォード覚醒戦略」になります。

覚醒戦略① アラームは「2つの時間」でセットする
私が推奨するのは、「起床のウィンドウ(余白)」を作る方法。具体的には、アラームを2つの時間でセットするというものだ。手順はごくシンプルで、仮に7時には絶対に起きなくてはいけないとしたら、6時40分と7時の2つの時間にアラームをセットする。6時40分から7時までの20分を「気象のウィンドウ」とするのだ。朝方であれば、レム睡眠の時間は長くなっているし、20分前後で「ノンレム→レム」の切り替えが行われている。このタイミングを狙う作戦だ。実行にあたっては、1回目のアラームは「ごく微音で、短く」セットすることを心掛けてほしい。というのも、レム睡眠時は覚醒しやすいので、小さな物音でも目覚めやすい。小さい音でアラームに気づければ、「レム睡眠で起きられた」ということなので、目覚めは良いはずだ。(pp.178-180)
覚醒戦略② 「眠りへの誘惑物質」を断捨離する
ベッドから出たら、天気にかかわらず朝の光を浴びる。これは何があっても欠かしたくない行動習慣だ。ごくシンプルだが、効果はとてつもなく大きい。
覚醒戦略③ 「裸足朝活」で覚醒ステージを上げる
朝は感覚を刺激し、すっきりと覚醒しよう。家の中ではスリッパを履いている人が多いと思うが、起き抜けはあえて裸足にしてみるといい。これは単純だが2つの効果が期待できる。1つは床にじかに触れることで皮膚感覚を刺激して、上行性網様体を活性化させること。もう一つは、裸足で皮膚温度を下げ、サーカディアンリズムで自然に上がっている深部体温と皮膚温度の差をさらに広げること。「皮膚温度と深部体温の差が縮まると眠くなる」という性質を逆手に取るのだ。(pp.186-187)
覚醒戦略④ 「ハンドウォッシュ」メソッドで目を覚ます
朝、起きたら顔を洗う。誰もが当たり前にしていることだ。しかしこれも、ちょっとした工夫で覚醒のスイッチがしっかり入る。まず脳を目覚めさせるために、手を冷たい水で洗う。朝は深部体温が上がっている状態なので、手を水につけることで、深部体温と皮膚温度の差を少しでも広げるのが狙いだ。(p.187)
覚醒戦略⑤ 「咀嚼力」で眠りと記憶を強化する
朝食には、体温を上げ、一日のリズムを整えて活動を始めるためのエネルギー補給という役割がある。朝食には、体温を上げ、一日のリズムを整えて活動を始めるためのエネルギー補給という役割がある。朝食には「体内時計のリセット効果」と「肥満防止効果」があり、まさに一石二鳥なのだ。・・・「噛む」という行動をするとき、指令を発するのは脳だ。だが、噛むことで三叉神経から脳に刺激が伝わる。「よく噛む」ことは一日のメリハリをつけるのに役立つ。(p.192)
覚醒戦略⑥ とにかく「汗だく」を避ける
体温は上がりすぎると発汗による熱放散が起きて元の体温より下がる。これは眠気がやってくるサインだった。朝風呂に入ったときと同じ状況になるのだ。(pp.192-193)
覚醒戦略⑦ 「テイクアウト・コーヒー」で「カフェイン以上」を取り込む
血中のカフェイン濃度は半分になるまで約4時間かかる。・・・カフェインは眠気や疲れ、覚醒時間に応じて蓄積する睡眠圧にも対抗するので、昼食後や午後にも効果を発揮してくれる。(pp.193-195)
覚醒戦略⑧ 「大事なこと」をする時間を変える
頭を使う仕事、重要な仕事はできるだけ午前中に集中したほうが賢明だ。ランチの時間の後は、徐々にイージーモードの仕事にシフトしていく。眠りにむけて、脳を少しずつリラックスさせていくためだ。軽いミーティングはリフレッシュになるので、昼食後に向く。また、論文い参考文献をつけたり、調べ物をするといった「手間はかかるがあまり思考を必要としない仕事」は午後に行う。(p.196)
覚醒戦略⑨ 「夕食抜き生活」が眠りに響く
覚醒物質「オレキシン」は、脳の視床下部と呼ばれるところの細胞から放出される。絶食するとオレキシンの分泌が促進されるが、食事をすればオレキシンの活動は低下し、覚醒度も落ち着く。・・・夕食を食べないとオレキシンの分泌が促進され、食欲が増大するうえに、覚醒して眠れなくなる可能性が高いのだ。・・・夕食抜きは、眠りに健康にとってまさに「百害あって一利なし」なのだ。(pp.197-199)
覚醒戦略⑩ 「夜の冷やしトマト」で睡眠力アップ!
夜、ぐっすり眠るためには深部体温を下げる食品を夕食に取り入れうのも一案だ。身近なところでいえば「冷やしトマト」。体を冷やす性質があるトマトをさらに冷やして食べれば体温は下がる。(pp.199-200)

この覚醒戦略、しっかりとマスターして、「覚醒」したいと思います。

いろいろと学ぶことができました。これを活かすことができるかどうかは、自分次第というところでしょうか。

 

 

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