予測力 「最初の2秒」で優位に立つ!

予測力 「最初の2秒」で優位に立つ!

予測力 「最初の2秒」で優位に立つ!
著者:ケビン・メイニー,ヴィヴェック・ラナディヴェ

内容紹介
膨大なデータを分析しても先は読めない!
「ひらめき」こそが正解を導く!
「ニューヨーク・タイムズ」「amazon.com」ベストセラー!
膨大なデータを分析しても答えは出ない。「最初の2秒」のひらめきこそが正しいのだ。だからこそ、スティーブ・ジョブズは先を見通せた。卓越した「予測脳」を持つ人物は何が違うのか。どうすれば「先を読む力」を磨くことができるのか。ベストセラー『トレードオフ』の著者が秘訣を公開する!
●目次
第1部 天才の脳
第1章 ウェイン・グレツキーの予測脳
第2章 タイプ1とタイプ2、そして大脳皮質
第3章 優れた頭脳
第4章 ふつうの脳の優れたソフトウェア
第2部 優れたシステム
第5章 頭脳さえあったら
第6章 優れたテクノロジーと優れた企業
第7章 脳のようなコンピュータとコンピュータのような脳
第3部 〝最初の二秒〟の優位
第8章 〝最初の二秒〟の優位とよりよい世界
第9章 〝最初の二秒〟の優位とよりよい頭脳

★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] 「超予測力:不確実な時代の先を読む10カ条」というのが出たところ、「予測力」というのもありましたので。
[目的・質問] 「予測力」とは?どういったことに気を付けるべきなのか?をマスターする。
[分類] 141.5:思考.想像.創造性, 創造性(心理学)

どの分野でも成功者はたいてい、プレー中のグレツキーと同じように、他の人々よりもわずかに早く、わずかに正確に、精緻な予測を休みなく行っている。これは成果を上げ続ける日とほぼすべてに共通の特徴である。才能ある人々は10年後など見通せなくても構わない。それどころか、10日後の予想さえもできなくてよい。隙間や機会を見つけるのに十分なだけの「ちょっと先」を、競争相手よりも一瞬だけ早く、高い確度で予測できればそれよいのだ。これはスポーツ選手、アーティスト、ビジネスパーソン、いやあらゆる分野のあらゆる人に当てはまる。(p.18)

そう、「ちょっと先」もそうですし、「ちょっとした気づき」なのでしょう。後で言われたら気づくことをそのときに気づけるかですよね。

予測脳を手に入れるには、遺伝のほかにもう一つ、鍛えるという方法がある。世の中は、生まれつき才能に恵まれた人ばかりではないだろう。だが、訓練、猛烈な努力、実地テストなどを何千時間も重ねれば、その分野については効率の良い優れた予測脳を築くことができる。うまくいくまで鍛錬を続けるのだ。世界のサクセスストーリーの多くは、こうして生まれた。(p.21)

さて、どんな鍛え方があるのでしょう。楽しみです。

結局のところ、わずかばかりの的確な情報をギリギリのタイミングで確保できれば、一か月後のあるいは一日後の世界中の情報を入手するよりも、はるかに有意義なのである。データベースを使って、大量のデータを事後分析するのは、・・・前の試合で得点できなかった原因を分析し、次の試合に備えるようなものだ。無意味ではかもしれないが、もはやそれで十分ではない。・・・効率のよい「発想法」を身につけて現実をほんの少し先回りし、次の一手を瞬時に決めるのだ。こうすれば、企業は顧客ニーズを予測できるだろう。(p.25)
ホロウィッツはわたしたちに、「超優良企業の上層部にはふたつのタイプの人材がいると思います」と語ってくれた。タイプ1とタイプ2がいるということである。しかも両者の脳はまったく違った働きをするという。タイプ1は優れた予測脳を持つが、タイプ2は膨大なデータに頼らないと判断を下せない。前者はCEOになるべきだが、後者はそうではない。・・・創業者の多くはタイプ1だという。損特徴は頑固にして勇敢。相手の喜びそうな話ではなく、自分の信念を語る。自社を巡る状況全てを頭に取り込み、鳥のように高いところからそれを眺めるから、細かい点はぼやけていき、直感だけを引き出すことができる。ただし、誤解しないでいただきたい。企業にとってはタイプ2も極めて貴重な存在である。細かい点に注意を払って実行役を果たすため、タイプ1から必要とされるのだ。タイプ2がタイプ1のような予測脳を磨くことはまずないという。「彼らは想定内の話しかしません。タイプ2は自分の直観に自信がなく、果敢さにも欠けます。予測力もありません。データを集めてそれをもとに意思決定をしようとしますね。タイプ2の場合、『これが正しいと思います』が『これが正しいはずです』という確信に変わることは決してないのです」(pp.38-39)

