0秒リーダーシップ

0秒リーダーシップ

0秒リーダーシップ
著者:ピョートル・フェリークス・グジバチ

内容紹介
グーグル(現Alphabet社)やモルガン・スタンレー等にて、長年、人材開発やリーダーシップに携わってきた著者が、グローバル化の進む日本のビジネスパーソンに向けて語る「新しい働き方」とは? 行動力、発想力、学習力、集中力、問題解決力等、未来に向けてもっとアクティブにイノベーティブに働くためのヒントがぎっしり詰まった1冊。内容(「BOOK」データベースより)
最速でグローバル基準で活躍するマインドセットを身につける。グーグル、モルガン・スタンレーで人材開発を務めてきた、日本在住16年の著者が初めて語る。未来に向けてもっとアクティブにイノベーティブに働くための本。

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] 0秒リーダーシップ???
[目的・質問] 「0秒リーダーシップ」とは??・・・を知る。
[分類] 336.3:経営組織.管理組織

ベンチャーの恩恵が発展途上国に及ぶにつれて、社会問題に対する解決策を軸にビジネスを展開するベンチャーも増えてきています。たとえば、Lenddo(レンド)は、フェイスブックをはじめとしたSNSの友人情報に基づいて、ユーザーの信用度を審査するファイナンスサービスです。発展途上国や新興国では、返済能力があるにも関わらず、取引実績がないため融資を受けられない中産階級の人々がたくさんいます。その人たちの信用枠を拡大する方法として「ソーシャル信用度」という新しい尺度を取り入れ、必要な資金が調達できるようにしたのです。Lenddoは社会問題を切り口として、既存のITサービスを活用し、新しいファイナンスサービスを立ち上げた、まさに典型的な事例です。(p.9)

こんなサービス知りませんでしたし、思いつきもしませんでした。この発想はすごいです。また社会問題の解決という意味でもしびれます。

国連によると、現在、世界人口73億人の54%は都市に住んでいますが、2030年には世界人口85億人の60%が年に住むと予測されています。各都市の経済力も、欧米先進国からアジアの新興国にシフトしてきて、中国やインドなどの巨大な人口を抱えた都市が相対的に大きな力を持つようになります。(p.11)
①デジタル化、②破壊的イノベーション、③ベンチャーブーム、④グローバル化、⑤都市化、という5つのメガトレンドは、世界中のあらゆる国々を巻き込んで、いままさに進行中です。ところが、日本人はともすると、こうした変化を「対岸の火事」とみなして、自分のこととは考えない傾向があるようです。(p.12)
変化の中で優位をキープするには? こうした問いに対する一つの答えが、チームのメンバー一人ひとりがリーダーシップを発揮することだと僕は考えています。全員がリーダーシップを発揮する組織、誰でもリーダーシップがとれる環境が、変化の激しい時代に求められる組織のあり方なのです。変化とは決してマイナス面だけではありません。破壊されるものがある一方、新しいものも生み出されるからです。変化は大きなチャンスでもあります。それを実現するために必要なのが、組織全員が発揮するリーダーシップです。(p.19)
みんなの先頭に立って何かを始めれば、それだけ批判の矢面に立つ可能性は高くなります。もちろん失敗することもあるでしょう。それでもあえて率先してやってみる。それによって、人を動かし、チームを動かし、成果を生み出し、目標を達成する。そうです、リーダーシップとは、リスクを取って新しく何かを始めることを意味します。(p.21)
グーグルでは同じことを繰り返すだけでは評価の対象になりません。現状維持は安定した状態ではなく、まったく成長していない結果と見なされます。四半期ごとに、全四半期を超える、上司の期待を超える、決めた目標以上のことを達成することが期待されています。「10X (テンエックス:10倍)」の成長や、「ムーンショット(Moonshot:月へ行くこと)」が普通と思われている企業なので、生半可な覚悟ではつとまりません。上下や部署を超えた議論や連携、協働も非常に活発です。(p.45)
日常のどんな瞬間でも、ちょっとしたことで「こうしたほうがいいんじゃない?」という提案を繰り返していれば、リーダーシップのトレーニングになります。そういう小さなことの積み重ねで、いざというとき、大きなピンチが訪れたときに、大きな決断ができるようになるのです。(p.54)
T型社員に共通するのは、あれも知りたい、これも理解したいという旺盛な知識欲です。自分の仕事だけでなく、隣の人は何の仕事をしているのか、あの人たちは何の話をしているのか、何にでも興味を持つし、気になったらすぐに質問をする。そうやって、自分の好奇心を満たしつつ、多くの人と刺激し合いながら、Tの横棒をどんどん広げていくのです。(p.71)
アイデア出しのやり方を4つ紹介します。(pp.72-80)

