問いこそが答えだ!


問いこそが答えだ! 正しく問う力が仕事と人生の視界を開く

著者:ハル・グレガーセン … 

出版社からのコメント

彼は自分が教えていることを実践する稀有な教育者だ。いつも自身を快適空間から追い出すことによって、良い解につながる偉大な問いを手にしているのだ。彼が多くの人に本書という武器を授けたのはすばらしい。
――クレイトン・クリステンセン(ハーバード・ビジネススクール教授、『イノベーションのジレンマ』著者)

世界を変える能力を持った人々が、正しい問いからスタートしていないがために足踏みするのを私は何度も見ている。大きな問題に取り組む人にとって本書は、違いを生み出す重要な書となる。
――アンソニー・ロビンズ(世界No.1コーチ、作家)

このメッセージは個人的に響く。問いが間違っていたと気づいた瞬間、すべては好転する。著者のいうように、より優れた答えを得る最善の方法は、より優れた問いから始めることだ。
――アリアナ・ハフィントン(ハフポスト創業者)

正しい質問を探るために、初心に帰ること、傾聴すること、考え続けることの効能が本書で明かされている。この優れた書を読んで、意義深い答えへの道を進んでほしい。
――マーク・ベニオフ(セールスフォース・ドットコムCEO)

内容(「BOOK」データベースより)

どうすれば、良い問いになるのか?問う能力は、いかに磨かれるか?より良い解決策は、より良い問いから導かれる―MITの世界的イノベーティブシンカーが、「問い」研究のすべてを明かす。

仕事で肝心なのは素晴らしい答えにたどるつくことだという考え方をしていると、往々にして答えを目標だと勘違いしてしまう。それ以上先に進まなくていい地点に達したことを祝ってしまう。しかし、人生とはそういうものではない。(p.12)

そうではなく、答えの価値とは、それによってさらにより良い新しい問いが見つかるところにあると考えたらどうか。言い換えるなら、答えを導き出す鍵として問いを捉えるのではなく、次の問いに進むための足掛かりとして答えを捉えたらどうか。これは大きな発想の転換になるはずだ。集団による創造の営みを飛躍的に前進させられるだろう。(p.13)

考え方の枠組みを変える問いには、状況に関係なく、根本的な共通点がいくつかある。一つは、初めて問われた時には誰もが目を見開いて驚くが、あとから振り返ると、至極当然の問いだったと思われる問いであるということだ。言い換えるなら、必然的では必然性を持った問いといえる。もう一つは生産的な問いであるということ。つまり問うことで束縛が取り払われ、思いっきり思考の翼を広げられるようになる問いであるということだ。人を追い詰める問いではない。答えらえなければ人前で恥をかくというような、往々にしてあらかじめ正しい答えが決まっている問いではない。新しく面白そうな考えの筋道をたどるように促し、そうすることで、問題の解決を約束してくれる問いだ。わたしはそにょうな問いを言い表すのに「触媒」という言葉をよく使う。まさに化学反応の触媒のような働きをする問いだからだ。問いを放り込むと、思考を遮っている壁が壊れて、エネルギーがどんどん生産的な経路に流れ込み、思考が活発化する。(p.19)

ドラッカーの言葉「いちばん重要で、なおかつむずかしいのは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを見つけることだ。」(p.24)

おそらく本書のコアなところもここに行きつくのだろう。改めて目次を見直すと、その問いの見つけ方のノウハウを習得できそうです。

まずは、「第1章 新しい答えを見つけるよりむずかしいことは何か?」

飛躍的な進歩はこのように生まれる。問いの角度を変えることで、問いは変化の触媒になる。そうすると発想の幅を狭めてしまう固定観念などの思考の壁が取り払われ、創造的なエネルギーがどんどん生産的な経路へと流れ込む。その結果、もはや打つ手がないとあきらめていた人がふいに新しい可能性を見出し、がぜんそれに向かって突き進み始める。(p.25)

あなたは自分がそれを知らないことを知っている。しかしそれよりはるかに厄介なのは、自分が「知らないことを知らない」ことだ。そのようなことはそもそも頭に浮かばないので、問われることもない。(p.29)

問いに対する著名人の考え(p.32)
・イーロン・マスク
「得てして、答えるよりも問うほうがむずかしい。適切な問いさえ言葉にできれば、答えを出すのは簡単だ。」
・エレン・ランガー
「問いによって情報検索は方向づけられ、答えもほぼ決まってしまう。」
・クレイトン・クリステンセン
「問いとは、答えが収まる場所だ。問いがなかったら、答えは行き場を失う。」
・ピカソ
「コンピュータは役に立たない。答えしか教えてくれないのだから。」

エドガー・シャインが「謙虚な問いかけ」を提唱している。「謙虚な問いかけ」とは、シャインによれば次のように定義される。「自分の殻を破らせる技術、答えを知らない問いを問う技術、他者への好奇心と関心にもとづいて人間関係を築く技術」。(p.34)

