圧倒的な強さを築く オンリーワン差別化戦略

圧倒的な強さを築く オンリーワン差別化戦略

圧倒的な強さを築く オンリーワン差別化戦略
著者:ウィリアム C. テイラー

内容紹介
◆「こんなズバ抜けた成功物語がシリコンバレー以外から出てくるなんて・・・最高じゃないか! 」トム・ピーターズ激賞

◆シリコンバレーの成功事例もいいが……実際、どれぐらい役に立つのだろう?
本書では、『ファストカンパニー』『ハーバード・ビジネス・レビュー』『ニューヨーク・タイムズ』など米有名誌で活躍する、凄腕エディター/コラムニストが取材に取材を重ね、
・すぐに真似される「競争の激しい業界」
・イノベーションが出尽くした「超成熟産業」
・コモディティ化が激しい、「飽和した成熟市場」
などなど、悩ましい環境のもとでブレークスルーを見つけた「圧倒的な成功事例」を取り上げ、その共通項を紹介する。

内容(「BOOK」データベースより)
成功物語には、共通項がある。イノベーティブな試みで高業績を上げられるのは、なにもシリコンバレーの企業だけじゃない。『ファストカンパニー』『ハーバード・ビジネス・レビュー』…米有名誌の凄腕エディター/コラムニストが取材しまくって見つけた、最高のケーススタディ!

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯]
[目的・質問]
[分類] 336.1:経営政策.経営計画

 

邦題は「圧倒的な強さを築く オンリーワン差別化戦略」ですが、原題は全く異なり、「Simply Brilliant -How Great Organizations Do Ordinary Things In Extraordinary Ways」・・・かなり違うのですが、、、、さて、どんな感じでしょうか。

ビジネス思想家のリオール・アルーシーは、戦略とイノベーション、成長について世界の一流企業に助言する中で、よくこう言ってのける。「ほとんどの企業やブランドが抱える問題は、破綻ではなく、退屈だ」。そう、退屈している組織が大成功を収めることはない。アルーシーによれば、「我々は新しい世界に生きている。顧客はもはや、ありきたりのやり方を受け入れない。並外れたものでなくては意味がない。どの業界でも、熱狂はすぐに退屈に変わり、退屈は苛立ちに変わる。驚かせてほしい、わくわくさせてほしい、いつまでも記憶に残るものが欲しい。それが顧客の望みであり、企業が提供しなくてはならないものだ」。(pp.3-4)
失敗はいつでも起こる。大事なのは、そのときにアイデアや人、技術を活用できるかどうかだ。ビジネスの世界でありがちな失敗は、想像力が足りなかったとき、度胸が欠けていたとき、過去にとらわれてしまったときに忍び寄る。(p.4)
リーダーシップ論の権威、ハーバード・ビジネススクールのリンダ・ヒル教授によれば、リーダーの多くは効率や生産性を高め、過去よりも好ましい状態をつくることで、現状と理想との「パフォーマンスギャップ」を埋めようとする。しかし、リーダーが取るべき行動、リーダーにとっての真の課題は、「チャンスのギャップ」、すなわち、現状と実現可能な状態とのギャップをイノベーションや改革、未来の創造を通して埋めることだ。生き延びているというだけでは、本当の意味での発展とは言えない。(pp.4-5)
つまるところ、企業は価値提案―提供する便益(目に見えないものを含む)を、その価値を反映した価格で分かりやすく伝えるもの―を考え、それを一貫して提供しなくてはならない。「ある価値提案を選択したなら、その価値を確実に高めるよう、自社のすべての活動に『共鳴』させなくてはならない。新しい価値提案は確実に勝利の戦略につながるが、たとえありきたりの価値提案であっても、組織全体で共有すれば優れたものにできる」。(pp.27-28)

マッキンゼーのマイケル・J・ラニングの「価値提案(バリュー・プロポジション)」を参照せよとのこと。

大事なのは情熱、感動、アイデンティティだ。顧客は何を期待できるのか、企業は何を提供できるのか。この基本的な問いかけを繰り返すことによって、綿密に定義された「価値提案」を共有する必要がある。優れた企業は、最先端技術を備えた企業でもなければ、斬新なビジネスプランを持つ企業でもない。魅力的なアイデアを掲げ、印象深い体験を生み出し、熱心な顧客を魅了し、忠実な仲間を雇用する、つまり、効率的であると同時に、決まりきった現状に対する魅力的な対抗馬として自らをポジショニングする企業である。(p.28)
彼らがイノベーションを怠っているわけではない。誰もが同じものを追い求めた結果、標準とされるパフォーマンスのレベルは上がり続けている。成功は持続可能でなくてはならない。これは戦略に限らず、行動についても言える。ある企業を退屈だと指摘しても、従業員は気を悪くいないだろう。だが、従業員に面と向かって、君たちのやっていることは退屈だと言えば、反応は違ってくるはずだ。(p.29)
ブランド戦略家アダム・モーガンによれば、チャンレジャーブランドは、「デモクラタイザー」(民主化推進者)や「一匹オオカミ」など様々な特徴を示す一方、戦略に4つの柱を置く点で共通している。
第一は、「視点」。彼らは世界を独特の目で見ている。
第二はその「徹底性」。彼らはその行動において、自身の在り方を常に徹底的に打ち出す。
第三は「突出性」。彼らは抜きんでているため、おのずと気づかれる。
第四は「強固な基盤」。彼らは自分たちの立ち位置が独特であることを確信している。(pp.29-30)
途方もないことを成し遂げようとする企業やブランドにとっては、何を信じるかが何を売るかと同じくらい重要だ。現代のリーダーがなすべき仕事、戦略や競争の真髄は、他よりほんの少し優れた製品を売り出すことではなく、平均以上のサービスを提供することでもない。既存の知恵に対抗する確固たる原則を考案し、先んじて未来に到達できるようにすることだ。サイモン・シネックは、優れたリーダーは「WHYから始める」と言う。「操るのではなく駆り立て」、共通の大義を「指示しようとする者に勇気を出させ」ようとする。そのとおりだ。どの企業であれどの業界であれ、突破口を開こうとするリーダーは、他のリーダーがしようとしない約束をする。なぜなら、彼らは未来について、他のリーダーが持たない視点を持つからだ。イギリスの詩人ラルフ・ホジソンは言った。「信じているものしか見えない」。(pp.42-43)
専門性は大事だが、イノベーションの邪魔になることもある。過去数十年のビジネス、リーダーシップ、社会における大規模な変容がもたらした冷酷な教訓の一つは、特定の領域で豊富な経験や知識、資源を持つ人や組織は、新しいチャンスを見つけたり、つかめたりできないことが多いいうものだ・新しいアイデアが市場を席巻しつつあることに気づいた競合の反撃を恐れるあまり、組織やリーダーがリスクを取れなくなる現象とは対極にある。(p.76)
MITスローン経営大学院の名誉教授で、組織開発やリーダーシップ分野の権威、エドガー・シャインは、優れた経営幹部の特性を長年研究してきた。彼らが繰り返し強調するのは、ある種の謙虚さの重要性だ。著書『問いかける技術』では、「語りかけるのではなく問いかけるための穏やかな芸術」について探求し、謙虚さの3つの形を明らかにした。
第一は「目上の人や上司に対する謙虚さ」で、社会生活の基本である。
第二は「その業績によって私たちを畏怖させる存在に対する謙虚さ」で、職業生活においてはこれが基準となる。
第三は「今ここで必要な謙虚さ」。ビジネスの場ではほとんど見られないが、大きなことを成し遂げたいと願うリーダーにとっては大切だ。(pp.177-178)

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産業部品の巨大企業ファステナルで出会った従業員からは、野心と謙虚さの両方が備わった、穏やかだが断固とした姿勢が感じられた。シリコンバレーのがむしゃらさで破壊的なエネルギーとも、ウォール街の金銭第一で自己中心的な姿勢とも異なる。同社は「果敢さ」を4つのコアバリューの第一に掲げ、次の5つの属性が混ざり合って生まれると考えている。「積極性」(仕事に関連した目標を遂行するための一貫した姿勢)、「自信」(自分の能力に対する確信)、「意欲」(仕事に対する強い熱意)、「モチベーション」(ベストを尽くそうとする内なる願望)、「自己への信頼」(課題や仕事に断固として向き合う姿勢)。いずれも目新しくはないが、厳しい競争を支えるものだ。(pp.185-186)
ファステナルには、ビジネススキルや販売手法、サービスに対する姿勢などを教える学校がある。1999年、化学の博士号を持つピーター・ギディンガーによって設立された「ファステナル・スクール・オブ・ビジネス」で、現在では39名の講師を抱える。(p.186)
ハーバード・ビジネススクールの1975年の事例研究「リンカーン・エレクトリック・カンパニー」は、最も購読数の多い事例研究だ。(p.212)

エピローグより、以下抜粋します。

本書では、当たり前のことを、当たり前ではないやり方で行っている企業やリーダーから、様々な知見や教訓を引き出してきた。だが彼らの成功物語は、あなた自身が成功を目指す際にアイデアや実践方法を活用し、今よりも大胆に考え、高みを目指し、大きな勝利を得ようとして初めて価値あるものになる。最後に、本書の中心となるメッセージを「8つの問い」にまとめた。あなた自身の成功物語を作るうえで役立てばうれしく思う。(p.218)
【成功への「8つの質問」】(pp.218-226)

  1. あなたの成功の定義は、競合とは一線を画し、同僚や部下に意欲を持たせられるものか。
    →他の企業ができないこと、やろうとしないことを、あなたはやれるだろうか。
  2. 自分たちがやっていることがなぜ重要なのか、どうやって勝とうとしているのかを説得力ある言葉で明確に説明できるか。
    →あなたはどのような言葉を使うのだろうか。
  3. 業界で成功と見なされてきたものを見直し、自社の成功について考える準備はできているか。
    →今ある知識が想像力を抑制していないと、断言できるだろうか。
  4. 興味を持たれる存在でいるのと同じように、興味を持ち続けることができるか。
    →自己革新に対するあなたの戦略はどのようなものだろう。
  5. 技術や効率性と同じように、心や感情にも関心を払っているか。
    →あなたが動かそうとしているのは製品だろうか、それとも人だろうか。
  6. 組織の機能を定義する価値は、価値提案を反映しているか。
    →どうすれば部下の行動を促し、意欲を持たせ、自社の競争力を高めることができるのか。あなたはそれを理解しているだろうか。
  7. 貪欲であると同時に、謙虚であるか。
    →あなたは従業員の創造性を高めるために、自身のエゴを抑えることができるだろうか。
  8. 成功を収めるために尽力した人とたちと、見返りを分け合う用意があるか。
    →あなたは、従業員全員に発言権や行動する権利を与える方法を検討しているだろうか。

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