  1. もの同士のつながりを考える
  2. 別世界からアイデアを持ってくる
  3. ルールを破る
  4. 違う人の視点で問題を見る
イノベーティブなアイデアを出すための方法をいくつか紹介しましたが、すべてに共通するポイントが一つあります。それは、時間を区切って取り組まなければならないということです。・・・際限なく時間があると、情報収集ばかりに気を取られて、肝心の考える作業がおそろかになりがちなので、むしろ時間は短い方がいいのです。制限時間内に成果を出さなければいけないという切迫感や緊張感が頭の回転を速め、短時間でよりよいアイデアを生み出す力になります。(p.81)
「なぜ?」「どうして?」はアイデアを掘り下げるのに非常に有効です。「なぜそう思ったのか?」「どうしてそこに顧客がいると思ったのか?」「なぜサービスが受け入れられるのか?」「どうしてライバルの参入まで時間を稼げるのか?」これらの問いを何度も繰り返すことで、アイデアは鍛えられ、実現可能なプランに落とし込むことができます。(pp.87-88)
PDCAサイクルのPは「計画」というより「仮説」です。仮説を立て(Plan)、実際に試してみて(Do)、ダメなら(Check)すぐに方向転換する(Action)。これを短時間でグルグル回して最短距離でゴールを、目指すのが本来の姿です。(p.95)
打合せ用の資料もプロトタイプの一つです。会議なら前もってアジェンダがあれば、そこが議論のスタートラインになります。何もないまま集まるよりも、簡単なメモ書き程度のレジュメでもあれば、議論の報告性を見失うことなく、より建設的な意見を戦わせることができるでしょう。(p.97)
最悪なのは、自分ですべて抱え込んで完成するまで誰にも見せないという姿勢です。これでは、最期の瞬間まで、その仕事が正しい方向に進んでいるかどうか、誰にもわかりません。仮に間違った方向に進んでいた場合、すべての作業がムダになるだけでなく、他の人にも影響がでてしまうかもしれません。(p.107)
テクノロジー企業と協業したときに、肝心のデータをどちらが持つことになるのか。システム開発と運用は任せるけれども、データは自社で取得・分析するというようにしておかないと、システムもノウハウもデータもすべて持っていかれて、自社には何も残らないということになりかねません。(pp.127-128)
いつでも、どんなことからでも、どんどん学ぶ姿勢をみにつけるためのポイントは、3つあります。(pp.131-135)

  1. 他人から学ぶ
  2. 経験から学ぶ
  3. 振り返りから学ぶ
振り返る機会を増やすことはとても大事です。英語では、「reflection before action, reflection in action, reflection after action」と言って、振り返るのはやった後だけではありません。何か行動する前にも行動している最中にも、そしてもちろん行動した後からも、その行為について考えを深めることができます。・・・つまり、つねに振り返る。いつでもどこでも反省・反省・反省の繰り返しです。そこまでやってはじめていろいろなことが身に付くのです。ただし、反省と言っても、ネガティブな意味ではありません。「次はこうしてみよう」という対策とセットで、前向きに、ポジティブに振り返るのが大事です。(pp.134-135)
日々の学びを仕事に活かす「ラーニングアジリティ」こそ、自身がつねに成長を続けながらよりよい成果を上げていく素地をつくってくれます。・・・ぼんやりとやり過ごすのではなく、その瞬間、その瞬間に注意を払う。きちんと意識を向けることによって、そこに何らかの結果をもたらすことができるようになります。意識を集中させるべき「大切な瞬間(英語で moments that matter)」は、3つのタイプに分かれると僕は考えています。(pp.138-139)

  1. 「相手に反応する瞬間(moments we respond to)」
  2. 「自分から働きかける瞬間(moments we create)」
  3. 「上に引き上げる瞬間(moments we elevate)
人と接するときにどういうふうに関わりを持つか、僕たちにはいろいろな選択肢があります。組織やチームの中で、自らの学びを上手に活かすためのポイントを10個、ご紹介しておきます。(pp.140-142)