ある問いを立てると、思考を妨げている壁が突き崩され、問題が解決することがある。それらの問いによって、考えを進めるうえでの「前提」がひとつまたは複数取り払われ、今まで見えていなかった広い世界で解決策を探ることが可能になるからだ。これは一般に「枠組みの変更(リフレーミング)」と呼ばれる。(pp.37-38)

人間には一番簡単な部分に最初に手を付け、そこから進めていこうとする傾向がある。ならば、その傾向に注意し、そのしないよう心がければいい。(p.39

人間は根深い理由により、どうしてもいつも同じように考えようとし、よほど困ったことにならない限り、なじみのある思考の枠組みを捨てようとしない。とりわけ社会集団では、その傾向が顕著になる。・・・私たちは自分たちの固定観念に異議を唱える「変化を起こす知識」を受け入れるより、「安定を保つ知識」に頼ろうとするという。どれだけ「安定を保つ知識」を積み重ねても、それは従来の枠組みの中で別の仮説を立てることにしかならない。(p.40)

問いは、思考の枠組みを変えまいとするそのような抵抗の壁を崩す最も効果的な方法だ。問いを用いれば、タブーとされていた領域が力尽くではなく、そっと開かれて、個人レベルでも、集団レベルでも、当たり前とみなされていた考え方に誤りがなかったかどうか、再検討が促される。イーロン・マスクはそういう手法を「第一原理思考」と呼んでいる。(p.40)

第一原理思考ではまず、間違った前提が徹底的に取り払われる。そして疑う余地が全くない真実の層に達したら、そこからアイデアが練り始められる。・・・マスクによれば第一原理による問題の分析は次のように行われる。「”真実だと確信できることは何か”と問い、いちばん根本的な真実まで、ものごとを掘り下げていくんです。強く確信できることが、基本の真実、自分にとっての公理的な要素になります。それが分かったら、それを使って推論を進めます」枠組みの変更は、たいていは「枠組みの拡大」を意味する。それまで制限されていた探求の範囲を広げるということだ。(pp.41-42)

例えば、自動車メーカーであれば、「より良い車を作るにはどうすればいいか」と問いやすいが、それはいい問いではない。広い観点から見れば、車とは、どこかへ移動するという「用事」を済ますための手段であることがわかる。だとするなら、「顧客により良い移動手段を提供するためにはどうすればいいか」と問うほうがいい。そうすると、イノベーションの幅がいっきに大きく広がる。(p.42)

どんなにすばらしい洞察も、それ自体ではほとんど何の役にも立たない。洞察が世界を変える力を持つのは、誰かがそれを実用化するときだ。しかし洞察をそのように現実の力に変えるためには、多大な労力を要する。ふつうそれは時間的にも、能力的にも、ひとりの人間にできることではない。大きなことをするとはつまり目標の実現のために他者を引き込んで、力を借るることを意味する。(p.44)

大事なのはただ問うことではなく、問題の解決につながる創造的な問いを立てることだ。そうすることで共同思考が促され、著しい進歩をもたらす共同作業が可能になる。私生活でも仕事でもそういう問いを増やすには、いつもそういう問いを心がけることが肝心だ。枠組みを変え、新しい問いを立てることが、画期的な解決策の取っ掛かりになる。画期的な解決策が必要とされる問題は至るところにある。偶然のめぐり合わせだと思われがちなひらめきをもっと意識的な努力で得られるものにすることは、どんな人にも役に立つはずだ。(pp.52-53)

突然お思いつきによって急に道が開けるという体験は、一生に一度の幸運な出来事のように思えるかもしれないが、じつはそれは運任せにするべきことでもなければ、めったに起こらないことでもない。それを引き起こす問いをもっと重んじることで、自分で引き起こせるのだ。(p.53)

どんな分野でも、最初に基礎知識ー疑問の余地がないことがはっきりしている土台となる知識ーを身につけてからでないと、自分で探求や洞察を深めることはできない。(p.59)

どんな分野でも、基礎知識は増えることこそあれ、減ることはない。・・・しかしほとんどの人にとって、学校教育を受ける期間をそこまで長く延ばすことは現実には不可能だ。だからほとんどの人は、基礎的な概念について問うところまで行かず、情報の伝達を目的とした学校教育を受けるだけで、学業を終えることになる。(p.60)

問いが阻まれているもっと大きな、もっと暗い原因は、職場にはびこる権力闘争にある。(p.61)

権力の追究者たちは話の進む方向が問いによって決まることや、その結果として、問う側が話の主導権を握れることに敏感だ。彼らは問いを使って支配的な立場を守ろうとし、相手から何かを問われれば、無視するか、それを自分に都合のいいように利用しようとする。(p.66)