特にタイプ2の場合、データは過去のもの。環境が変わった「いま」に対して、その知見をどのように組み入れるかという発展的な発想よりは、「過去はこうでした」ということで思考停止になってしまうこともよりあります。

テクノロジー業界で偉大なるCEOになる秘訣は、俊敏で優れた予測脳を持ち、高い精度ですみやかに状況を先読みすることだ。マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツはタイプ1、彼の後継CEOであるスティーブ・バルマーはタイプ2である。アップルの前CEOのスティーブ・ジョブズは典型的なタイプ1である。ジョブズが追放されていたあいだ、何人ものCEOがアップルの舵取りをしたが、彼らは全員がタイプ2だった。そして会社を瀕死の状態へと追いやったのである。(p.40)

これは言わずもがなですね。

マルコム・グラッドウェル『天才』で、それぞれの道で第一人者になるには、目安として一万時間の練習が求められると述べている。これだけ練習を積み重ねれば、情報のかたまりをもとに予測を行い、たいていの人よりも速くうまく仕事をこなせる。他の人にはない独特のものの見方と予測の仕方ができるため、第一人者や花形になれるのだ。(ちなみに、一日8時間の練習を週に7日のペースでおよそ3年半続けると一万時間になる。)(p.58)

なるほど、それで考えると、例えば研究者を目指すとすると、大学時代の専門で2年、博士課程前期が2年、後期が3年とすると、師匠もいて時間も確保できるという体制が整えられるということでは、その環境をどれだけうまく利用できるか・・・そこでどれだけ自分をストレッチさせられるかは大きなポイントですね。

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別の書物ですが、このダガン氏のナポレオンについての調査が紹介されていました。「戦略的直観」については、「過去の出来事を選り抜き、それを組替え直して今後の行動を思い描くこと。その行動は以前の目的には合わなくてもよい」と。

アプライド・リサーチ・アソシエイツに勤務するゲイリー・クラインという人物がいる。彼は予測について二つの重い指摘をしている。ひとつには、有能な人物は「何が起きたか」だけではなく、「何が起きなかったか」も考慮して予測を行うという点だ。・・・「何が起きたか」と比べてはるかに察知しにくく、深い知識や高度な思考が求められるのだが、人間の予測脳に似た仕組みをコンピュータに取り入れる検討をするときには、おそらく肝になるだろう。データベースでは、「何が起きなかったか」という情報に対処しようがない。たとえ、そのような情報に着目すると貴重な知見が得られるとしても、データが取れない以上、従来のソフトウェアに出番はないのだ。・・・クラインの慧眼のふたつめは、「予測思考は一人ひとりが単独で行うとは限らない」というものだ。共同執筆中の著書には「予測思考は、個人だけなく、チーム全体が成果を上げるうえで重要な役割を果たすと考えられる」とある。チームが予測思考を行ったり、予測力や戦略的直観を発揮したりするなら、もっと大きな組織にも同じことができるはずだ。問題は実現への仕組みをどう作るかである。(pp.62-63)

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ラオの考えでは、脳は予測を行うだけでなく、予測に伴う不確実性も計算に入れるという。「熟練した動作については正確な予測ができますから、不確実性は低くなります。他方、慣れないことをしたり、未知の環境に身を置いたりしていると、不確実性は高まりますよね。脳は予測の不確実性に注意を払い、その情報を判断や行動に積極的に活かします」。・・・ラオが語るには、脳の働きが解明された暁には、人間と同じように問題を解く役割をロボットに担わせるのが理想だという。(pp.126-127)

なるほど。でも考えてみると、人間って死ぬ時に「走馬灯のように・・・」なんてよく言いますが、そんなものはさすがに再現できないでしょうし、それって様々な局面においても表面化していないですが、何かに備えて人間は何かを考えていたり、感じていたりするような気がします。

結局、予測脳を身につけるのは、経験を積むしかないような感じですね。ただ、自分がその分野に入り込んで、ゾーンの状態になっていたりすると学習能力は格段に上がるので、嫌々はやはりだめで、どれだけ自律的に自分事としてその問題・課題を認識してそれに取り組めるか・・・といったところでしょうか。共著とはいえ、ヴィヴェック・ラナディヴェさんが書いているような感じは前著と比較すると書かれていないような気がしました。

ラナディヴェさんはほかにも書かれているようで、邦訳がないのもありそうです。そちらも是非読みたいと思いました。

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