一生モノの超・自己啓発 京大・鎌田流 「想定外」を生きる

一生モノの超・自己啓発 京大・鎌田流 「想定外」を生きる

(著者:鎌田浩毅)

★読書前のaffirmation!
[目的] タイトルの通り、自己啓発術を身につけること。
[質問] その手段としての続けていくためのノウハウを教えてください。

本来、ビジネス書は人の役に立つために世に出されているはずですが、どうも「ドクサ」化していて、かえって個々人が幸せになることを阻む要因になっている気がするのです。ドクサとは、ギリシャ哲学の用語です。ソクラテスの定義によれば、「人間を絶えず惹きつけるものだが、必ずしも幸福にしないもの」。つまり、一見、人を幸せにするように見えるが、よい人生を送るには本当は邪魔なもの、をソクラテスはドクサと呼びました。そして、それを上手に人生から遠ざけることを彼は説いたのです。(P.16)

全体を通じて、上記が筆者のリサーチクエスチョン。ビジネス書が求める「あるべき姿」に我々は苦しめられているのではないか・・・・。私もビジネス書好きなので、グサッと突き刺さりました。確かに、「あるべき」と「現実」とのギャップに苦しめられています。

未来を計画的にコントロールするのでもなく、なすがままに身を委ねるのでもない第三の選択。それが「プランド・ハップンスタンス(計画された偶発性)」理論です。・・・たとえば偶然出会った人と意気投合して新しいビジネスを始めたり、たまたま割り当てられた仕事がおもしろくて自分の適性を見出したり。こうした偶発性を積極的に生かして人生をより良いものにしていこう、というのが、プランド・ハップンスタンスの基本的な考え方です。(P.44)

ゴールを定めて、キャリアを積み上げていく計画主義でなく、、、ということですが、かといってなすがままに・・・ということでもない。

プランド・ハップンスタンスは、偶発性をマイナス要因としてとらえるのではなく、可能性を広げてくれるひとつの「チャンス」としてとらえます。・・・たとえば人生を変えるような幸運を見流さないように周囲を観察したり、偶発的な出来事がたくさん起きるように自ら行動を起こしたりします。(P.46)

うん、自ら行動を起こして偶発的なできごとを必然にする、、、流れのなかでそれができるかできないかだと思います。人脈を広げるチャンスなんて、まさにそれを活かすか、殺すか・・・・それはあなた次第・・・って感じですからね。

偶発性を取り込むために、もう一つ大事なことがあります。それは、何でも恐れずにやってみること。行動量と、偶発的な出来事に遭遇する確率は比例します。自ら動いて様々なところに首を突っ込めば、それだけないかと偶然に出会うチャンスが生まれるのです。・・・大切なのは、どのようなことでもできるだけ積極的に経験すること。それによって偶発的な出来事と出会って、人生がおもしろくなる確率が高まります。(P.65-67)
この症状が現れたらビジネス書を捨てよう
症状① 仕事がデキない人にイライラする
症状② 仕事が早く終わっても帰りたくない (P.73-78)
症状③ 能力が足りないのは自分が嫌い
症状④ 少しでもリスクがあることはやりたくない(P.119-127)
理想からの引き算に疲れた今、私たちに必要なのはエンジニアリングよりブリコラージュです。あるべき姿から逆算して足りないものを探すのではなく、今手にしているものを使ってベストを尽くす。それが非可逆の世界を生きるための知恵であり、心の平穏を取り戻すための特効薬になります。(P.91)
価値には高低があるという考え方が人を幸せにするどころか、むしろ苦しめている気がするのです。高みを目指せば目指すほど、理想にほど遠い自分を突きつけられることになります。(P.82)
「整体」という言葉を日本で初めてつくった野口晴哉は、身体のリズムは10日で、精神のリズムは7日で変わると指摘しています。身体が疲れて悲鳴をあげているときは10日、嫌なことがあって精神的にまいっているときは7日をめどに休めばいい。もちろん、それで足りなければもっと休んでも問題なしです。(P.143)
人の持つ向き不向きを、野口晴哉は「体壁」と呼びました。体壁とは、文字通り身体の癖のこと。人にはそれぞれ身体の癖があり、それによって行動特性や感受性の傾向が変わるというのです。(P.153)
おもしろいもので、体壁にあっていないものに取り組めば、身体は「これは向いてないよ」と教えてくれます。そのサインが、「やっていても楽しくない」「気分が乗ってこない」というネガティブな感情なのです。
変化の激しい時代に対応するには、むしろ「分散」が重要でしょう。・・・複数の道を同時並行に走らせることが困難だとしても、ときどきは今自分が走っている道から離脱して、別のことをした方がいいと思います。(P.212-214)

アメリカの大学教授には、サバティカルという長期休暇制度があるようです。それは、通常7年の勤務につき1年与えられ、休暇期間中は何をしてもOKとのことです。これは素晴らしい。私自身、今回MBAを取得することができましたが、幅広く経営・経済、その他もろもろについて学ぶことで、自分の足りないところもそうですし、深めたいところも分かってきました。そういう意味でも、並走している感じがあって楽しかったです。

切れ目なく転職するのではなく、半年くらい自分のやりたいことをやってから、次の会社に行くのもいい。お金のことや仕事の見つけやすさを考えながら、トライしてみるのです。サバティカルで自分を「複線化」していった方が、長期的には人生のリスクを減らせるのではないでしょうか。(P.215)

鎌田先生の著作はすでに何作か読ませていただいてますが、いつもこれまで私が持っていたところとは異なる視点でのものの見方を提供してくださり、考えさせられることが多いです。今回もそうでした。自分自身の人生においてのタイミング的にも良い本に出会えました。ここで紹介されていた野口先生の「体壁」についても大変興味を持ちました。また読んでみたいと思います。

 

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