組織が成長し、市場での支配力を高めるにつれ、権力を追求するタイプを引き付けるようになり、やがて経営の上層部がそのような人物で占められた。いっぽう一般社員は、そのような上司のもとで働くことを厭わない者、つまり問わずにはいられない成長マインドセットを欠いた人間ばかりになった。その結果、かつて世界を変えた革新的企業は、胸の躍る新しい問いを生み出し、追い求める力を失ってしまった。(p.74)

リーダーの役割とは、大目標を定めて、大きな夢を描くことです。ですが優れたリーダーであれば、自分は脇へどき、部下にアイデアを出させ、試させます。自分が中心にならず、部下にそれぞれの考えを推し進める自由を与えます。じつはたいていの場合、それがリーダーがするべきことのすべてです。(p.75)

根本的な考えとして、「イノベーションで肝心なのは、解決策そのものよりも、正しい問いを立てられるかどうかだと思うんです。・・・問いが正しくなかったら、正しい解決策は得られません」とわたしに話している。(p.76)

「クエスチョン・バースト」問いのブレインストーミング
(p.97)
ステップ1 準備
ステップ2 問いを生み出す
ステップ3 問いを分析する

その他のピクサーの問いの文化(p.125)
「ブレイン・トラスト」:同僚から一切遠慮のない意見をもらう
「メモの日」:メモの形で意見を伝える

個人が問いの生まれやすい場に身を置くには、3つの方法がある。(pp.130-132)
①問いが生まれやすい環境を自分で意識的に探すという方法
②自分でそのような環境を作る方法
③自分の力では簡単に環境を変えられない毎日のさまざまな場面で、間違うことを覚悟のうえで、自分の個人的な見方に徹するという方法

あまり自信のない、いささか突拍子もない問いでも、みんなに耳を傾けてもらえる。そのためには自分自身の態度と、行動と、習慣を次のように変えることが必要だ。最初の思い付きや決まりきった答えが正しいと安易に信じるのをやめて、自分の考えは間違っているかもしれないと考える(態度)。いつもの慣れた場所から飛び出して、冒険に挑む(行動)。相手に自分の意見を受け入れさせたいという衝動を抑えて、話すことより聞くことにもっと時間をかける(習慣)。これら3つのー態度、行動、習慣ーのアドバイスは、単なる私の思い付きではない。これらはすべて創造的な思考をする人たちが実際にしていることだ。(pp.133-134)

どこから見ても「正しい」-あるいは「正しい」と見られるー人間であろうとすることほど、問いにとって有害なことはない。わたしたたいは自分が正しいと信じ切っていたり、早く決定を下さなくてはいけないと思いこんでいたりすると、手近にある答えに飛びつき、それ以上詳しく問おうとしない。発見のプロセスを開くことを拒み、ほかの人にもそれを閉ざしておくよう圧力をかける。(p.140)

逆に、自分が間違っていることが自分で分かっているときには、問い続けられる。そうせざるを得ないからだ。自分がしていることがうまくいっていないことが火を見るより明らかなら、自分は正しいという幻想は抱けず、その結果、問いがおのずと浮かんでくる。(p.140)

間違いの力に十分に注意を払っている人物の一人の、ネット証券大手チャールズ・シュワブのCEO・ウォルト・ベッティンガーは少なくとも5つの方法で、秩序立てて、極めて厳格に実行していることを知った。まず、直属の部下に「腹蔵ない正直な報告」を求めていること。第二には、複数の観点からチェックするということ。第三には、自分がいかに部下から教えられることを必要としているかを説明するということ。第四には、人から「あなたは分かっていません」と言ってもらえるよう、巧みに仕向けるということ。第五には、問題提起を目に見える形で奨励するということ。(pp.166-168)

成功する計画を立てるためには、自分であれこれ語りたい気持ちを抑えて、自分を「受信モード」に切り替えることが必要だ。私が話を聞いた人たちは主に次の3つの手法で、「黙る」ことを実践している。(p.211)
①相手の言葉にじっくり耳を傾ける
②言葉以外の情報も取り入れる
③頭を埋め尽くしている雑音を取り除く

それらの方法の重要なポイントや実践例
・予期しないことに耳を傾ける
・あえて口をつぐむ
・驚きに備える
・話しかけやすい人間になる
・能動的に受動的なデータを探す
・黙って考える時間を作る
・毎日読む、深く読む
・心と頭を空っぽにする
・静寂の音

誰もが自分の人生の指針になる要の問いを持っていると、わたしは今でも確信している。人によってその問いを意識していることもあれば、意識していないこともある。その問いは理想の自分に近づこうと目指す中で自分に対して発せられた問いであり、胸に深く刻み込まれている問いだ。・・・しばし立ち止まって自分を見つめ、人生の目的を明確にしている人たちはそれを短くまとめ、力強いモットーとか、近いの言葉とかの形にしていることが多い。(p.354)

要の問いは、石に刻まれた問いではない。ときとともに変化することもある。環境の変化によって、自分にできることは変わってくるからだ。(p.361)

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