マインドフル・リーダー 心が覚醒するトップ企業の習慣
著者:マイケル・キャロル,Michael Carrol
内容紹介 Google流心の整理術「SIY」の原点!慌ただしいオフィス。急ピッチで進められるプロジェクトの真っただ中、上司が入ってきてこんなことを伝える。 「しばし静かに座る時間をとろう。何もしない時間をね」受け入れがたい提案のようですが、実際米国をはじめとする先進企業で、実行されはじめているのです。 ●本書は、今ビジネス書で好調の『サーチ・インサイド・ユア・セルフ』(Googleがマインドフルネスの研究から生み出した、いわば心の整理法)の原点ともいえる1冊。リーダーシップを発揮するための新しい「有り方」や、効果的かつ日々の生活の中でもできる瞑想の方法を紹介します。 ●現在、リーダーの有り方が変わってきていると言われます。本書では、単にマインドフルの効果やトレーニング方法について解説するだけでなく、今後リーダーとして必要な有り方についても紹介します。職場での問題と関係づけながら説明をしていきますので、どのように「マインドフルネス」を発揮していけばよいのかについて、類書よりもわかりやすくなっています。 ●翻訳者は、日本で数少ないSIYの認定指導者でもある荻野淳也氏です。 内容(「BOOK」データベースより) |
★読書前のaffirmation!
[きっかけ・経緯] SIYとは・・・「Search Inside Yourself」、これとリーダーシップとの融合について、勉強したいと思いました。
[目的・質問] いわゆる進んでいる企業ほど、こういった東洋的な思想を採り入れていますが、その心は? 日本人なので良くわかるんですが、逆に日本の企業がアメリカナイズされてきていて世知辛くなっている気がします。
[分類] 336.3:経営組織.管理組織, コントローラーシステム(経営組織)
今、AI(人工知能)、IoTなどを筆頭に世界でも日本でも、大きな変革(トランジション)の時期を迎えています。トランジションの前には、歴史的に見ても混沌とした時期(カオス)を経験しています。現在のこの混沌とした様子は、VUCAワールドと表現されます。VUCAとは、Volatile(変化の非常に激しい)、Uncertain(不確かな)、Complex(複雑な)、Ambiguous(あいまいな)の頭文字をとった言葉のことです。別の言い方をするならば、移り変わりが激しく答えのないとっちらかった時代ということです。(p.1) |
冒頭においても、なぜ、瞑想やマインドフルネスとリーダーシップがつながるのかを説明してくれています。問題点、目の付け所としては、同意しますが、それを補ってフォローするのが、マインドフルネスか?ということについてはそこまで書かれていません。
日本の組織の体質が、売上予算死守の強要、政治的な動きなど、強いトップダウン体制で醸成された企業文化になってきていて、その企業文化をつくるのは、リーダーの「在り方」であると言っています。
リーダーが陥ってしまう罠として次のことを挙げていますが、ドキッとするほど的確な指摘です。
自分の立場や肩書を守り、社内の争いや根回しに時間を使い、他のリーダーや部下に話せない隠し事を溜め込み、出世争いや派閥争いのために他者に心を閉ざしていく。また、積み上げてきた自分への称賛や評価を維持するため過去の成功体験にしがみつき、部下にもその成功体験を強要し、自分が常に正しく強いということをみせつけるためのパワーマネジメントを展開する―こうした態度こそが、周囲だけでなく、自分の成功も遠ざけてしまうのです。(p.3) |
このようなリーダーの在り方では、真に強い組織を作ることはできないと。それを打破するのが、「マインドフルネス」だということです。
まずは、言葉の定義としては、下記のようにされています。(p.6)
【マインドフルネス】 意図をもって、今という瞬間に、評価や判断を手放して注意を払うことから、湧き上がる気づき(認識)【マインドフル・リーダー】 自分自身に内在する、人生の実体験によって養われた智慧(ウィズダム=wisdom)に気づき、その智慧と人間に本来備わっている良心に従い、人々を導く在り方を実践する人物 |
マインドフルネスを実践していくと、自分自身への気づきが高まり、自分の内側にあるものを知るようになります。自分はこういう人間だったのかと、自分の大事にすべき価値観に気づき、自分が人生でなすべき使命、ビジョンが明らかになってきます。その内側から湧いてきた価値観、使命、ビジョンによって自分が突き動かされていきます。そして、周囲もその価値観、使命、ビジョンに感化され、人が自然とついてくるようになります。これがマインドフル・リーダーの在り方です。(p.11) |
マインドフル・リーダーシップに必要なことと、瞑想中当たり前のように行われる10の動作が、次に挙げられています。(p.82)
マインドフル・リーダーの10の力
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また、組織的な健康を保つのに求められる適性能力として次の9つを挙げている。(p.206)
9つの基本的な適性能力
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また、マインドフル・リーダーの4つの印が挙げられています。(p.230)
マインドフル・リーダーの4つの印
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瞑想の6段階として、次のプロセスが書かれています。(p,257)
瞑想の6段階
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最後に「マインドフル・リーダーが留意すべき30のこと」が挙げられていて、これを瞑想の6段階を使って、全30項目を順を追ってゆっくりと理科して腹落ちさせてほしいと書かれています。
マインドフル・リーダーが留意すべき30のこと
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監訳の荻野さん(社)マインドフルリーダーシップインスティチュートのホームページにいろいろな動画などもアップされています。
私もまだ見きれていませんが、良かったらご覧いただけたら、マインドフルネスの世界に近づけると思います。