  1. 存在感(presence)
  2. 共感(empathy)
  3. 先読み(foresight)
  4. 確信(conviction)
  5. 勇気(courage)
  6. 当事者意識(ownership)
  7. 直感(intuition)
  8. 独自性(originality)
  9. 好奇心(curiosity)
  10. 枠組み(framing)
事前に予測が成り立たないと、適切な予防策を取ることができず、対応が後手に回りがちです。何かが起きてからそのたびに対応する対処療法では、問題そのものをなくすことはできません。かといって問題が発生するのを予測するのは困難です。これから先、ウィキッドプロブレム(厄介な問題)が増えるのは、ある意味、当然と言えるかもしれません。一口に「問題」と言っても、状況は様々で、適するアプローチの仕方はその都度変わってきます。状況の複雑性の種類に応じて、適切な意思決定を行うための「クネビン・フレームワーク(Cynefin Framework)」では、問題を4つに分類してます。(pp.176-181)

  1. 明らかな問題(Obvious)
  2. 込み入った問題(Complicated)
  3. 複雑な問題(Complex)
  4. 混乱した問題(Chaotic)
すでに15年以上前の調査により、さまざまな企業の業種の職位において、高業績のために不可欠とされる能力の3分の2は、感情に関連するものだということがわかっています。「心の知能指数」とも言われるEQは、IQや専門能力の2倍の重みを持つものであり、個人はもとより、組織やチームとして成果を上げるためには欠かせない能力という結果が出ているのです。(p.194)

EQ(エモーショナルインテリジェンス)、つまり自己や他者の感情を認識して、上手にコントロールする能力。高いIQがあってもこれを組織の中で効果的・効率的に使いこなせるか・・・ここはEQの役割。

稲盛さんの公式を思い出しました。

人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力

 

 

この公式の考え方の一部と、熱意は全般がこのEQになるんでしょうね。

自分の感情の起伏とうまく向き合い、相手の感情の変化にも気を遣いながら、全体としてチームの進むべき方向を定めて引っ張っていく。そのために必要なエモーショナルインテリジェンスには、3つの大切なポイントがあります。(pp.195-197)

  1. 自分の感情に気づく
  2. 相手の感情に気づく
  3. グループの感情に気づく
キャリアを考えるときに僕がよく使っているのが、「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」というコンセプトです。米国の神話学者ジョーゼフ・キャンベルは、その著書『千の顔をもつ英雄(Hero with a Thousand Faces)』で古今東西の神話・英雄には共通のストーリーがあると述べました。日常の世界から非日常の世界へと旅立ち、さまざまな困難を乗り越え、元の世界へ戻ってくる。この一連のサイクルを「ヒーローズ・ジャーニー」と呼んでいます。(pp.207-208)

[amazonjs asin=”4150504520″ locale=”JP” title=”千の顔をもつ英雄〔新訳版〕上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)”]

「広告の父」と呼ばれた英国人デヴィッド・オグルヴィは“If yo want to be interesting, be interested.”(面白い人になりたいなら、何事にも興味を持て)と言いましたが、相手に興味・関心を持って接していれば、向こうもこちらに興味を持ってくれて、自然といい関係が築けます。・・・自分の感情だけでなく、相手の感情に気づけることは、人間関係をよくするうえでとても大切です。そういう意味では、その人に興味を持って接していれば、たいていの問題は解決してしまうとさえ言えるかもしれません。(p.213)
ときどき立ち止まって、自分を振り返る時間を持たなければ、どんどん流されていってしまいます。そんなときこそ、マインドフルネス瞑想が効果を発揮するのです。・・・そのまま流されてしまうと、2年や3年なんてあっという間です。惰性でダラダラ働き続けてしまうことになりかねません。知らず知らずのうちに、自分が錆びついて行く働き方に陥ってないか、つねにチェックしていく必要があるのです。一日の始まりゃ終わりに行ってもいいですし、一週間、一か月、四半期、年単位など、ある程度のスパンで振り返るのもおすすめです。仕事が忙しければ忙しいほど、一人静かに振り返る時間をとることをお勧めします。(pp.225-226)
みんな落ち着いてほしければ、まずは自分が落ち着くこと。気を鎮め、ゆったりとした口調で話しかければ、自然とその場の空気も落ち着いていきます。逆に、チームがたるんでいる、仲良し集団になり過ぎて厳しさが足りないと感じたら、怒ったフリをしたり、ピシャリと厳しい言葉を言ったりすれば、適度な緊張感を与えることもできます。・・・人間は言葉のやりとりだけでコミュニケーションをしているわけではありません。身振り、手振り、姿勢、話すときの感情、視線の向き、声のトーン、話すスピードなど、むしろ言葉以外のノンバーバルコミュニケーションの比重のほうが高いとさえ言えます。(p.243)

いろいろと気づきがありました。特に、マインドフルネス瞑想で自分を振り返るというのはあまりできていないので是非やっていきたいと思います。

(気に入ったら投票をお願いします!)

にほんブログ村 経営ブログへ
にほんブログ村

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください