複雑な仕事をシンプルに解決するための「洞察力」の磨き方

複雑な仕事をシンプルに解決するための「洞察力」の磨き方~「見えないものを見抜く」仕事術~

複雑な仕事をシンプルに解決するための「洞察力」の磨き方
~「見えないものを見抜く」仕事術~
著者:鳥原 隆志

内容紹介
「洞察力」を使ってあらゆる問題を解決をすることができる!◎1万人以上のビジネスパーソンの仕事ぶりを分析し、指導してきた著者が、できる人が判断するときに発揮している能力「洞察力」の磨き方を教える。
◎仕事では、目に見えていても「見えないもの」がある。それは「目に見えているもの」と「考えて成果を出すために見るもの」は違うからだ。そのポイントを外してしまうから、チェックした気になっても見落としたり、仕事をした気になっても実際の完成度は全然で結局やり直しを食らったりする。仕事における「視界の広さ・狭さ」は能力に直結する。
◎本書では「ポイントを押さえたものの見方」である洞察力について解説。著者作成のインバスケット問題を使い、「複雑そうだけど実はシンプルな案件」「ぱっと見は重要度の低い案件だが、別の重要度の低そうな案件と関連づけて考えると大きな問題の前兆ととれるもの」「起きた事象だけを見ていても解決できないが、売上データなどの関連情報と照らし合わせると解決の糸口が見つかるもの」などを読者に解いてもらって、洞察力の強化を図る。出版社からのコメント
一瞬で難局を打開する「インバスケット」の思考法が話題です。ビジネス書ジャンルでロングセラーでたくさんのシリーズを手掛けている著者鳥原隆志氏の最新刊はこちら。
大小あらゆる難題を解決する舞台として今回セレクトしたのは老舗温泉旅館。父が倒れてピンチのなかUターンした主人公は、経営と人材とおもてなし精神を守りきれるのか!? ストーリーを読み進めるうち、いくつもの洞察力が学べます。ゲームをやっているかのように読み切れる充実した一冊です。察知する力、予感力があるとないとでは、稼げる力が違ってくることがわかります。インバスケット思考で鍛えましょう!

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] インバスケット本、何冊か読みました。今回「洞察力」という私の好きな言葉がタイトルに挙げられていることもあって手に取りました。
[目的・質問] さて、「洞察力」を磨くには?
[分類] 336.2:合理化. 生産性. 能率

「何が問題か」を見つける視点を持てるかどうかが、問題解決のカギとなるのです。いかにプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力などを習得しても、「視点」をひとつしか持たないのであれば、ごく限られた範囲しか見えていませんので、当然能力を活かすこともできないのです。(p.4)

視点のバリエーションを増やすという意味では、経験もそうですが、哲学を勉強するのも非常に意味があるということはここ最近読んだ本から学びました。

さて、本文に入っていきますが、「もしドラ」ふうの小説仕立てのパターンです。読んでいきながら、ポイントを列挙していきたいと思います。

「やらなくてはいいこと」が見つからないと、やるべきことが溢れてしまいます。すると、溢れているものだけに目が行ってしまい、本当にやらなければならないことがさらに見えなくなるのです。私たちの周りには「やらなくていいこと」がたくさんあります。でもそれは、「やらなければならない」という眼鏡では絶対に見えません。そのようなときに便利なのが、「影響度」という視点です。この仕事をしなければ「どんな損失が出るのか」「誰に迷惑がかかるのか」という見方です。影響度を計るコツは、今やろうとしていることを「他人の仕事」だと考えることです。すると、今まで大事だと思っていたことが、影響度の低い、やらなくてもいい仕事だとわかります。そしてその目を持つと、やるべきこととやらなくていいことが区別できるようになります。(pp.22-23)

このあたりも筆者得意のインバスケット的な考え方ですね。

私たちは、聞いたことや見たことをすべて事実と思う傾向があります。しかし、仕事において、そんなに簡単に事実が見える場面は、実はそう多くはありません。一見、事実だと思うことも、自分で確認したことではない限り、本当の事実とは言えません。その「確認」も曲者で、たとえば、新聞に掲載されている記事も、テレビやネットで流れている情報も、人から聞いた噂話も、すべて「間接的な情報」です。間接的な情報には「事実」とは異なるものも多く含まれているのです。事実を見抜くためには、神経質なほど「裏付け」を取らなければなりません。実際に裏付けを取ってみると、事実だと思っていたことの多くが、人の主観や思い込みだったことがわかるのです。・・・だからこそ「事実を見つける視点」を持つべきです。事実を確実に捉えないと、判断も精度が落ちます。逆に、この視点があれば「裏付けを取る」など、見えない事実を見つけることができるのです。(pp.28-29)

「疑う」ということをどれだけできるか、これこそが科学の種でありますし、それは文系・理系を問わずに成り立つ法則だと思います。

まずは相手がどんなものかを知り、次にどのような方法を取ればいいのかを考える。相手が何ものなのかが分からないと、戦えません。・・・一方で、先を読み過ぎると逆に見えるものも見えなくなります。(pp.80-81)

先を読みすぎると動けなくなる、これは非常に大切なことでしょう。初動のブレから次のブレ、さらに次のブレまで考えていっても無駄なオプションを考えるための時間だけが浪費されるような気がします。考えるに越したことはないですが、あとで出てきますが、時間は有限であり、その有限な時間をどう活かすかということも優先順位の高い課題です。

目先の目標をクリアしたことで浮かれていると、徐々に衰退していることに気づきません。・・・ある目標をクリアしたとしましょう。その達成感をあじあうのもいいでしょう。ただ、その時点で次なる目標は見えなくなります。あなたの前にはまだまだ上位なる目標があり、それに向かう道が開けています。(p.85)
重大な事故の陰には29件の軽微な事故、そして300件のヒヤリハットが存在すると言われています。これをハインリッヒの法則と言います。あまり重要じゃない失敗も、そのうちに大きな失敗、取り返しのつかない失敗につながるという視点を持つこと。重大な事態が起こる予兆と捉えれば、今するべきことが何かが見えてくるはずです。(p.89)
キーパーソンが誰かを見抜く際に、「肩書」だけで選ぶと、問題解決への道筋を外してしまう可能性があります。キーパーソンとは「肩書き」だけではなく、何か物事を決めるときに発揮される「影響力」を持っている人のことを指します。・・・キーパーソンを見抜く視点を身につけることで、解決しなかった難題も一気に解決します。(p.101)
対岸の火事が起きた時には、自分に関係ないことではなく、自分にも将来起きるリスクが潜んでいると捉えることが大事です。そのリスクを発見すると、あらかじめ防止策を考えることができます。周りで起きている子tも、将来は自分にも降りかかることかもしれない。そのように考える視点を持つことで、大きな災いを防ぐことができるのです。(p.105)
「支えられている」実感がわいて来たら、必然的に「感謝」が生まれてきます。逆に「支えられている」実感が分からなければ、「自分だったらもっとうまくっできるのに」と思ってしまいます。(p.114)
大きな力を生み出すには、小さな力を結集させることです。・・・バラバラの集団と一致団結した集団は、人の数が一緒でもまったく力が異なります。・・・みんなの力をまとめるとすごい力になる、このような視点を持つことで個々の力では成し遂げることのできない爆発力をつくることができるのです。(pp.118-119)
自分だけではびくとも動かない案件が、もっと力のある人の手を借りるとすっと解決することがあります。上司の力を借りるのは虎の威を借りる賢い狐です。自分の力で動かないものは、他人の力を借りる視点を持つことで、正攻法では落とせない相手も、簡単に落とすことができるのです。たとえば上司は使ってなんぼ、そう考えると、今までにない力が見つかるのではないでしょうか。(p.123)
疑うという行動は嫌なものです。疑われるのも嫌ですし、できれば疑いたくもありません。でも、疑うことは自分を守ることでもあり、相手を守ることでもあります。疑うという行為で大きな悲劇が防げるからです。・・・信頼するという行為は確かに大事です。しかし、「信頼しているから大丈夫」と考えるのは間違いです。信頼という言葉で、事実が見えなくなるのは危険なことです。・・・相手を守るためにも、ときにはつらくても、疑いの視点は綴じずに事実を見るようにしたいものです。(pp.136-137)
「発達最近接」という言葉があることを、友人から教えてもらいました。これは、自分より能力が高い人を見つけて目標にすると、能力なども発達がしやすいという現象のことをいいます。逆に言えば、ある集団でトップだと思っている方は、もう目指すべき上がいないので、それ以上伸びにくいということでもあります。この考え方は、ある限定された範囲を見ていると、知らない間に能力が下がったり、取り残されてしまったりする危険性を伝えています。「全体から見た自分」を少し考えてみる必要があるのです。・・・今見える範囲だけではなく、全体を意識すると、自らの立ち位置が言えてくるのです。狭い範囲での自分の立ち位置ではなく、全体の中で自分はどこに位置するのかを知る視点を持つことで、本当の自分の立ち位置やこれから進む方向で見えてくるのではないでしょうか。(pp.145-147)
「何をやるのか」と同時に「何をやめるのか」という視点を持つことができないと、結局抱え過ぎてしまったり、本当に判断しなければならないものが見えてこなくなったりします。捨てるという視点はかなり高度な視点ですが、これができる人だけが、新しいものを手に入れることができるのです。(p.159)
70万時間とは、人が生まれてから死ぬまでの平均の時間です。しかし、これはあくまで平均のお話で、私たちの終わりはいつ来るかわかりません。時間を有限に捉えてほしいのです。・・・「まだまだ時間はある」と思ったり、下手をすると、時間が無限にあるような錯覚に陥っている場合もあります。しかし、言うまでもなく、時間は無限ではありません。砂時計のように刻々と砂は少なくなっているのを意識すると、逆算したり、大事なことに優先順位を付けるなど今まで見えなかったものが見えてくるのではないでしょうか。(pp.172-173)
70万時間とは、人が生まれてから死ぬまでの平均の時間です。しかし、これはあくまで平均のお話で、私たちの終わりはいつ来るかわかりません。時間を有限に捉えてほしいのです。・・・時間は無限ではありません。砂時計のように刻々と砂は少なくなっているのを意識すると、逆算したり、大事なことに優先順位をつけるなど今まで見えなかったものが見えてくるのではないでしょうか。(pp.172-173)
頭の中で切り替えの指示をしないと、視点は変わらないようになっています。言い換えれば、今見ている視点は意識して変えないと、同じ景色しか見えないのです。・・・視点を瞬時に変えることにより、私たちはさまざまな変化の中を、より快適に生活しているのです。・・・今までになかった視点を手に入れたのであれば、実際にその視点に切り替えてみてほしいのです。そうすることでさまざまな行動につながり、同じ時間で同じ力でより楽しめますし、アウトプットも変わってくるはずです。(pp.182-183)

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